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コメント

2016年に〈Webちくま〉に連載された「人生につける薬 − 人間は物語る動物である」の書籍化。
私、いかにもな自己啓発本が苦手で、これまで慎重に避けて生きてきました。この本も連載時のタイトルだったら読まなかったと思う。あー読めてよかった!
ものすごく雑にまとめると、
「人間は出来事に因果関係(を含むストーリー)を求めてしまう生き物なんだ。でも世の中には理由のないことだってたくさんあるんだよ。それに、自分の作ったストーリーによって苦しんでしまうこともけっこう多い。だったら、ストーリーを手放すという生き方もあるよ?」
という内容です。本当はもっと深いし、示唆に富んだ言葉が満載なので、ぜひ手にとってみてほしい。
好きな本、感動した本、面白い本、役に立った本はたくさんあるけれど、自分を変えてくれる本との出会いはなかなかありません。私にとってこの本は、そんな一冊になる予感がします。

人と物語の関わりは、私にとっては命題のようなもので、それは「物語を読む」というだけではなくて「物語形式に思考し、理解し、あるいは記憶する」ということも含む。
本書では後者について考察されている。
要約すれば、物語形式での理解、つまり因果関係(〇〇なので〇〇である)を下地にした理解は、一種の筋、枠にはまってしまうことの不自由さに繋がるのだという内容だが、一つ一つを丁寧に解き明かして行く書きぶりにドキドキした。
感情のままに行動することの不自由さ(選択肢がない、選べないという意味で)、についての記述は、今まで考えたこともなかったので、大変面白かった。

読者

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