文学

猫のエルは

猫のエルは 町田康

動物が主役の物語が5作 あんまり入り込めなかった ちょっと苦手かも

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世にも奇妙な君物語

世にも奇妙な君物語 朝井リョウ

これは短編集であり、短編集でない。 初めて朝井リョウを読む。 独特なストーリー展開に馴染めず2話目で脱落しかけた。こういう文章書く人なのか?と読み渋っていた。 結果は、最後まで読んで良かった。 というより、最後まで読まないと完成しない。 腑に落ちぬまま、朝井リョウを誤解していたと思う。 最後まで読むことで、単なる奇妙な物語の羅列でなく、 これは「世にも奇妙な物語」だったことに気付かされる。 そして読み終えた1〜4話を振り返りたくなるだろう。私はそうした。 話毎にこまごま読むより、 一気に読み切るのがオススメ。

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愛なき世界

愛なき世界 三浦しをん

植物を研究している研究室の人達と素朴な料理人の話。真面目に何かを追求している人達は視点や考え方を共有するのかもしれない。小説を通じて、普段は触れない人達の世界を覗き見れることが面白い。

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カフカ/夜の時間―― メモ・ランダム

カフカ/夜の時間―― メモ・ランダム 高橋悠治

p16 いつか生きていることからはなれて、しごとだけがスピードをあげていく。仕事のために生きるようになる。しごとに支配されている。しごとがあるのが当然だとおもっている。生きている日々の、あのゆったりしたリズムのなかにしごとをひきもどしてやることを忘れて、引き返せないところまで踏み込む。ことばで社会を批判しても、そこにくみこまれているのだ。 p18 人間は管の束に過ぎない。その入力と出力の記録と点検から一日を組み立てる。

正直じゃいけん

正直じゃいけん 町田康

「くっすん大黒」に続き、町田節に笑かされた。私は音読の癖がある。傍から見るとさぞ不気味だろう。ブツブツと念仏を唱えるように、呪文をかけるように言っているだけでも不気味だろうに、急に笑いだすのだから、狂気でしかない。町田康は読者の様子を想像して書いているに違いない。 大阪出身で、大阪弁も惹かれている一因であろう。この感覚どこかでと思えば、近松門左衛門に辿り着いた。 池澤夏樹が編集した日本文学全集で宇治拾遺物語を現代語訳する仕事に町田康が抜擢されている。宇治拾遺物語を書いた(歌った)のはきっと当時のパンクロッカーに違いない。

シルエット

シルエット 島本理生

不完全な文章と、不完全な少女の気持ち。 これまで思い出すことのなかった記憶が鮮明に蘇ってきました。 人が惹かれ合うのは、その時の境遇にもよります。タイミングは偶然ではなく必然である、と。 今の私をつくった全ての出来事に心をえぐられます。 青春とは後から気づくものです。

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My Little New York Times

My Little New York Times 佐久間裕美子

トランプ政権下アメリカを「キャリアのほとんどをアメリカで起きているカルチャーを日本に伝える仕事に費やしてきた」著者が365日にわたる日記によって伝える。島国にいるだけではわからない新しい視点を気づかせてくれる。 「アメリカに暮らしていて多様性の難しさを痛感することは日常的にある。多様だけれど、それがうまくいっていない例がいくらでもあるし、人種の軋轢はいまだ深刻な問題であるからだ。けれど同じであることを強要されることはない。「個」であることはむしろ奨励される。同じであることを強要しても良い人材を育てることにはつながらない。この広い社会には、いろんな背景、いろんな文化、いろんな感覚を持った人がいるということを知ったほうが、強い人材が育つ。そして組織になじめない人たちに居場所がある社会のほうが、強くなるのだ。」P.85~86 葛藤しながらも前を向く。

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天下一の軽口男

天下一の軽口男 木下昌輝

上方落語の祖とも言われる米沢彦八の物語。 こちらを原作とした舞台が上演されると聞き、 先に舞台版を観劇したのですが、 どちらも趣が全く違って。 舞台が彦八の半生といった感じで、 原作は正に一代記。 大衆の為の笑いを目指した彦八の物語が 換骨奪胎され、 更に大衆の為の舞台になったのだなぁと しみじみ思いました。

螢川

螢川 宮本輝

p178 ひょっとしたら宮本輝は人間の生よりも死につよくひかれているのではないか。というよりは、生きの人の世をえがくのに、死がいつも裏打ちになっていてこそ当然だとする態度かと、その絵のありように感懐をおぼえた。

その先の道に消える

その先の道に消える 中村文則

ある意味衝撃的な一部の終わり。 二部は解決編でしょうか。 二部では手記の紹介や独白など色々な手法が使われていたので、目線が変わって一気読みしてしまった。 性描写が苦手な人はダメかも。 極端な登場人物達なので、びっくりすることばかりでした。

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ワーニャおじさん

ワーニャおじさん チェーホフ

京都の地点という劇団のワーニャおじさんを観た。地点はチェーホフの4大戯曲と呼ばれる本作を含む他、かもめ、櫻の園、三人姉妹をレパートリー化していて、全て観劇した。 観劇前には戯曲を攫い、観劇後も再度戯曲に目を通す。 何度も観るとその度に自分が引っかかる部分、心に残る部分が違う。 ヨーロッパではいわゆる古典と言われる作品が数多く再演される。 演出が違えば印象も変わるし、観客の経験に応じて、その作品から感じられるものも変化する。 日本のように新作を消費的に求めるのとは違う、演劇に対する考え方がヨーロッパには根付いていることを感じる。 社会における演劇の見方が異なるんだろう。 ワーニャおじさんでは、 人生の後半に差し掛かり、自分の人生は失敗だったと嘆くワーニャが印象的である。 自分が歳を重ねる毎にワーニャの年齢に近づいていく。 人生を嘆き続けるのか、その時ごとに、いい仕事をした、いい日を過ごしたという日々を丁寧に重ねていきたいと感じる。 何もしなければ、ただ途切れずに流れていくように感じる生の流れに、短い読点を打ち、自分の生き方や考え方を少し俯瞰して眺められるような、観劇や読書の時間をこれからも短くても大切にしたい。 2019年2月17日

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クロコダイル路地

クロコダイル路地 皆川博子

読んだのは単行本版だけどこちらに感想を。 『フランス革命により身分制は否定され、自由と平等が広がった』 なんとなくそんなイメージを抱くだけだった動乱が、血肉を持って迫ってくる。 富裕な商人は「富裕である」という点で処刑され、知識人は特権階級であるから投獄。その狂乱の時代を、富豪の息子、貴族の従者、貧しい一市民の立場から追体験する。前半はそんな感じである。 一方後半からは、舞台と年代を変えて話が続く。革命期の傷、逃れられない過去を抱えた人々が絡むミステリ調の物語に。 長い小説だけど、没入感がある。楽しめた。

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