文芸

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷 恩田陸

難しい内容がとても爽やかに読みやすくなっていてさすがだなぁと感じました。 私に音楽の知識がもっとあれば良かった。 色々なジャンルを書かれている作者さんですが好きなジャンルの作品がまた一冊増えました。

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IN

IN 桐野夏生

OUTの続編かと思ったら全く違うものだった。主人公の心の描写がとても印象的

パタゴニア

パタゴニア ブルース・チャトウィン

祝文庫化!で、約20年ぶりに読んだ。すでに「20世紀(後半の)紀行文学の古典」と称されているけど、決してこの記述のスタイルがスタンダードになったわげではなく、むしろ特異点として屹立していることを再認識。でも誰もが一度は読んだほうがいい。池澤夏樹の解説(『世界文学全集』収録時の09年執筆)も興味深いエピソードがいろいろ紹介されていて良い。『ソングライン』や『どうして僕はこんなところに』も読み直したくなった。旅に出て。

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高架線

高架線 滝口悠生

西武池袋線東長崎駅にある築50年家賃三万円のアパート「かたばみ荘」では住人は引っ越しの際に、自分の住んでいた部屋の次の住人を探してきて大宅に斡旋する変わった習わしがある。この物語はそんなアパートでの終末期の16年を過ごした住人達によって紡がれていく。 「上り線で所沢を出て、まだところどころ畑や雑木林のある東京の市部から、列車はやがて住宅の立て込んだ練馬区に入る。窓外の景色が家々の高さを超え、線路が高架となるのは練馬駅の手前あたりで、やがて戸建の家と、低層のマンションがほとんど隙間なく並ぶ景色が遠くまで抜けて、その奥というか途中に、としまえんのバイキングやタワー状の乗り物が小さく見えた。」P3 いや、高架になっているのはもっと手前からなのでは?と思いきや物語は16年前の2001年から始まる。(西武池袋線高架複々線化は2015年に完了これにより桜台から大泉学園までが高架となった。) 冒頭「線路が高架となるのは練馬駅の手前あたり」だが16年を過ぎた物語後半では練馬駅から一駅前の中村橋を過ぎても「また電車が駅を出て、高い眺めが窓の外に見えた」となっている。しかし視点は変われど「敷き詰めたみたいに戸建の屋根が奥まで続いていた。あの全部の屋根の下に人が住んでいると思うと、気が遠くなるほどたくさんの生活だ。遠くに、遊園地が見えた。あれはとしまえんです、と歩さんが教えてくれた。」P230と車窓から眺める風景は変わらない。 繰り返しになるが西武池袋線上りの練馬付近の車窓風景は北西から秩父連山、谷原付近のガスタンク、光が丘の団地群と清掃工場の煙突、としまえん、遠くにさいたま新都心、更に遠くに日光連山、そして北東に筑波山を望むあきれるほど広大な関東平野に連なる家々とその生活は「かたばみ荘」の住人の様に続いたり途切れたりまた繋がっていくのと重なっていく。 補足 「高架線」では中村橋に住居を構える場面も出てくるのだけど、「プレーンソング」保坂和志著も中村橋が舞台だった。中村橋書店、練馬美術館、貫井図書館、やきとり川名、パン工房YOU、プロスペール、センプリチェ、西友(線路横からガード下)までとても暮らしやすい。各駅停車ならではの長閑さも。 2017年に現れた西武池袋線沿線小説。

マクソーリーの素敵な酒場

マクソーリーの素敵な酒場 ジョセフ・ミッチェル

ジャーナリストから雑誌ニューヨーカーのコラムニストに転進した作者の作品集。年代的には第二次大戦前くらいが中心で主に大都会の安酒場やその周辺で生活する人たちのことを描いたもの。ジャーナリスティックな内容かと思っていたらあとがきにあくまでフィクションだと。しかし作品はどれもリアルな感じで引き込まれてしまう。冒頭の安酒場年代記と最後に収録されているひたすらビーフステーキを食べまくる人達を描いた作品がとくに秀逸。名文家として知られた人らしいが納得の内容。面白かった。

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星の子

星の子 今村夏子

新興宗教にハマってゆく家族。 そして歪んで、離れて、結びつきを強めてゆく家族。 どこか怖いと感じるのだが、それがなぜ怖いのか。 ただ自分の信じているものではないから、それとちがうから、怖いのだろうか。 なぜ怖いのかは説明できない。 そして別に怖いことは何も起こらないのだが、信じているものが違うということがこんなにも不安感をもたらすということに気付かされた作品。 人間の根本にあるものを見た気がする。 宗教とは...

