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コメント

タイトルからして料理をめぐるライトな物語かと思って手にとってみた本作。
実はアルメニア人の大虐殺で家族と財産を全て無くした主人公、死んだほうがマシな目にあった後、やっと得た幸せな家庭もナチのせいでまた全て無くして、というかなり重たい話。
これが面白くないかというとページターナーというか次が気になっていっきに読んでしまう感じ。
過酷な運命にさらされ数奇な運命を辿る主人公だけど、決して陰鬱にならずあけすけに性についても語ったりする。受けた傷にはきちっと落とし前をつける感じがいいのかな。
巻末にはレシピと人類の罪に関する書誌が付いてる、そういう作品。いい意味で予想を裏切られて面白かった。

20世紀に起きた色々な大量虐殺事件で次々と家族を奪われ、だけど復讐すべきろくでなしにはきっちり落とし前をつけて生きてきた、かつてのとびきりの美女で、腕の立つ料理人でもある、ただ今105歳のおばあさんの一代記。「フォレスト・ガンプ/殺戮の20世紀編」みたいな感じ(なんだそれ)。

読者

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文芸

第二音楽室

第二音楽室

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ぬぬに

非ワカモノです

佐藤多佳子のスクールアンドミュージックシリーズ第一弾。 鼓笛隊、二重唱、リコーダーカルテット、スクールバンド、さまざまな切り口から、自分以外の誰かと音をあわせるよろこびを綴っていく短編集。 一作目「第二音楽室」は小学校の鼓笛隊で、楽器をもらえないピアニカ組に割り振られた六人のお話。 ふだんなら絶対仲良くならないクラスメイトとの間に生まれる束の間の連帯感。ツボハマり過ぎて泣きそう。 二作目「デュエット」。音楽の試験、男女ペアの二声で『翼をください』を歌う話。ペアの組み方は自由!主人公は憧れのボーイソプラノ君とペアを組めるのか? 自分の時代にこんなのあったらペア組めなくて、絶望で打ちひしがれてたに違いない(笑 三作目「FOUR」は魅惑のリコーダー小説。卒業式で演奏するための臨時カルテットに選ばれた四人の中学生のお話。『インスブルックよさようなら』吹いてるし! 奏でる喜びが、合わせる喜びに昇華していく、音楽の一期一会感を思い出させてくれる一作。 最後の「裸樹」はスクールバンド編。中学時代の不登校の経験から、実力もやる気もないバンドメンバーに迎合しながら、道化キャラを演じ続ける主人公のお話。 没頭できるなにかがある事は時として人を救う。 ブラスバンドに押されて「第一音楽室」を使わせてもらえなかった弱小文化部出身としては、個人的なツボ押されまくりの名作でした。次も読もう!

約3時間前

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海を見たことがなかった少年―モンドほか子供たちの物語

海を見たことがなかった少年―モンドほか子供たちの物語

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kantaroh

ブルーにこんがらがって

大人になるとくだらない物差しで人を見定めたり、ほんとうに必要なことがわからなくなるからこそ、この短編集の瑞々しさがすごく刺さる。 海を見るために旅立った少年を大人たちは失踪というけれど、残された子どもたちはそうは思っていない。 時折誰かが思い出したように「あいつ、あっちにいると思うかい?」と少しだけ語るそんな関係性が凄くいい。 ある作家が文章で1番大切なことは、いかに瑞々しい文章を書き続けられるかと語っていた。 読後、その言葉が脳裏にフッと浮かんでは消えた。

約10時間前

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パノニカ

パノニカ

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

本作のタイトルを含め彼女に捧げられた曲がたくさんあること、からジャズファンには馴染みの深いニカ夫人について姪にあたる人がまとめた伝記。ロスチャイルド家に産まれ自身が莫大な資産を持っていたうえにフランスの男爵と結婚して広大な屋敷に住み、5人の子供に恵まれていた夫人が突然、家族を捨ててアメリカに単身渡りジャズミュージシャンのパトロンとして生きることになったのか、をまとめた作品。驚いたのは彼女の生涯で、男爵夫人だったもののナチスドイツにフランスを追われて夫が自由フランス軍に入隊した時に子どもたちをアメリカに送って自分も夫の後を追い軍に加わって爆撃機まで飛ばしていたらしい。富豪であってもユダヤ人ということで差別を受けていた一族のため周囲との交流も少なく金はあっても不幸せな人生を送っていた~作者自身も一族の人だから多少割り引く必要はあると思うが~彼女がジャズに自由を見出し好きなように後半生を生きた物語は予想以上に興味深かった。彼女の名前がついた曲は沢山聴いてきたがちょっと聴こえ方が変わるかもしれない。ユダヤ人の側から見た迫害と抵抗の歴史、といった側面もあり面白かった。

約12時間前

ポーランドのボクサー

ポーランドのボクサー

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

カバーとタイトルに興味を惹かれ手に取ってみたら南米はグアテマラの作家だとか。南米っぽい作品なのかなと思って読み進めてみたらユダヤ人でしかも主要な登場人物は作者自身のような。タイトル作は作家自身の祖父がいかにしてアウシュビッツを生き延びたかという話。調べてみるとこういう作品をオートフィクションというらしい。私小説とでも言うか作者と作者の周辺の人達がほんとに体験したエピソードからフィクションを作ってしまう手法なんだそうだ。周囲の人達にしたらたまったものではないのでは、と思うのだが…。しかし作品そのものはかなり素晴らしい出来。南米というよりユダヤ臭の強いものが殆どなのだが宗教や民族のことを分かっていなくても楽しく読める。あとがきを読んで知ったのだが元々は3つの短編集に収められていた作品を日本向けに一冊にまとめたものらしい。それにしてはお互いのストーリーに破綻がなく上手くまとまっているのは編集の冴えということもあろうが同じエピソードから物語を様々に作っていく人なんだろうな。ジプシーの血を引くセルビア人ピアニストとの邂逅を廻る物語が一番印象に残った。他の作品も読んでみたい。面白かった。

約12時間前

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