文庫

怖い絵 泣く女篇

怖い絵 泣く女篇 中野京子

見るからに怖い絵から、そうでない絵まで。その作品の持つ怖い背景やメッセージを解説した本。 正直そこまで怖くないものもあるが、怖いもの見たさで楽しく読めた上、西洋史やキリスト教の勉強にもなった。 絵は漫然と眺めるものではなく、読み解くものなのだと気付かされた。 この本を読んだ後、実物を鑑賞できたら楽しいだろうなあ。

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思考の整理学

思考の整理学 外山滋比古

だいぶ古い本のわりには、今読んでも新鮮な感じを受ける考え方をいろいろと与えてくれる本だった。 専門は違うけれども、気のあう仲間と語り合うのは、とてもいい影響を与えてくれることは経験からも理解できるなと思っている。

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映画篇

映画篇 金城一紀

映画好きにはもってこいな作品。 毎話出てくるボロクソに言われてるフランス映画が気になった。

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クローズド・ノート

クローズド・ノート 雫井脩介

この物語は前の住人のノートを見つけた香恵が主人公だと思っていたが、読み終えてみると香恵を通して見るノートの持ち主 伊吹先生が主人公なのかもしれないと思った。 そう考えて見ると、本当に平凡で、でもその中で色々悩みながら生きている香恵が伊吹先生を見ることによって、伊吹先生の優しくて真っすぐで、でも少し不器用な所がより綺麗に際立って見える。 個人的には、伊吹先生を際立たせるための演出なのかもしれないが、他の登場人物が魅力的に思えなかったことと、序盤でストーリーのオチが分かってしまった所が残念。 オチが分かりやすかったので、どんでん返しが来るのかと思ったら、予想通りの終わったので、期待した自分のせいではあるのだが、少し物足りなく感じた。 ただ、最後まで伊吹先生は本当に人間らしくて優しいとても素敵な人で、オチはなんとなくわかっていても、読んだ後には凄く温かく切ない気持ちになった。 全体的に本当に読みやすく、ストーリーの起伏が少なくても、引き込まれる話の進め方で夢中になって読んでしまったので、読みやすい小説だと思う。

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きことわ

きことわ 朝吹真理子

文庫で100ページあまりの短い小説だが、その世界は透明でありながら朦朧、確固としたものでありながら脆弱、そんなイメージを持った。それは、二人の少女が25年後に再会するストーリーの中で、夢と現が交錯し、記憶がすれ違い、時間軸がぶれつつ進行する、その不安定さにある。不安定でありながら同時に、丹念に積み上げられた言葉たちが活き活きと紡がれる。だから、どんな短い言葉にもそこに何かしら意味があるのでは、といちいち考えさせられる。たとえば、こんな言葉に。 「雲量」ということば…… ダンクルオステウスといった古代魚…… 巨大な百足…… 道路反射鏡と向日葵…… 顕微鏡、柱時計、琺瑯鍋、寸胴鍋…… 蓮根の甘酢漬け……

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天空の蜂

天空の蜂 東野圭吾

「いってみれば国全体が原発という飛行機に乗っているようなものだ。搭乗券を買った覚えなんか、誰もないのにさ。」というセリフは、原発についてのとても分かりやすい例えだと思う。 ではどうするか?非常に考えさせられる本。おすすめです。

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雪国

雪国 川端康成

10代で読み、そのあまりにも有名な冒頭のみが記憶に残っていつの間にかこの作品の本質をどこかに置き忘れてしまっていた。若い感性で読むにはあまりにも成熟した小説であった。 で、今回再読して、なかなかこの小説を描写する言葉を持たない。日本的とか抒情的とか評したところでその本質を語ってはいない気がする。伝統美とか愛と宿命の哀しさとか、間違っていないまでも陳腐な形容の蒸し返しにすぎない。 できるなら、ある程度の経験を積み重ねた成熟した感性と、しかもまだ未知のものに対する貪欲さを失っていない未熟な感性を両方兼ね備えたタイミングで読みたい小説だ。早すぎることもなく、遅すぎることもなく。

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春から夏、やがて冬

春から夏、やがて冬 歌野晶午

少しだけ、読み進めていくうちに結末がわかってしまう展開で珍しいなぁと思った。でも、登場人物の気持ちを考えると納得する内容でした。

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ジャンプ

ジャンプ 佐藤正午

普通の人が、日常の出来事の延長線上で、ふっと消える。同著者の『身の上話』にも共通する展開。その「非日常」や「異空間」的な読中感にゾクリとする。リンゴやアブジンスキーといった象徴も登場するが、結局のところは身近な人間関係に起因する展開も良い。日常と非日常の境は脆くあっけないのに、そこで選ぶ道一つで、人の人生は大きく変わるのだ、と痛感させられる。

