Btn appstore Btn googleplay
9784105071813

誰もが孤独の部屋の中から、報われない愛の行き先を探している。1930年代末、アメリカ南部の町のカフェに聾啞の男が現れた。大不況、経済格差、黒人差別……。店... 続き

コメント

驚きました。自分で訳したいと思っていた作品を順次出されてきた村上春樹さんが最後までとって置かれた作品というのが売り文句で…果たしてどうなのかという目線で手にとってみたのですがこれはもの凄い作品。アメリカ文学をちゃんと学んだことがなくこの作者と作品のことも恥ずかしながら知らなかったのだけどアメリカでは古典として大事に扱われている作品だとか。第二次大戦直前のアメリカ南部の小さな町を舞台にした物語。いちおう主人公らしき少女はいるのだけど...親が下宿屋を営んでいるけどけっして裕福ではないその白人の少女、街で深夜営業しているダイナーの主人、黒人の地位向上を願う黒人医師、流れ者の共産主義者の白人男性、聾啞の白人男性、の五人を中心に語られる物語。登場人物の殆どが言ってしまえば貧困層で明るく楽しい話は全く出てこない。黒人の地位向上を願い必死に学んで尊敬される医師となった男は子供達を立派に育てようとするが今で言う毒親、モラハラになって子供全員に出ていかれてしまって孤独に暮らしているが、それでもたまに顔を出してすれる娘相手に演説をぶってしまう…。共産主義者の男は熱心に主義を説くが誰にも相手されず町の変わり者扱いされる。ダイナーの主人は主人公の少女に邪な気持ちを抱きつつも(白人だけだけど)客を公平に扱おう、善き人であろうとする。そしていろいろな希望を持ちつつ現実と折り合いをつけざるを得ない少女、その四人がそれぞれ満たされない思いを一方的にに語りに来る相手としての聾啞の男性。彼には彼で思うところがあり、という具合で華やかな人物が全く出てこない陰鬱な物語がなぜこんなに魅力的なのか...読後感も全く悪くなく不可解なのだけどそのあたりが翻訳者をして「このような物語はこの作者にしか書けなかったし今後も書けないだろう」と言わせた所以なのか...。全く気持ちは盛り上がらないけれども何故か非常に心惹かれる物語。おすすめです。

序盤は「何の話なんだろう?」と思いつつ様子見、特にドラマチックな展開など皆無のまま中盤に至る頃には「もういっそこのまま何も起こらないで欲しい」と願ってしまうくらい、たゆたゆしく物語は進んでいく。そして終盤。ラスト30ページ余りで一気に決壊するこの終わり方に、「何の話だったか?」と改めて問いたくなる。

それは、誰もがそれぞれの孤独な部屋に閉じ込められている、という話でもあるし、誰かがいてくれていると勝手に信じている私たちの話でもある。

どこにも、誰にも、何にも、繋がらない。七転八倒して夜をやり過ごしてみても、優しげな朝は続かず、昼は容赦なく辺りを白く隠してしまうほど。だから結局また、夜を待つしかない、ただただそれを繰り返すだけの日々なのに、マッカラーズはそんな世界をとことん美しく描いてくれる。何気ない風景、他愛ないやり取り、それらが活き活きと、このどん詰まりの物語に煌めきを与えてくれる。不思議な魅力を感じさせる作品。

訳者である村上氏は、「同時代性を持つ古典作品」とは言い難い本書の新訳にかなり悩まれたようで、確かに万人受けとは程遠い作品ではあるけれど、初版から80年余りを経た現代に生きる、とりわけ、夜が暗く長い誰か、の心には刺さるのではないかと思った。素敵な装丁に惹かれる方にも、もちろん。

読者

C1243901 d6eb 4606 9351 ea9d9d21c2c4Fb6e4b2d fd53 4079 9d49 7cbaa0d5dfd808e28c20 6b2b 418b be61 cedca12c56229b7b10e5 4fb3 4a41 a86b 9a79d145935d08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c84bda6eb 64c2 4e5a 8be4 5fa9fc382ae706336804 0c03 46fe 9cbc 01f7d99feb67C8a7a18e 7302 432c b52e 63faa71f5625 8人

文芸

アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

5cef2405 2710 4cb7 89d6 a4e067fea66d

にんざぶろー

20代、基本文庫本

サブスクで映画を観たので懐かしくなって。 伊坂さんの作品では、織田一真のようなキャラがいつもいい味を出してくれる。一つネジが外れてるけど、とても良いやつ。 何でもない日常だけど、暖かみに溢れてる。

約6時間前

204
同志少女よ、敵を撃て

同志少女よ、敵を撃て

60729d69 c811 4eed a64c f6dc1a34a835

ぬぬに

非ワカモノです

旧ソヴィエト連邦は、女性を戦地の最前線に送った国として知られてます。 第二次大戦中のソヴィエト連邦。ドイツ軍に家族を殺された少女が、志願して狙撃兵となる。 敵味方合わせて200万人が亡くなった、第二次大戦最大の激戦地スターリグラードでの攻防戦。 母の仇を追い求めるヒロインと、仲間たちとの絆。正義も善悪も曖昧に溶けていく戦場のカオス。最終章の怒涛の展開。最後にヒロインが撃った「敵」とは何だったのか。 年間ベスト級の一冊。デビュー作でこれは凄いな。 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの『戦争は女の顔をしていない』を読んでいたので、より深くこの物語を堪能することが出来た。

約13時間前

親王殿下のパティシエール(3)紫禁城のフランス人

親王殿下のパティシエール(3)紫禁城のフランス人

69f23578 a4a8 47e4 9f5c 89219e32098f

ひろむ

(2017年2月から2018年1…

2021/11/27読了 歴史ファンタジーとしても面白いし、頑張る女の子の職業ものとしても面白い。 パティシエールを職業としているマリーの作る洋菓子が美味しそうなので、読みながらマカロンやシュークリームが食べたくなってしまった。

約17時間前

カケラ

カケラ

427c6b74 d757 4a90 b196 eb453196302b

リトル

読むの遅いのが玉に瑕 (2016…

美容外科医のサノちゃんこと橘久乃は クリニックにきた幼なじみから昔の同級生、横網さんの娘の自殺を聞かされる それを調べるため サノちゃんの元カレやその息子、亡くなった娘の同級生や高校の時の担任、その娘の義母である横網さん本人から話を聞くことに 世の中はイケメンや美人、スタイルのいい人がちやほやされ デブやブスはイジメやからかいの対象になっているのが現実で 容姿というのがその人の判断基準になるのはおかしいのに 目に見えるものだから仕方がないのかもしれない だけど容姿と中身が必ず一致するわけでもない 先入観を捨てて 中身を知ろうとすれば 傷付く人は減るのではないでしょうか サノちゃんの言動は 私はちょっと理解できない はっきりした物言いの割に 肝心な時に何も言わなかったり 差別が垣間見えたり 横網さんが言ったように 娘の音声をもっと早く関係者に教えてあげれば違った未来になったかもしれない

3日前

12