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ひっつき虫(オナモミ?でしたっけ?)をヒントに生まれたマジックテープとか、カモメの羽の形状を真似て作られた扇風機の羽根とか、自然界から学んだ技術やデザイン、そういうのを生物模倣というらしい。バイオミミクリーとかバイオインスピレーションとも言うのだけど、経済的にも環境的にも期待がもてる分野で、いま飛躍的に研究者が増えてもいるそうだ。
もちろんその分野は一括りにできるものではなく、イカの発色からシロアリの蟻塚、光合成を行う葉っぱなど広大で多岐にわたる。そうしたバイオミミクリーの世界の現在をルポしたのが本書。
生物は環境といわばうまくやっている。そうしたうまくいってるワザを模倣することはたしかに効率的でもあるだろうけど、そうしたいわば「夢の技術」と現実は異なることも明確にしているのがやはりきちんとしたサイエンスライターらしい目配りの良さ。
バイオミミクリーの難しさは実際そこにある。何をどこまで真似るのか、全く同じようにか、ちょっとひねってか? しかし生物の環境適応の解決法の要点はミクロなレベルにあるのか、マクロなレベルにあるのかもわからないし、そもそも生物はうまくやってるわけではなくて、なんとかやっているだけなのだった。それを模倣するだけではもちろん足りない。
そんな基礎的なこともきちんと分からせてくれるのはありがたい本。

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