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母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であった... 続き

コメント

一番好きな本だ。読んだ後手に乗った本の軽さにため息がでる。けして分厚い本ではない。それほど無駄がなく端的で重たい。圧巻‼️

このムルソーという主人公に比べたら、世の人はどんなに沢山の嘘を吐いて生きていることだろう。
言葉はいつも矛盾や嘘を孕んでいるし、そもそも人間の思考は不可解で当人すらその全てを理解しているとは言い難い。
その時の状況や感情を、後で他人に理解しやすいよう説明するとなると、必ずそこには合理化のための嘘や誇張が混じってしまう。特に裁判という場では、誰もが護身のために当たり前に嘘を吐いている。
それが自然であるあまり、自分自身に嘘を吐いていることすら気付けない人間だっている。だから逆に、これほどまでに正直な人間のことを、言葉だけで理解するのは難しくなってしまう。
ムルソーには、隣人に対する哀れみや、友人の厄介ごとに付き合う優しさや、恋人を想う気持ちだってある。それでも、彼は正直過ぎて曖昧な言葉を一切使うことができないため、恋人にも愛していると言うことすらできないのだ。だから神様という一番曖昧なくせに権威のある単語を肯定することもできるはずがない。
この性格が災いし、その上母親の葬式での出来事を悪い方向に受け取られ、大きな誤解を受けたまま、この男は死刑になる。
そして、死刑すらもムルソーは当然の事として受け入れてしまう。その姿勢はある意味、殉教者に近く、それが神という存在を拒絶した人間であるというのが何とも皮肉だ。

多くの人に誤解されているが、この小説が不条理と言われるのは「太陽が眩しくて人を殺した」からではない。そこを勘違いしている人はきちんと読み直した方がいいと思う。

太陽がまぶしかったせいだ、というのは国文科にいた時に流行った言葉。何かと太陽のせいにした。そういう忘れられない一行を残す小説はやはり名作だと思う。

「太陽が眩しかった」から人を殺すことが不条理なのか、正直な青年を死刑に処する社会が不条理なのか。

誰にとっての異邦人なのだろう。

最初の異邦人としてのアラビア人か。
では御用司祭は…
はたまたレエモンをまで…

視点を変えれば主人公が。

誰も彼もが、皆が皆にとっての異邦人であり、何とも言い難い、人としての苦悩を描く。

名作。

ムルソーは確かに冷めたところがあるが、正直で、ある意味誠実でさえある。それなのに、いやそれだからこそ。

真夏の陽射しのなか葬儀場へ向かう主人公が言っていた。
「ミルクコーヒーを飲んだ。大変うまかった。」
何故だかそれが忘れられない。

高校時代にトライして断念した名作に再トライ。

三行で述べるなら

・ムルソーは厨二病(現代日本の解釈なら)
・ダウナー系主人公ラノベのご先祖様
・ムルソー的価値観は、現代の日本人には割とすんなり理解されそう

というところ。

この作品が、衝撃を持って迎えられたというのは、やはり時代もあったのでは?と思う。

父の葬儀の翌日、母を連れ立ってドライブに行き、美味いメシとショッピングを楽しんだ僕は、母を亡くした翌日海水浴に行き、女と関係してしまうムルソーを少し自分にダブらせて読んだ。

P118 死ぬときのことを、いつとか、いかにしてとかいうのは、意味がない。

あらすじだけがさまよい歩き、不条理小説として有名な本小説。実際に読んでみると不条理なのはムルソーなのか世の中なのかという気分になった。
あらすじでは論理的一貫性が失われていると書かれているムルソーだが、彼には彼なりの論理があると思う。ただその論理がいわゆる「普通」とは違うだけであって。だから本小説は、当たり前を押し付けるというか当たり前でしか世界を見られない人たちの中で、当たり前から外れている人が生きるということがどれほど難しいかについて書かれたものだと感じた。

授業で原文を読む機会があったが、言語実験的にも非常に面白い小説だった。
チラホラこの訳はちょっと違うんじゃないかなあというのもあった。

正直すぎた男の話。彼の言動は一見、訳が分からず異常に見えるが、私たちの言動の中でもなぜそれをしたのか説明できないことは沢山あるはずだ。それでも私たちは理由がないと不安になってしまうから無理やり理由付けしてしまう。あるいは状況を自分のいい方に運ぶためにウソをつく。正直でありたいと言いながら自分の都合の悪い事はウソをつく。そういう人をあざ笑いながら主人公は幸福に死んでいくのだろう。

共感できる部分と出来ない部分がある。
中には完全に共感できる人もいるだろうが、だからと言って変人というわけではない。
人間がたった1つの考えしかないのではなく、人間の数だけ多様な考えがある。

ムルソーが持っていないという”ほんとうの想像力”とはなんじゃろうか

この訳の分からない感じが面白かった!

読者

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