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旅のラゴス

旅のラゴス 筒井康隆

このお話は、全くの異世界なんかじゃなく、どこかで私たちの世界に繋がっているんだろう。滅びてしまった科学技術の発達した世界はきっと、地球の未来の可能性を示唆しているのだろうなと感じた。 さて、完璧なSFではあるのにどこか現実主義な登場人物たちと、ほどよく人間くさいラゴスの織り成す旅に、なんだか私までスカシウマに乗って世界を巡ってきたように感じる。重厚な世界観に囚われるこの感覚には、一種の麻薬作用があるのかもしれない。 「旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない。たとえ死であってもだ。 人生と同じようにね。」

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きりこについて

きりこについて 西加奈子

猫の話らしいという予備知識のみで読んだので、「きりこは、ぶすである」という冒頭に驚きを隠せなかった。 「猫を飼いたくなった」「実家の猫を思い出した」なんてレビューが多かったので、すっかり猫とのほのぼのストーリーなんて思ってた私はその一文で度肝を抜かれたのである。 これは猫の話ではあるけど、正確には猫と人間の話。もっと正確に言うと猫と対比された人間の話なのだろう。 猫と人間。確かに人間は猫よりもたくさんの事ができるのかもしれない。でも、その可能性を手に入れたが故に、大切なものをどんどん失っている。 猫はその点何ものにも囚われない。猫は自由である。だからこそ、人間が失っているものを猫は持っている。 私は結構目に見えるだけのステータスで人のことを判断しがちなのだが、それこそ人間が失い囚われてしまっている何かを私が持ってしまっている故の行動なのだろう。 この本は猫とのほのぼのストーリーではなく、猫から人間が大切なものを学ぶ物語なのだと思う。そんな私もこの本で猫から大切なものを学ばせて頂いた。 西加奈子さんの小説を読むのは初めてだったので、他の作品はどうとかはわからないが、初めは独特な文体とびっくりするような個性的な描写の多さ、そしてあまり気持ちの良くないストーリーに読み進めることを躊躇った。もしかしたら、これから「きりこについて」を手に取る人で、私と同じように感じる人もいるかもしれない。ただ、この本は私のように目に見えるものだけで物事を判断しがちな人には、ハッとさせられる話だと思うので、そういった人が序盤で読み進めることを躊躇った場合は、とりあえず最後まで読んでみて欲しい。 私はこの小説に出会えたことに本当に感謝している。きりこについて、私の人生に影響を及ぼした小説の名前である。

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あなたの人生の物語

あなたの人生の物語 テッド・チャン

映画原作として読もうと決めたのだが短編の中に存在する「ルール」を紐解くのに毎回時間を要した。そこが紐解かれると中毒性のあるストーリー展開。好きなのは「理解」だけど、まず読んで頭に入ってくるのは「地獄とは神の不在なり」ではないだろうか。

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高い城の男

高い城の男 フィリップ・K・ディック

ドイツと日本が勝利した第二次世界大戦後のアメリカは、陰と陽の一面を返したようで、権力者の影が影絵のように揺らめく様相は、現実においてのアメリカ合衆国が落とす影と一対になっているかのよう。 この世界であっても日本は渦の中心にあって中庸の立場をとらざるをえなくなるというのはいかにも皮肉だ。 そのような世界での官僚、反骨心をくすぶらせる職人、素性を隠すユダヤ人青年などに引き起こされた出来事に対しても、生き抜くための手段を講じる日常にすぎず、世界の大局に影響する力も持たない。 作中作として登場する小説はアメリカが戦勝国となった世界を描いており、またディック自身が傾倒していた「易経」がこの背中合わせの世界を立体的に描写する役割を担っている。 今の世の中も物事の一面に過ぎないということを薄暮の雲のような淡彩の向こう側に描いたような独特の世界観を感じた。

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幸せの条件

幸せの条件 誉田哲也

仕事も恋も全てが中途半端だけど、不便がないからとその現状を特に変えようとしなかった主人公が、本当の「幸せ」に気付く話。 東京でOLをしてた主人公が、会社に半ば追い出されるように長野の農家へ出張を言い渡されることから始まる。 初めは中途半端な主人公の性格に共感しつつ少しイライラすることもあったが、色んな人と出会って、色んなことを考え成長していく主人公を最後にはとても好きになれた。 誉田さんの作品を読むのは武士道シリーズから2作目だったけど、武士道シリーズ同様登場人物が凄く魅力的だった。 特に会社の社長は無茶苦茶な面もあるけど、大切なことを教えてくれる人生の先輩のような人で、個人的に凄く好きな登場人物の1人。 特に428ページと429ページの社長の言葉は、この作品の根幹とも言える。 このページは自分が道に迷った時や、落ち込んだ時には何度も何度も見返したいと思った。 中途半端な生き方に悩んでいたり、前に進みたくても進み方がわからない人に対して、優しく温かく背中を押してくれる作品だと思います。 もしそういう状況に居てる方には、気分転換ついでに是非この作品を手に取ってみて下さい。

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