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『ピーターラビット』の故郷、イギリス湖水地方で600年以上続く羊飼いの家系に生まれた著者。ときに厳しい自然の中の暮らし、生業への葛藤……世界で最も古い職業... 続き

コメント

発表されたときにかなり話題になったのを覚えていたのと最近読んだ本で取り上げられていたので手にとってみた。イングランド北部の湖水地方と呼ばれる丘陵地帯で昔ながらの牧畜を営む羊飼いが書いた本。600年もこの地で羊を飼ってくらしてきた一族に産まれ作者は生まれたときから家業である牧畜を継ぐものと自分でも思っていて学校も十代半ばでやめてしまう。しかし父親との確執から大学に行くことを決意しオックスフォードに入ってしまう…面白いのは大学に入ったことで父親との仲が修復され、世界でも珍しいオックスフォード卒の羊飼いを現在営んでいる。祖父の代からの羊飼いの日常と歴史を描いているのだが殊更に家業を美化することもなく周囲の自然を殊更に持ち上げることもなく淡々と描いているところに好感が持てた。自分が子供の頃通っていた学校の話が出てきてそこは正直なところ鼻につくし読みにくいしそもそもおかしいとも思うのだけど...全体としては非常に面白かった。変なイデオロギーの話が無かったところも良い。

読者

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ノンフィクション

ロスト・シティZ~探検史上、最大の謎を追え

ロスト・シティZ~探検史上、最大の謎を追え

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

アメリカ原住民連続殺人のノンフィクションが良かった作家のデビュー作を手に取ってみた。ヴィクトリア時代に世界的に有名だったという探検家~顕著なランドマークなどの発見がないので忘れられているらしい~パーシー・フォーセットの行方不明の謎を追求した一作。探検家目線の章と、作者自身の動きの章がほぼ交互に出てくる構成。アマゾンのどこかに古代文明の大きな都市跡があるといういわゆるエル・ドラドの伝説を追ってジャングルで行方不明となった探検家はジャングルでの過酷な生活にも耐える頑健さと先住民の文化を尊重する公正な心を持った傑出した人物だったらしい。もっとも「できない人」に対しての許容ができず同時代人からの評価は二分されるようだが...。この時代の探検家の殆どがありあまる富に物を言わせるタイプだったのに比して没落貴族の出身で軍人だった探検家~第一次大戦では砲兵隊中佐として参戦、ソンムの戦いにも加わっている~は生涯に渡って探検への資金集めに苦労し、最後は息子と息子の友人の三人でジャングルに消えた。アマゾンのような過酷過ぎる環境では高度な文明は発達しないというのがほぼ定説になるまでに彼らの捜索、救助の目的で命を落とした人は100人を超えるという。しかし初期の征服者達がジャングルの奥で大都市を見たという話を残しているのも事実らしく…作者も探検家のことを調べるうちに自らもジャングルに入りそこで新たな説に出合ってエル・ドラドの正体に行き着く、という構成がかなりスリリングで引き込まれた。

約16時間前