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コメント

冷戦真っ只中のソビエトの山中で、経験豊富な9人の大学生トレッカーたちが不可解な死を遂げた。リーダーの名前をとってディアトロフ峠事件と呼ばれる。
この事件はネットなんかで見るとほんとに謎だらけで、原因も雪崩や強風といった自然現象説から軍の新型兵器の実験に巻き込まれたとかいう陰謀説、さらにはUFOなどのオカルト説まで喧しいけれど、先入観なしに事件の実地に足を運び、生き残り(体調不良で途中で引き返した)に話を聞き、その原因に到達したと思われるのがこの本。
ネットで見てるだけだと不可解でも、専門家に聞いてみればありふれたことというのは多数あるが、この事件で謎とされた部分のうち、ほとんどはそんなことだった。ただ検証が足りなかっただけだったわけだ。そして、最後の最も謎とされる部分にも、科学的に妥当なで多分最終的な結論が与えられる。
アメリカ人の著者は貯金が底をつき、クレジットカードも限度額まで使ったそうで、そこは悲壮感いっぱいながら、ぶっきらぼうながら不思議に優しいロシア人たちとの交流も楽しく、上質なノンフィクション。

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ノンフィクション

ロスト・シティZ~探検史上、最大の謎を追え

ロスト・シティZ~探検史上、最大の謎を追え

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

アメリカ原住民連続殺人のノンフィクションが良かった作家のデビュー作を手に取ってみた。ヴィクトリア時代に世界的に有名だったという探検家~顕著なランドマークなどの発見がないので忘れられているらしい~パーシー・フォーセットの行方不明の謎を追求した一作。探検家目線の章と、作者自身の動きの章がほぼ交互に出てくる構成。アマゾンのどこかに古代文明の大きな都市跡があるといういわゆるエル・ドラドの伝説を追ってジャングルで行方不明となった探検家はジャングルでの過酷な生活にも耐える頑健さと先住民の文化を尊重する公正な心を持った傑出した人物だったらしい。もっとも「できない人」に対しての許容ができず同時代人からの評価は二分されるようだが...。この時代の探検家の殆どがありあまる富に物を言わせるタイプだったのに比して没落貴族の出身で軍人だった探検家~第一次大戦では砲兵隊中佐として参戦、ソンムの戦いにも加わっている~は生涯に渡って探検への資金集めに苦労し、最後は息子と息子の友人の三人でジャングルに消えた。アマゾンのような過酷過ぎる環境では高度な文明は発達しないというのがほぼ定説になるまでに彼らの捜索、救助の目的で命を落とした人は100人を超えるという。しかし初期の征服者達がジャングルの奥で大都市を見たという話を残しているのも事実らしく…作者も探検家のことを調べるうちに自らもジャングルに入りそこで新たな説に出合ってエル・ドラドの正体に行き着く、という構成がかなりスリリングで引き込まれた。

約20時間前