文芸

四つの署名

四つの署名 コナン・ドイル

依頼人は、10年前に父親が行方不明になった女性。毎年差出人不明の真珠を贈られる彼女は、莫大な財産の権利を持っていた。ある時は犬と共に、ある時は汽艇を駆って、犯人を追い詰める。ホームズの名前が、印籠のように効くのが面白い。夜の似合うお話。ワトソン先生がロマンチスト。

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ガソリン生活

ガソリン生活 伊坂幸太郎

ミステリー中毒だった自分に、ホットさせる一冊。生きているものは偉いわけでもなく、人間の手で熱意を持って生み出され、愛情をかけて大事にされたモノであれば、心はあるのかもしれない、 なあんて幻想もさせてくれる。 弟のりょうがユーモアにあふれる、かしこい子供で、発言や行動のたびに見入ってしまう。

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逃避行

逃避行 篠田節子

篠田節子さんの小説は大好きでいつもとは少し毛色が違う題名に惹かれて読んだら、またポロポロと涙が。始めは主人公の主婦妙子に共感し、家族の冷たさ世間の目に憤慨しながら読み、そのうち、もしかしたらこの主婦はエゴの塊なのかと思ったり、専業主婦でおっとり暮らしてきたであろう彼女の強さに驚いたり。その強さはただ一匹の大事な家族の犬を守るためのものであり、自分の存在を必死で守ろうとする姿であり。逃げ帰りもせず前へ前へと進む姿に心を打たれた。最期の方は、やはりもう涙。まさかの結末。しかし、妙子は自分と犬との終の住処で本来の人や動物が生きる意味を悟れた事は幸せだったのかと。感動の一冊でした。

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緑のカプセルの謎

緑のカプセルの謎 ジョン・ディクスン・カー

毒殺事件の検討実験の最中、発案者が殺された。実験を見ていた三人の証言は見事に食い違う。更にその実験は、シネカメラで記録されていた。衆目環視の中での殺人。罠を逆手に取られた被害者。私情を挟まないよう葛藤する警部に好感が持てます。淡々としたこの世界の空気がすき。

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スーツケースの半分は

スーツケースの半分は 近藤史恵

短編集だが、それぞれの話が心地よいストーリーで、全ての話に関係性がある。短編集が大きな1話の話を作り上げている本。 人の気持ちを一歩前に進める瞬間を見られる。一歩踏み出すきっかけは簡単なことなのに、自分のこととなると難しいですね。 そんな思いの背中を押してくれる1冊でした。

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不連続殺人事件

不連続殺人事件 坂口安吾

推理小説も書いてらしたのですね安吾さん。集まって夏を過ごす文士諸氏は、中吊り広告も真っ青、複雑みだらな人間模様。誰も彼もが破天荒で多少の不自然は目立たない。きっかけは、些細な一貫性のなさでした。理由を人間にした所が小説らしい。死体の山の築き方はやや乱暴な気も。

ロシア紅茶の謎

ロシア紅茶の謎 有栖川有栖

屋根裏の散歩者。作中であまり他人に対して悪い印象を持たない有栖川先生。彼が心証芳しくないと評しているのが、作家志望の人でちょっと微笑ましい。表題作が、風景も凶器も何もかも美しくてすき。容疑者達に反感を持たれつつ、理詰めでそれを圧倒する火村先生が格好いいです。

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夢幻諸島から

夢幻諸島から クリストファー・プリースト

時空の歪みのせいで地図が作成できない多島海。そこに混在する数千の島々のガイドブック、という体の本書。 何々島の風土はどうで、通貨はこうで、と、初めは不思議な島のるるぶ(笑)を読んでいるような感覚が心地よい眠気を誘いますが、1/3程読み進めると、ある一つの事件と、その真相が浮かび上がるという作りになっています。 大枠としてはSFですが、難解な科学用語はなく、むしろミステリに近いかと。

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小説 君の名は。

小説 君の名は。 新海誠

映画を見て本を読みました。映画にないほど詳しく書かれた本でした。本当に大笑いしながら、泣きながら読ませていただきました。解説本みたいな感じがしました。

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マレー鉄道の謎

マレー鉄道の謎 有栖川有栖

見慣れぬ地名の並ぶ海外ミステリのような冒頭。そこから学生時代の旧交を暖める穏やかな場面。南国の風景に心地よくなってきた所で起きる事件。不可能状況、愛しの密室。この解がまた鮮やか。ちゃんと現実の次元でトリックの勝負をしてくれる有栖川先生本当にすき。稀有な方です。

白い僧院の殺人

白い僧院の殺人 カーター・ディクスン

女優が別館で殺された。周囲の雪に足跡がない。ばたばた人が死ぬわけではないですが、全編退屈いたしません。やっぱりH.Mの人柄が面白い。口の悪い太った親父さんに全幅の信頼を置きたい。頑張るマスターズ警部もまるで赤子扱い。謎解きは手堅くシンプル。目星をつけた理由も明解。

何者

何者 江戸川乱歩

乱歩傑作選。二本立て。表題作、とある方の空想が美しい。あの着想、有頂天になりますって。しかし物ひとつに覆されるなんて。悔しい。暗黒星はいろいろてんこ盛り。きっちり理詰め部分もあるのだけど、心証としては追い立てられるサスペンス要素のが強いかも。挿し絵がたくさんでたのしい。

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