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コメント

前作の終盤で示唆された「真実」に疑いを抱いたまま読み進む。何と言っても、タイトルからして〈3つ目の嘘〉なのだから。
序盤で新たな「真実」が語られる。けれどまだ疑いを捨てきれない。前2作で語られた人物たちの存在がぐらついてくるにつれ、真実が近くにあるのかとはるか遠くなのか分からなくなる。
第一と第二を上書きする、第三の物語においても明らかになることのない「真実」とは何なのか。しかしそれを追求したいという思いも次第に萎える。真実など、当人たちにとってすら、語り残していく価値のないものだったのだ。形のはっきりしない悲しみに浸る。
三冊の物語の中に、ふたごは自分たちの人生を閉じ込めた。時が去っても遺るのは、物語だけ。

純文学の『悪童日記』が『ふたりの証拠』でミステリー風味をおび、『第三の嘘』ではとうとうエンタメ小説へ……というのは大げさだけれど、読者はぶんぶん振り回されます。でも、結局どれが真実なの?などと悩むべきじゃないのかもしれませんね。だって、タイトルがネタバレ。作者はそもそも、物語が嘘であることを隠そうとしていないのです。

クラウスが書店の主人に、どんなものを書いているのかと問われて、答えた後にこう言います。
「一冊の本は 、どんなに悲しい本でも 、一つの人生ほど悲しくはあり得ません」
難民となり故郷を失った作者アゴタ・クリストフの心情がこの台詞に現れているのではないかと思いました。だとしたら、この三部作を書いた作者の悲しみの深さには言葉を失うしかありません。

「悪童日記」を引き立てるための「ふたりの嘘」と「第三の嘘」

こんなに繊細で長い文字数をかけて騙されたのは初めて、作中での事実と事実が重なり合って嘘に見えるところもそうだけど、作者の騙し方にぞわっとした。凄まじい力量です

『悪童日記』でガツンと衝撃受けて、急いで『ふたりの嘘』読んだら「えっ?」ってなったので、『第三の嘘』まで一気に読んでしまいました。面白いよと人には勧めることはできませんが、うまく言葉にできない魅力がある三部作でした。

三部作読んで、もう何が嘘なのかわからなくなります。でも全部本当なんだと私は思う事にしました。確かに存在する血の通った生々しい人間達だもの。

第三作目で完結なのだけど、物語を作った素晴らしさも去ることながら、彼女の中で一生許されない出来事が確実にあるんだと言う事が見えて来る。

でなければ、こんな文章を書く事は出来ない。

三作目にあたるこの作品は断トツで暗い。もう鬱になる。
辛くて辛くて、何が本当で何が嘘なのかも分からなくて。
読んでいて胸が痛くてたまらないのに、どうしようもなく惹かれてしまう双子の物語、ついに完結です。

リュカ、クラウス、リュカ、クラウス…あー!ってなるなあ。これも好きだけど、やはり、『悪童日記』がいちばんよかった。

読者

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アゴタ・クリストフの本

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悪童日記 アゴタ・クリストフ

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オダギリ

学も教養も知恵もどうしようもない…

主人公たちのタフさや狂気が凄まじいエネルギーとなって襲ってくる。ページをめくる手が止まらない。続編があるらしいが正直これだけで完成されてると思う。

1年前

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文盲 アゴタ・クリストフ自伝 アゴタ・クリストフ

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nishitanabe1987

ほんがすき

私が悲しいのは、それはむしろ今のこの完璧すぎる安全のせいである。仕事と工場と買い物と洗濯と食事以外には何ひとつ、すべきことも、考えるべきこともないからだ、ただただ日曜日を待って、その日ゆっくりと眠り、いつもより少し長く故国の夢を見ること以外に何ひとつ、待ち望むことがないからだと。(73)

2年前

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