人文

東大生となった君へ 真のエリートへの道

東大生となった君へ 真のエリートへの道 田坂広志

日本では「エリート」という言葉はネガティブな文脈で語られることが多い。それはエリートという言葉の意味を本当に理解していないからこそ起こる現象なのかもしれない。勉強ができる、知識がある。それだけではエリートとは呼べない。より多面的にエリートといわれる人間に求められるもの、そしてその習得方法を端的に教えてくれる良書。

悪の引用句辞典 - マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき

悪の引用句辞典 - マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき 鹿島茂

毎日新聞で連載されていたコラムらしい。 著名な著作や発言を引用して、現代社会の批評を行うというスタイル。 著作の目指すべきところは非常に心踊った。 一つに多種多用な人物や著作を分かりやすく端的に解説する点。 また、著者が冒頭で述べているよう、適切な引用は文書や議論で非常に重要なので、その見本を目指した点。 と、ここまで良い本になる他ない流れだが、読んでがっかり。 良い意味ではシニカル過ぎる。 悪く言うと、これが老害か!という文章。 これはたしかに若い人は新聞なぞ読まなくなるわーという文章のオンパレード。 引用も自分の意見に引き寄せるために無理やり曲げて使われる印象が強すぎる。 引用からの唐突な政権批判。 常に若者を叩く感じ。 またおっさんぽいなぁと感じる打開策。 一例を挙げると、オリンピックの表彰式を観ていたら、日本人が子供っぽく見えた。 からの今の日本人は大人になることを拒否しているという展開。 いや、関係ないだろと笑。 と批判が多くなってしまうので、この本はここらへんで。

「願いごと手帖」のつくり方 書くだけで運と幸せが集まる

「願いごと手帖」のつくり方 書くだけで運と幸せが集まる ももせいづみ

小さなこと、カンタンに出来そうなことから、大きなこと、難易度の高い願望まで、とにかく手帖に書き出して見ましょう。そのうちの小さな願望はいくつかは叶う。小さな成功体験を積み重ねて、運気を上げてポジティブに生きていきましょう。大きな願い事もいつの間にか叶ってるかも?的なコンセプトのライフハック本。 導入するハードルが低いし、これくらいなら、まあギリギリありかな。 全く異なるジャンルの話だけど、筋トレというのはただ漫然と取り組むよりも、今どの部位の筋肉を鍛えているのかを認識しながらトレーニングした方が格段と効果が上がるのだとか。 その意味では、自分の願望を目に見える形で残しておくことは、意味がある事なのかもしれないね。

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代 内藤正典

モロッコやチュニジアを旅したこと、チュニジアには友人も出来、2度目の旅では友人宅に1カ月近く滞在させてもらったこともあり、イスラム教に対して怖い印象はなかった。むしろヨーロッパよりよほど治安も良い。お祈りの時間になるとモスクからアザーン(イスラム教で礼拝への呼び掛けのことば)が風にのって聴こえくる。異国情緒に溢れていて好きだった。 この本はそんなイスラム教、イスラム教徒、歴史、文化、欧米で現在起こっている諸問題などを分かりやすく教えてくれている。 しかし、読めば読むほど、どうすればいいのか、どうすることがベストなのか分からなくなってくる。 私が旅先で知り合ったごく普通の、市井のイスラム教徒の人たちはみんないい人達ばかりだった。 だけど、今の日本にどんどんイスラム教徒が増えていったら? どんどんモスクが建っていったら? やっぱり私は怖いと思ってしまうだろう。 難しいよね。 ただ、このような本を読むことがちょっとでも、いい意味で関心を持つこと、理解に繋がればいいのかとも思う。矛盾してるかな。

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フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学 植木理恵

「深層心理」とか「夢判断」とかのユング系の心理学を否定している導入とか、興味深い。 この人は行動心理学の人だからな。 一口に「心理学」といえども色々な派閥という、考えたやアプローチがあるもんだ。 こういった内容が気軽に読めるから本って良いよね。

新版 論文の教室―レポートから卒論まで

新版 論文の教室―レポートから卒論まで 戸田山和久

論文執筆に関する本は巷に溢れているが、対話形式である点でこの本は他の作品と大きく一線を画している。ダメな大学生が教授の指導の下、成長していく姿はさながら小説のように読み進むことができる。もちろん本文の形式だけでなく内容も素晴らしく、論文作成に必要なものはこの一冊で十分といって差し支えないだろう。論文という難敵に立ち向かう際に、この本は心強い相棒となってくれるだろう。

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大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋

