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災厄による滅亡を免れるため、演算空間に人類が移住した世界。棄てられた物理世界で生き延びる旧人類のシロとサエの成長を描く 続き

コメント

SFってわりには、随分ファンタジーだな
と思って読み進めると、急に視点が変わる感じ。
で、戻るとファンタジー皆無のお話へ。

生きてるってなんだろうは永遠の課題。

朽ち果てた物理世界と、全てがデータ化された演算世界での“生と性と死”を対比して、“生の実感とはなにか”を描いたSF。

物理世界では、生は常に終わりと隣り合わせ

性は労働力生産のための資産。
死については考える暇なんてなかった。

演算世界では、生には終わりがない。
性はコンテンツとして消費され、
死もコンテンツとして消費される。

著者のつかいまことさんはゲームデザイナーをされている方だからか、難しいテーマでも読みやすく、平易な文体。
そしてキャラが魅力的!

その日を生きぬくことだけ考えていればいい物理世界で、なぜこんな辛い世界で生きなければいけないのか考えるサヤと、永遠の命を獲得し死を完全に克服した演算世界で、生の実感とは何なのか、考えるクウ。
この二人にどちらにも共感する自分がいました。

最近、パソコンを便利に使えば使うほど、パソコンが自分の体の一部のような気がしてきています。
自動処理のプログラムがうまく動くと、自分が賢いような気分になったり。
仕事以外でも、服や風景を画像で見るだけで、満足することもあったりして。

パソコンと自分の脳の境界が曖昧になってきて、もう30%くらい、自分の“生きる実感”をデータ世界に移行している感じがあります。
体験をデータ処理に代替しているのです。
そして、データだけで満足するのが上手くなってきてる自分。
これが100%になっちゃうと、どうなるんだろう。

本作の、人類が100%データ移行された未来世界は、なかなかクレイジー。
日本で戦争や飢餓が克服され、サバゲーやダイエットの形でコンテンツ化されたように、演算世界では「死」すら、好奇心や空虚な心を満たすための、刺激的なコンテンツなのです。

だって死なないから。

心中が愛の形だったりするのです。(死なないけど)

未来世界では突拍子もない描写が続きますが、目先の便利さや新しい刺激に逆らえないのが人なので、かなりリアルな感じです。

ただ、データ世界は全てバックアップが取られているので、新しい日を生きるためには、毎日新しい体験を積み重ね、世界を更新していかなければならない。

そんな演算世界をみてると、記憶はうすれて消えることに意義があるとか、道のりが辛かった分愛着が湧くとか、不合理なものや不便なものの価値はうまく証明できないけど絶対にあるし、きっと、それが生きる実感なのだと思えるのです。

命は過剰に大切にしなくてもいい。

伊藤計劃さんにテーマが似てると言ってる方がおられましたが、たしかに!どっちも好きです!!

カニSFは初めて読んだw
やっと日本のSFが、伊藤計畫氏の呪縛(?)から逃れらた感じのする逸品。テーマは“人間とは?”と言う事で、『虐殺器官』と似てはいるんですけどね。ナウシカ的世界観+演算世界な遠未来ディストピアな逸品。いやぁ、面白かった(^^)

確かにカニSFですね。あらすじを読まずに本文を読んだ方が途中驚きがあって良いかも。

ファンタジーと見せかけて一気にSFに持っていくのはお見事。

テーマが大きいけど作者なりに答えを出していて、それを受け入れるかどうかは読者次第だけど、登場人物たちがもがいてようやく何らかの答えにたどり着く様子をマジマジと見せつけられるので説得力がある。

まあ結局セックスやなあ。

このまま合理性を求めるなら身体を捨てるのは必然。
でも、合理性を突き詰める程に非合理的なものに惹かれる。

読者

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