41qtqpvqjil

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を... 続き

コメント

読み始めたらのめり込んで、息つく間もなく読み終わった本。けど、人に薦めて、どこがよかったの?と聞かれて、説明に困ったことがある。

自分がいつこの本を読んだかぜんぜん覚えていない。20の頃だった気がするしもう少し後だった気もする。ただものすごくのめり込んで読んだ。無駄を省いた文体にはまり込んだ。カポーティは実在した凄惨な殺人事件を見事に書ききった。とても斬新な手法で。そしてその後、カポーティは一冊も新作を書き上げることができなかった。ただの一冊もだ。もちろん書いてはいたのだが。冷血を書いたことで彼のなかの小説を書き上げる能力の一部は死んでしまったのだろうか。この本はそれほどまでに彼を消耗させたのだろうか。

すごい話、現実にあったこととしても物語としてもすごい。恐ろしくても読んでしまう。

著者の緻密な取材から描き出したノンフィクションノヴェル。被害者側の目線、加害者側の目線、双方交互に書かれており、幸せな一家が何の罪もなく惨殺されたいう圧倒的な不条理を知る一方で、殺人犯の良心を知る場面もある。殺人犯も、私と同じ人間なのだと思えたことに困惑する。作者のカポーティーは、取材を続ける中で殺人犯の一人と境遇が似ていることを知り、友情すら芽生えたという。カポーティーは自分と殺人犯をこう例えている。
「同じ家で産まれ、一方は裏口から、僕は表玄関から家を出た」

冷血とは、犯人達のことだろうか。
死刑は復讐だと煽る大衆か。
それとも、こんな不条理を傍観する運命か。

読後、このタイトルについて改めて考えさせられる。

読者

02bc427b e16a 4e9f 9d83 03afe23c173306350d52 349e 4eee b5a3 3730ed847d9bC9c3940b 7ba5 4fb1 ad36 c879a05d3fbbF157a395 dd8e 4942 a829 47ec55fc798b08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2cE13c4327 ac62 4f4f b670 f6bf657f08e14daeef9d 483a 4baf be73 c9876e4019b0A3b121bd 6a81 4ff1 b277 28707d9fdb06 25人

トルーマン・カポーティの本

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を

A28011f6 5568 4051 b8ee cc1699a8420c

m

本と旅に出ます。

ホリーは身軽で奔放で美しい。でもその美しさは、捉えどころのない寂しさからにじみ出ているのだと思う。 彼女に憧れるのは自然なことだけど、実際彼女のように、本物のまやかしのように、生きていくのは辛いだろうなあ。 辛いけれど、そうしなくては生きられない、そうまでして生きている、だからこそ尊いのかな。

約2年前

1a878ccd 88b3 4129 906c 54805cddd51e2263f4a2 791b 4ffe b8fe 94d359b929a9642b02ad 0a3b 4660 bb08 574ec9e2df74 31
誕生日の子どもたち

誕生日の子どもたち

67cc0228 da77 4d7c 9dc5 c0ce348c6b1f

きこる

87年生まれ

"昨日の夕方、六時のバスがミス・ボビットを轢いた。それについて何をどう語ればいいものか、僕にはよくわからない" 印象的なプロローグ。一瞬にして以前読んだことを想起させられた。学生の頃に図書館で読んだ単行本と、その匂いまで。 収録作品は表題作をはじめ『クリスマスの思い出』など、少年少女の無垢さをテーマに描かれた6篇。純粋で美しい反面、ナイーブで時に残酷さを纏う無垢さ。 どこか翳りがあるも牧歌的な風景がみえる作品群のなかで、異彩を放つのは『無頭の鷹』。物語の内容よりも不気味に光る文章に強く惹かれる。 背表紙には「カポーティのこぼした宝石のような逸品六篇」とあるが、的を得ていると思えることが嬉しい。初読時(5、6年前)と比べたら、"少しは"小説を読む神経が形成されたのかもしれない。

約3年前

151a20ec 11c6 4572 b74d 1715202fc2410e34008d b593 4059 8ac2 f413ea08158fA7982261 328a 4c8e a244 4f58e3aaebde