小川洋子の本

密やかな結晶 新装版

密やかな結晶 新装版 小川洋子

この人が薦めるのだから面白いはずと捜した本が見つからず…の時に有名な作家さんなのにそもそも読んだことが無いなと思い、何か一作と背表紙の情報だけで手に取ってみた作品。正直なところここまですごい作家さんだとは思っていなかった。舞台となる架空の島では次々とモノが消滅していく…この消滅の仕方が物理的に無くなるのではなくて人々の記憶から抜け落ちていく、というもので記憶から抜けてしまったものを人々が消滅させる…というか消滅させられる。例えばある花が「消滅」すると人々はそれが何かわからなくなってしまい、その花は物として存在するのだが人には意味をなさなくなるため破却しなければならない。このならないというところもポイントでまとめて燃やしたり川に流したりするわけだがそれを怠ると秘密警察の取り締まり対象になってしまう。記憶をずっと保持できる人もいるのだがそういう人たちは秘密警察に連行されて…という物語。こんな分かりにくい設定〜自分の説明が下手なだけではないと思う!〜の荒唐無稽な物語をこんなに自然に読ませるというのは只者ではない気がする。イデア論とか実存主義とかそういう哲学的な深い背景があるような気もするがそれが鼻につく感じもなく物語世界に引き込まれててしまった。マッカーシーとかオースターとか欧米の作家のデストピアものとは一線を画す静かな物語。素晴らしかったです。不学を反省し、他の作品も読んでみたいと思いました。

約束された移動

約束された移動 小川洋子

世界の片隅で、そっと息をして、誰にも迷惑をかけず、自分だけのささやかな喜びのタネを胸に抱えてひっそり暮らすひと。 確かに存在するのに、自分から手を上げたり声をあげようとはしない、自分だけの王国を大切に守るひと。 そんなひとを描くのが小川洋子さんはうまい。

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洋子さんの本棚

洋子さんの本棚 小川洋子

本を語ってる…かのように見えて、その実、彼女達の深い考えが幾たびも語られる…そんな「目から鱗」な作品でした。 取っ掛かりは小説や映画なのですが、そこに出てくるキャラクターの奥に潜む感情面をあますことなくすくい上げて、それを今度は自分達や周りの人達といった「一般化」して日常に落とし込む…わたしはそこまで深く本を読めてるだろうかと、急に恥ずかしくなってきます。子供の頃や学生の頃に読んだ本で衝撃を受けたものを、大人になった今再び「何故衝撃を受けたのか?」を紐解き直すという作業の凄さに驚きました。 それもこれも、2人の洞察力・読解力の高さによるものなのですが。 この本の中で紹介されてる作品も、いつかは全て読み尽くしてみたいですね…!

文学ムック たべるのがおそい vol.3

文学ムック たべるのがおそい vol.3 小川洋子

今号で真っ先に読んだのは、セサル・アイラの『ピカソ』 牛乳瓶から出てきた妖精に「ピカソになるのとピカソを手に入れるのと、どちらにするか」と訊ねられていろいろ考えたあげく……というお話。面白い。どうにもならないことを考えて(妄想して)いるうちに1日があっという間に過ぎてしまうタイプの人はハマると思う。

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カラーひよことコーヒー豆

カラーひよことコーヒー豆 小川洋子

仕事や日々のことで少し狭くなった心の隅の苦しさにふわりと優しさを届けてくれる。女性に生まれてよかったとこの本を読んで思った。160510

とにかく散歩いたしましょう

とにかく散歩いたしましょう 小川洋子

エッセイ。小説とは違う柔らかい感じ。でも小川さんの視点の数数があれらの小説の世界観をつくりだしているんだと納得しちゃう部分あり。

まぶた

まぶた 小川洋子

小川さんの短編集です。私は「妊娠カレンダー」と「博士の愛した数式」しか読んだこと無いのですが、小川さんの短編の切り方は スゴイ ですね。 今回の「まぶた」の中では「飛行機で眠るのは難しい」と「匂いの収集」好きです。どちらもどちらかと言うと小川さんの色は薄いかも知れませんし、どこかで聞いた事あるよ、という話しなのにもかかわらず、最後の終わらせ方が怖いです。そう、この2つは終わりが想像できるのに怖い。短編なのに話しにグイグイ引き込まれ、あっという間に放り投げられる感じです。 やはり(当たり前なのかもしれませんが)独り想像させられるのは怖いですよね 2006 5月

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博士の愛した数式

博士の愛した数式 小川洋子

キツイ物語ばかり連続で読んではので、これはその毒消しになった。笑 ほのぼの

ミーナの行進

ミーナの行進 小川洋子

思い出は、人生の宝物になる。 ゆっくりとミーナとの生活が語られていきます。オトナの事情も、子供の目線で。日々の生活が優しく丹念に描かれています。

甘い罠―8つの短篇小説集

甘い罠―8つの短篇小説集 江國香織

小川洋子さんと、桐野夏生さんと、高樹のぶ子さんの話が特に気に入った。 恋愛ものの罠ばかりかと勘違いしていた。 男を老人が恐怖に包む罠もあれば、書道家を過去の因縁で陥れる罠もあれば、男女の渦巻く罠もあれば、囀るような心清らかな作家が出てくる話もある。 ジャンルの違う料理を1度に食べたような、不思議な気持ちです。

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ 小川洋子

ラストを喫茶店で読みましたが、不覚にも涙が出ました。 大きな波がある訳ではないけれど、ずっと美しい物語でした。

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世にも美しい数学入門

世にも美しい数学入門 藤原正彦

数学者と小説家の対談。 数学が美しいのは、そこに神が隠した秩序があるからだ。一言で言えば、そんな内容。その美しい秩序を発見し、証明しようとする数学者たちの偏愛ぶり。 完全数、三角数、素数、虚数のはなし。フェルマー予想はもちろん、谷山=志村予想、から不完全性定理まで。 おふたりの言いたいことは「数学は悲しいほど実用的でない、だからこんなに美しい」ということなんだろう。

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琥珀のまたたき

琥珀のまたたき 小川洋子

異質な生活は、子供達にとって特別で平穏な日々となった。特に琥珀にとって。 ファンタジーぽく淡々と描いていることが、異常な世界を際立たせている。 大人が子供の世界を歪めている現実。そこでの毎日は、一般の価値観と違うものが育まれる。想像は力であり自由であると思う。しかしながら、それが良いのか悪いのか、その子にとっての常識は一生変えられない。それも一つの幸せかもしれないけれど。

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