大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋 長沼睦雄

自分は発達障害(=アスペルガー症候群=自閉症スペクトラム)であると共に、HSP(Highly Sensistive Person=敏感な気質)にも悩まされている。大人になれば感情に強くなる、乗り越えれば性格変わって良くなる、という根性論も根深い。しかしその逆も1/5でおり、自分の例ではブロックによる縁切りは、抵抗もできないし傷の止血にも相当時間がかかる(最悪訴訟も考える事がある)。爆発音にも敏感だし(根性で乗り越えられないものだった)、何かと敏感で苦しむことも多いのだ。その意味で発達障害+HSPというというところで、肉付される特性に向き合う本であった。本書によって、マイペース、逃げ道作り、その療法などが重要とわかった。また本書は、HSPと向き合っている人間がいる管理者にも読んで頂きたい。

食べることの哲学

食べることの哲学 檜垣立哉

カニバリズムは人間が(自分が)本来的には他者に食べられる可能性のあるものであるということを強く想起させてしまうために禁忌となっている。つまり人間とその他の動物を差別化している。宮沢賢治はそれに異議を唱え、人間も他の動物と対等の立場にあるということを文学によって示そうとした。などなど。

失われた宗教を生きる人々――中東の秘教を求めて

失われた宗教を生きる人々――中東の秘教を求めて ジェラード・ラッセル

すごく楽しみにしてた作品。中東に今も残るマンダ教、ヤズィード教、ゾロアスター教、ドゥルーズ派、サマリア人、コプト教、カラーシャ族、といった少数派の宗教、または独自の信仰を守っている部族についてまとめた本。作者はイギリスの外交官でアラビア語に堪能なこともあって中東で長く勤務しており、その際にこれらの宗教について興味を持ったらしい。現代のニュースを聞いてるとにわかには信じられないが元来、イスラムは他の宗教、特にそれが一神教でかつ啓典を持っている場合には特に寛容で、更にムスリム以外からは大目に税を取ったことから実利面でも無理矢理ムスリムにするようなことはしなかったらしい。そのために一見イスラム教しか存在しないかのような中東において、エジプトのコプト教のようなキリスト教の一派から、バビロニアから連綿と続くマンダ教、あまりにも秘儀過ぎて信者の殆どが自らの教義を知らないヤズィード教、元々はイラン(ペルシャ)の国教であったゾロアスター教などが生き残っているのだという。一見ムスリムのようだが輪廻転生を信じ、むしろピタゴラス教団の流れを組むと言われるドゥルーズ派、ユダヤ人と似ているが異なるサマリア人、ヨーロッパの人と外見が似ておりアレクサンダー遠征群の末裔と言われあまりにも辺鄙なとこらに住んでいるために原始の信仰を今も守っているパキスタンのカラーシャ族など興味深い話が満載。作者は実際に現地で信者に会って話を聞いてきるのだがどこも危険地帯ばかりでよく行ったな、という驚きがある。専門の学者ではなくて外交官だからか小難しい理屈は無くて実態をきちんと報告される形式だったのも好ましい。これらの例を見ても国力が充実しているときはマイノリティへの迫害はなく、国が混乱したり衰退すると少数派が迫害を受ける、ということがよくわかる。いろいろ考えさせられた非常に良い作品。とても面白かった。

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蔵書の苦しみ

蔵書の苦しみ 岡崎武志

岡崎さんを羨ましいと思うのは 私が「蔵書の喜び」時代にいるからなんだろう

仕事力を高めるデジタル文章術

仕事力を高めるデジタル文章術 河口鴻三

やはり音声入力がらみで借りてきて読んだのだが、「パソコンを使用する教育」は自分の仕事のテリトリーであり、前半パートでの「日本語入力メソッドは変換をともなう」という捉え方は当たり前だけど考えてみる、もしくはすでにスマホを先に手にしている世代も捉え直してみるとその後の思考とアウトプットの関係について考えるきっかけになるのではないか、そんなことを考えました。大学一年の今頃に一度目を通すとよいかも。

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義 ブライアン・R・リトル

パーソナリティの「ビックファイブ」について、かなり分かりやすく書かれた本。 性格指標のTシャツを着ていた女性のエピソードとか好きだな。 第9章のパーソナルプロジェクトの話とか深い。 「生きている価値」って、自分で決めているようで、本心とは違う部分で行動しているのかも知れないと思った。

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イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ クレイトン・M・クリステンセン

「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン教授が、「人生の価値」について書いた本。 組織のビジネス課題の解決や、市場動向のリサーチ。 そんな活動で使っている理論や戦略は「どうやって人生を過ごすのか?」という哲学的な問にもちゃんと応えてくれる。 「人生とは、こうあるべき」みたいな説教臭くない。でも、すごく説得力がある。 素晴らしい。

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