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並の怪談が裸足で逃げ出す恐怖。結局一番怖いのは人の心。
文庫化にあたり70ページ大幅増補。文庫版補章『その後の「家族喰い」』でもさらにつらい事実が明かされるも家族を乗っ取られた被害者のさまざまな事を飲み込んでそれでも生きる姿に救いを見た。『美代子はきつい言葉で責め、苛烈な暴力を行使するだけでなく、食事や睡眠の制限で意識が朦朧となった皆吉家と谷本家の大人たちに対して「次に責められるのは自分かもしれない」という恐怖で支配する関係を構築したのである。』P274
洗脳の常とう手段である食事、睡眠の制限これに類することは
学校、職場、家庭など人が集まる場所では起こりがち。このとき美代子容疑者は覚せい剤をキメていたので眠くならないというカラクリもあるのだが。
また実の姉を殺害し数々の犯行を自供した容疑者(もともとは乗っ取られた家族、乗っ取られた当時は高校生だった)が語る「私には今でも美代子さんに自分は大事にしてもらった、恩があるからお返しとして大事にもしてきた。その関係のまま別れたことになるので未練の情が残る部分があります。そして角田家も家族として大事にしてきたので同じ気持ちです。でも(精神)鑑定の話を聞いていると、やっぱりこれは特殊な手段や方法の中でなら多くの人がなってしまうメカニズムがあって、その上で植えつけられたものなのかなと思います。私には実感があるから本物だという感覚が残っていますが、でも認められるものじゃないのもわかってきています。本当に美代子さんが自分を大事にしてくれていたら、こんな手段や手法はとらなかったはずだと思うようになりました。少しずつ」P330、は洗脳の恐ろしさをこれでもかと突きつける。本書は何処にでも起こりうる「洗脳」という恐怖にいかに気付くことができるかという備えになると感じる。

読者

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小野一光の本

家族喰い――尼崎連続変死事件の真相

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Akiko Shihara Ieiri

家入明子です。

尼崎の連続変死事件のルポタージュ。 親族のみならず赤の他人の一家まで乗っ取って、心身ともに支配した角田美代子。そんなことがどうして実際に起きるのかさっぱりわからなくて読んだ。あらゆる家族が大なり小なり抱えている弱み、歪みにつけこむのだということがわかった。

2年前

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