9784480684059 1 3

発行元から

予想以上の雨が日本列島を襲っている。頭上の雨だけでは水土砂災害は分からない。雨は流域で集められ、災害を引き起こす。いまこそ、流域思考を身に着けよう!

近年、水土砂災害が急増した第一の理由は、強い雨が増えていることです。これからの50年、100年、200年にも及ぶ深刻な地球温暖化の表れだという意見も有力です。現状は、数十年間隔の気象変動のレベルという解釈も完全に否定されているわけではありませんが、いずれにしても、ここ10年の動きを見ていると、今までの常識では対応できない豪雨が増えていることは事実です。
この傾向はこれからも続くと考えておくべきでしょう。わたしたちは、すでに温暖化豪雨時代の入り口にいるのかもしれない。そう判断し、対応していくほかないと、思われます。
ところが、現状はその緊急事態とも言える状況に、社会が長きにわたり、適切に対応できずにきたのです。一般社会のレベルだけでなく、報道や自治体のレベルでも同じことが言えるのです。

――「長いまえがき」より

岸由二 豪雨 豪雨災害  生きのびるための流域思考 流域 流域地図
「流域思考」とは?
雨の水を川に変換する大地の構造のことを「流域」と呼びます。豪雨が引き起こす水土砂災害は、大小のスケールにかかわらず、「流域」という地形や生態系が引き起こす現象です。日本の利用可能な土地はほぼ河川の流域に属しており、流域は行政区域に関係なく広がっています。行政によるハザードマップだけではなく、この「流域」を枠組みとした「流域思考」を知ることで、豪雨による災害にきちんと備えることができるようになるのです。

イラスト/たむらかずみ

目次

【目次】

長いまえがき〈なぜいまこの本を出版するのか〉

豪雨災害の時代がはじまっている/「流域」を知らないと命が危ない/足元の「流域」から都市を考える

第一章 流域とはなにか
1 流域の基本構造

地球は水循環の惑星だ/流域を多面的に理解しよう/流域がつくり出す流水の姿

2 流域の水循環機能

流れる水と地面の関係/雨水はどのようにして川の水になるのか

3 「流域」の機能を理解するための基礎知識

ハイドログラフって?/降雨のパターンで見てみよう/保水と遊水/

大きな森は大きな保水力を持っているから安全/急傾斜の流域では/

流域の形と流出パターン/雨のパターンで考える

4 流域治水の時代がやってきた

なぜ流域治水へと大転換したのか/あふれさせる治水とは

〈コラム〉流域という日本語について/流域の英語について/河川・水系・流域/洪水

第二章 鶴見川流域で行われてきた総合治水
1 鶴見川では流域治水が四十一年前から

鶴見川はどんな川?/いち早く「流域思考」で新しい治水方式に取り組む/

総合治水・流域整備計画はどのように行われたのか/大規模緑地で生物多様性モデルを保全

2 目に見える成果が出た

大氾濫が止まっている/三〇〇㎜規模の豪雨でも大氾濫しない川に!/

大型台風襲来も多目的遊水地が大活躍しラグビーの試合は開催/

一五〇年に一度の豪雨を想定/流域思考は応用が利く

3 総合治水を応援する市民や企業が登場

TRネットの登場/環境分野での連携が鍵/総合治水対策から水マスタープランの流域へ

4 流域開発への対応から温暖化未来への挑戦

流域規模で都市構造から考え直さなければ

5 総合治水の流域拠点探検隊

河口〜源流〜そして再び河口へ

6 流域治水はこれからどんな道を歩むのか

鶴見川流域の実践はモデルとなるか/自然と共生する持続可能な都市づくりを支える流域思考

第三章  持続可能な暮らしを実現するために
1 生命圏再適応という課題

地球環境は危機の真っただ中/私たちと地図の関係/流域地図を共有しよう

2 さらに先の未来を考える

流域は大地の細胞/流域思考で生命圏に適応してゆく

3 鶴見川流域での三つの実践

流域学習コミュニティを工夫し励ましてゆく/流域スタンプラリー/水マスタープラン応援の実践拠点

あとがき

新書

零の発見―数学の生い立ち

零の発見―数学の生い立ち

F594472c 0b62 423f b639 a20c06a365b6

UD

読書好きの友達に影響されて、読書…

2022.01.08 森田真生さんの『数学する身体』を読み、この本を知る。 年始のブックオフで見つけ購入した。 アラビア数字は、そもそもインド発祥の数字がアラビアを経由してヨーロッパに伝えられたことでそう呼ばれていることを知った。 アラビア数字が広まる前の世界では、ローマ数字など大小を比べることが比較的わかりづらい数字であった。しかし、零がなくても数字を表せるからこそ零は要請されなかった。 一番驚いたことは、アラビア数字が広まり、紙が普及して、筆算ができるようになったことで、算盤が不要になったことだ。筆算を早くやるための機械が算盤かと思っていたが、アラビア数字が広まる前の筆算ができない時代の計算に必要だったのが算盤ということは知らなかった。現代の義務教育では、筆算を教わった後に算盤を教えられるが、僕自身算盤について理解に苦しんだし、良さが分からなかった。ふいに、この昔年の疑問に答えを与えられた。 ともかく、人類の進歩はすごい。 巨人の肩の上で僕たちは数学をしているんだなと実感した。

21日前

10
第八森の子どもたち

第八森の子どもたち

D50f2539 ebd5 4e29 9864 d294f89a05e9

k777

ただのひと

(あらすじ) 第二次大戦末期のオランダ。ドイツ軍に町を追われた11歳の少女ノーチェは父親とともに、人里離れた農家にたどり着く。 初めて経験する農家での暮らしに喜びを見いだすノーチェだったが、その平穏な日常を戦争の影が静かに覆っていく。 農家のおかみさん、その息子エバート、脱走兵、森に隠れるユダヤ人一家。 戦争の冬を懸命に生きる人々の喜びや悲しみが、少女の目を通して細やかにつづられる。 オランダの『金の石筆賞』受賞作品。

約1か月前