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メディアやブランドが提案する生き方なんか、クールじゃない。過剰な消費を繰り返すライフスタイルから抜け出して、ダイナミックでセクシーな、自分らしい「ほんとう... 続き

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P19 ぼくの理解では、商業メディアが最初に取りくむことは、「恐怖を売ること」だ。そして恐怖はぼくらのこころの奥底に不安感を埋めこむ。続いて、消費文化がぼくらに安心を買いもどす方法を丁寧に示してくれる。

読後の感想としては、賛否半々。

この本を読んでいる間に、2つの映像作品が頭に浮かんだ。

「ファイト・クラブ」
「マトリックス」

の2つ。
ラースンの語り口は、ファイト・クラブのタイラー・ダーデンを思わせる。

過激で、挑発的で、しかし(僕のような反グローバリズム派には)実に魅力的だ。

いや、ラースンの年齢を考えると、タイラー・ダーデンがラースンに似ているというべきかも。

ラースンのフィルタを通すと、グローバリゼーション下の現代の社会に生きる我々は、まるで”マトリックス”の世界の人々のようだ。

手足と思考の自由を奪われ、広告やミームに脊髄反射するよう幼少期から洗脳され、決して満たされる事のない飢え(この感覚すらヴァーチャルなものだが)を植え付けられ、決められたエサを、満足には程遠い量だけ舐める程度に与えられ、さらなる渇望を焚き付けられる。

主張する内容自体には同意できる部分も多いのだけれど、カルチャー・ジャマー的な方法論に関しては、ちょっと眉を顰めてしまう。
正直、まっとうな運動というよりテロ的な印象のものも多いと感じる。

ブランド批判や生産拠点国に於ける児童労働や低賃金労働の問題等にも、同意はできるもののもう少しマイルドでありつつ効果のあるやり方はないのか?と思ってしまう。

グローバリゼーションへの個々人の抵抗として、僕が実際にやっていることは

「コレ以上必要か?」

と、自分自身や周囲に問いかける事。

ブランドを、必ずしも否定する(否定しない必要もないけど)必要はない。
ミームだろうが洗脳だろうが、自分がそれを「よい」と判断したことは確かなのだ。
ただそこで

「ソレは本当に必要か?」

「ソレは本当に自分を豊かにするか?」

「ソレが今自分の手元にくるまでの間にどれだけのコストがかけられ、どれだけの

『本来かかるべきコストの皺寄せ』を受けた人々がいるのか?」

「ソレを作っている・そのサービスを提供している企業は、世界をよりよい地平へ導く可能性が高いか?」

といった部分に意識を向け、OKな時には購入している。
こういう事を言うと家人には

「めんどくさい(そういう事を考える事も・そういう事を考えている僕のことも)」

とか、

「普通そんなこと考えない」

と言われてしまうのだけれど…

手放しでオススメできる感じの本ではない。
著者が振りきれちゃってる人なので、ちょっとついていけない感もあるし、“緑のお豆”とか“海の番犬”とかとの繋がりは個人的にとてもマイナスなイメージもある。

ただ、所々の主張(現代のフェミニストの問題等)には鋭いものもあったりで、鵜呑みにしたり、逆に全否定したりしないで、距離を置いてフラットに読むと、新しい視点の獲得の一助になるかもしれない。

読者

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社会

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1日前

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感情や記憶は、個人の能力に還元されやすい。その考え方に基づき医療も行われやすいのだが、一方で医療とは、患者と医療者が向かい合い、互いに感情や記憶を交錯させる場面でもある。著者は、診療場面を丁寧に記述することで、感情や記憶というものを説明しようとするときに寄って立つべきは我々の生活そのものであることを述べようとしている。試みが成功しているかというと微妙で、一分で辿り着ける目的地にわざわざまわり道して向かっている気がしてくる読み心地。ものすごく、読みにくい。しかしそのくらい実はたどり着きにくい目的地なのだな。

5日前