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引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。EDの議員、鬱病のヤクザ、痴漢、いとこの居候-遠い点と点とが形づくる星座のような関係。ひと... 続き

コメント

表題作よりふたつめの短編の方がすき。どきどきする。
たまに読み返す本です。

大好きな絲山さんの第1作、言葉は何ひとつ難しく無いのに、比喩が独特で印象的。
デザートじゃないんだから、大事な話を最後にしないで。

読者

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絲山秋子の本

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離陸 絲山秋子

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読んだなら、書こう、なるべくなら…

離陸。彼、彼女達の突然の死と不在を掌にじっと握るうち、語り手たる佐藤弘、サトーサトー、イローはその比喩に到達する。 文庫帯文にある彼、佐藤本人の言葉にあるように '' 距離というものは、自分とどこかにいる人との位置関係にすぎないのではないか。相手がいなくなれば、二点のうちのひとつが消える。距離も消える。消滅する。'' サトーサトー、佐藤、イローにとって彼、彼女たちはいなくなったのではない。離陸したのだ。まだ距離は存在する。消滅などしていない。いつか近づける。そばに行ける。その願い、祈りは確かに胸を打つ。 のだが、のだけど。

4か月前

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スモールトーク 絲山秋子

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さすらいのアリクイ

兵庫の山の中で暮らしています

参加予定の読書会の次のテーマが「会話」で、何か会話が特徴的な本はと探していたらこの本を思い出し、発表の準備で再読。画家の女性の主人公が昔付き合っていたらしい音楽プロデューサーの男と色々な外車に乗って色々喋りながら色々な場所へ行くという車の小説。互いに「外車が好き」という共通点があるということでが小説のキーではないかと。相性が悪そうな二人が何故乗ってる車や互いの性格などをペラペラ喋りながらあちこちに行くのか?それは互いの外車好きさ加減を確認したかったからなのではと。会話は軽いが、その会話の軽さから人生のコクの深さが味わえる小説ではないかと僕は思います。

4か月前

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ラジ&ピース 絲山秋子

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昔の記録に

東京生まれの自分にいまひとつ自信が持てないラジオのアナウンサーが北関東の群馬に心機一転してFM放送に再就職。そこで起こる日常を描いた作品、「ラジ&ピース」と、男と女の関係の妙を女の側からある意味本音で見せた「うつくすま ふぐすま」の2本の短編集です。 絲山さんは他者との関係性の微妙さを描き続けていると私は思っているのですが、今回はその他者が飲み友達だったり、同僚だったり、昔の彼氏だったりするのですが、今回はさらにその上に匿名の不特定多数のリスナーを相手としているところが今までと大きく違うところだと思います。それだけに意欲作ともいえると思います。もちろんいつもの絲山さんの文章ですから、非常に読みやすく、それでいて気持ちの良い距離感があります。しかし、私には閉じた関係、2者か3者くらいがやはり面白く感じられます。 それでもラジオのパーソナリティの特異性というか、可能性を感じさせる出来栄えに、また現代日本の女性の生態にリアリティがあり、スマートでそしてちょっと変わっていて、良かったです。主人公の野枝がラジオという媒体の内向きか、外向きかに気付かされる場面は好きです。 また、短いながらも「うつくすま ふぐすま」も本音と、男気ある女の生態がストレートに語られていて良かったです。飾らない言葉と態度が微笑ましいですが、昔からきっと女の方が男気あるんですよね。最後のセリフがあまりに凄くて私は好きです、たとえ言われる側に立っていたとしても。 現代の女の生態(のひとつであることは間違いない)に興味がある方に、ラジオが気になる媒体だ、という方にオススメ致します。 2008年 11月

5か月前

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ニート 絲山秋子

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昔の記録に

久しぶりに絲山さんの文章が読みたくなり、たまたま文庫になっていたのを発見、手に取り購入。で、何だか知っているような話しだな~と思っていたら、再読でした。かなり以前に読んでいた事忘れてました。 いつもの絲山さんの文章ですから、とても読みやすく、また非常に薄い本ですのですぐ読めます。が、中身はなかなかシビアです。それもいつもの絲山作品の特徴なのでしょうけれど。 いわゆるニートと呼ばれる、働くことを拒否している「キミ」と作者絲山さんを彷彿とさせる作家として働く「私」の2者関係の妙を描いた表題作「ニート」他5編の短編集です。そのどれもに私は主人公とその相手の関係、名前を簡単に付けることの出来ない関係性をテーマにしているように感じます。例えば恋人だとか、愛人とか、師弟関係とか、同僚だとか、親子だとか、そういう流通している単語に簡単に置き換えることが出来ない(置き換えてしまう事でとてもある意味チープで、言葉による刷り込みに限定されてしまう)ものを表そうとしているのか?と。ニート(これも、この単語がでてくるまでは「引きこもり」だったり、もっと前は「フリーター」だったり、もっと前は多分名前もなかったと思いますが、存在はしていた)の「キミ」の何故ニートなのか?はどうでも良く、何故「キミ」を私はかまいたくなるのかよりも、かまってしまう私たちの関係性を流通する言葉で簡単に説明してしまう事で伝わらなくなってしまう妙を伝えるための、小説であり、またその妙が伝わることによって読み手の中に残る何かの質感が重要なのではないか?と私個人は感じました。その妙は先日読んだ内田 百閒先生にもありますし、今読んでいるこの次ぐらいに感想を書きたい本(小説ではないがとても面白い春日 武彦さんの本です!)にもあると私は思います。それがあることで私の言葉ではさらにチープになってしまうのですが、心が豊かに、普通の生活がそれなりの普通でない、多面的なモノを見る目が生まれる瞬間の、不運たアクシデントを楽しめるような、そんな何かに繋がっていると思うのです。 だから、この作品の最後を飾るの「愛なんかいらねー」もその異形ではなく、異形を通すことで作られる関係性の妙に私は何となく納得してしまいました。たしかに凄いですが。 個人的に好きな作品は「へたれ」です、みなさんの心にも存在するへたれ具合との相性はわかりませんが、私にはきました。 絲山作品を読んだ事があり、好きな方には是非オススメ致しますし、読んだ事無い方でも、短いので是非。あ、お食事しながらはオススメ致しません。ちょっとひいてしまうかもしれませんけれど。私は目的でなく、そういう手段でしか表せないものがあるのではないか?という探求と理解しております。 2008年 7月

5か月前