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何者

何者 朝井リョウ

ヒリヒリした〜〜 朝井リョウばりの観察力と表現力がある友達がいたらこわいな笑 思春期に読んでたら、たぶん救われてた。2017.10

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何者

何者 朝井リョウ

うわー!と叫びたくなるくらいにグリグリ来る。仲間だったはずの人との関係を変えてしまう就活の息苦しさと白々しさに震える。 大学五年生5人が、就活に励む様子を中心に話は進みます。会社員なんてムリなんだよねーと言いながら、密かに説明会に行っているアーティスト気取りの男。内定をもらった友人を祝うかたわらで、その企業の評判を検索してしまう女…。 自分が何者でもなく、ただの自分でしかないことに耐えられずにポーズを取るしかない若者たち。いやいや、大人も同じだよ!と言ってあげたい。

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都立水商

都立水商 室積光

ソープ科とかホステス科とかとんでもない設定なんだけど、ホロリとくる。お風呂で読んでたんだけど、続きをよむのが待ち遠しい日々でした。実はホロリと言うより、本気で泣けた。

不思議屋/ダイヤモンドのレンズ

不思議屋/ダイヤモンドのレンズ フィッツ=ジェイムズ オブライエン

まさに幻想、神秘、奇想。不思議な世界を体感したければ読むしかない。 悲しい話はどうしようもなく悲しくて読んだ後に途方に暮れてしまうほど。 『不思議屋』という話に出てくるソロンという男の子の口上がとても良いのでそこだけでも読んでもらいたい。ラクダは瘤があるからこそ人を運べるんだ。 一番気に入ったのは『ハンフリー公の晩餐』。

賛美せよ、と成功は言った

賛美せよ、と成功は言った 石持浅海

すっごい久しぶりの碓氷優佳シリーズ!ただ今回はクールビューティぶりが弱かったなー。突発殺人がテーマだったからでしょうか。やっぱり石持浅海さんには、もっと初期の頃に似たミステリーを書いて欲しいですね。

エッグマン

エッグマン 辻仁成

10年以上片想いしていた 元人妻と仲良くなり 心に傷を負って男性に警戒心を持っている彼女の娘のために 大好きな卵料理を何度も振る舞って 少しずつ少しずつ仲良くなる努力をして 自分たちの未来を考えるようになる話 いろんな卵料理が出てくるのだけど(作者自身 お料理上手)簡単そうなのもあれば 手の込んだものも出てきて やっぱり作るより 食べさせてもらいたいなと思う今日この頃です

ねじまき片想い

ねじまき片想い 柚木麻子

2017/10/15読了 すごく面白かったー!主人公の周りに嫌な人も出てこない優しい世界ではあるけど、リアリティがないということでもない。連作短編になっていて、ラストに向かって綺麗に集約される一番大好きな構成。

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岳飛伝 十七 星斗の章

岳飛伝 十七 星斗の章 北方謙三

ついに最終巻…どうなることかと半分心配しながら読んだのだけどこの手があったか!とちょっと目から鱗でした。水滸伝がそもそもフィクションなんだから実在の岳飛のことまで史実に捉われることは無いよね。最終的に岳飛と梁山泊の金、南宋との闘いに決着がつき大団円を迎える本作。読後感も良くて素晴らしい。作家の想像力とはこういうところで発揮されるべきだろう。同じ長くても俺の嫌いな宮城谷某〜小説なのに資料で確認できなかったからという理由で主人公の娘の名前を「女」としやがった馬鹿者〜とはそこが違う。しかしこういう展開だと漢民族の英雄としての岳飛に成り得たのかな、悲劇的な最期だからこそでは、という気がしないでもない。長く楽しませてもらってありがとう…後は蒙古に行った人物を中心とした大河小説がまた始まるのでは、という楽しみのようなそうでないような…。

女のいない男たち

女のいない男たち 村上春樹

今年もノーベル賞を逃した村上春樹氏。ある識者によれば、内容が俗物すぎるとか。賞にふさわしい格調の高さがかけているのだとか。 私に言わせれば、一般人である私ごときに深い共感を抱かせる敷居の低さにあるのでは。権威のある賞(などのもろもろのもの)はとかく難解なものをありがたがる傾向にあるから。 とにかく、比喩の巧みさとストーリーの奇妙さは相変わらず。そこに含まれた寓意は朦朧。

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