文庫

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里

米原さんはとても強い人だ。 共産主義者の父のもとに生まれ、プラハのソビエト学校で長く少女時代を過ごした著者による(たぶんほぼ)ノンフィクション。 ソビエト学校の友人たちとの懐かしき日々の記憶を丹念に描く。 そして彼らの居場所を執念で突き止めた先で、 酷くも愛らしい、非情な現実を知る。 悲しい。しんどい。 でも、この歴史を忘れちゃいけない。 歴史の下で生きざるを得なかった人たちの健気さを、なおざりにしてはいけない。

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ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ぼくは明日、昨日のきみとデートする 七月隆文

きっと透明感がある、茶目っ気のある、素敵な女性なんだろね。 描写がいちいち美しくて、 高寿(タカトシ)君と愛美(エミ)ちゃんのささやかな日々は、潤いと愛と思いやりに満ちていたなあ.. 2019/05/18 土

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あなたのための物語

あなたのための物語 長谷敏司

尊敬もへったくれも無い、生々しくて痛々しい「死」の描写から始まる。 主人公のサマンサの周囲や社会、死に対する抵抗《プロテスト》な生き様が、余計に読んでいて精神にハードパンチしてくる。 『小説を書くためだけに開発された仮想人格』の「ワナビー」はサマンサのために、彼女を喜ばせるために、膨大なサンプルを吸収して小説を書く。 では、人類は誰のために、何のために太古から小説を書いて来たのか? 別に小説でなくても良い。漫画でもイラストでも彫刻でもアニメーションでもクリエイトするものなら何でも良い。 需要と供給のあるビジネスだから?それだけでは無いはずだ。 作中の言葉を借りれば「自己愛」なのかも知れない。 サマンサに「恋」したワナビーは、たった一人の読者の彼女のために愛を込めて、小説を書く。 コンピュータのお決まり文句の「何かお役に立てることはありますか?」が《彼》の愛の言葉であった。 サマンサの死に対する抵抗と怒りの狭間で、仮想人格のワナビーの愛の言葉が紡がれる。それが余計に痛々しい。人工物であるが故に。 そして、サマンサとは対照的に《彼》の死は儚くも美しい。 では一体、そもそもこの作品は誰のための物語なのだろうか?

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夏への扉

夏への扉 ロバート・A. ハインライン

面白かった。 ルンバを見る目が変わりそう。 これは確かにSFなのにドタバタコメディのようなおかしさがあって、ワクワクしてハラハラしてガックリもするけど最後はきっちり取り返す、時間と運命に対する知恵比べのようなお話。どんな苦労にも値するとびきりの「夏への扉」を目指してあっちこっち行ったり落ちたりする主人公。その相棒は猫のピート、鍵はリッキィ。実際に猫好きだった作者のピートにまつわる描写が秀逸で、ふとした瞬間の触れ合いが素敵だった。 P18. 腕に、ぼたん雪がぱらりと落ちたような感じがした。ピートが片足をかけていた。 「モーア」「食いしんぼうめ」ぼくはいいながら、受け皿の中にジンジャー・エールを注いでやった 愛するもののためには、勇敢に戦うことが出来る、そんな一人と一匹のスラップスティックSF冒険譚。

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櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音

櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 太田紫織

シリーズ8作目 高校2年になった正太郎は仲の良い今居と鴻上さんと一緒のクラスになった 担任も磯崎先生 そこへ転校生の阿世知蘭香が来て 鴻上さんに親友になることを頼んできた イジメは子供の世界のイメージだが 大人になってもイジメはあって それがご近所トラブルだったら 簡単に引っ越すこともできず 逃げることもできず ずっとストレスに晒されて生活しなければならない たとえイジメがなくなっても遺恨は残る そのしわ寄せが弱いものにくるのは違うんじゃないか ますます正太郎と櫻子さんの絆が深まっている気がする

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玩具修理者

玩具修理者 小林泰三

玩具修理者の話はゾッとした。 二作目「酔歩する男」の意味はわからないが、 酔ったようで気分が悪い。

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燃えよ剣〈上〉

燃えよ剣〈上〉 司馬遼太郎

土方歳三ここにあり。 池田屋事件までが上巻なのかと、心を引き締める。 後は散る坂を駆け下る。 わかってはいても、その姿さえ土方らしいのだ。

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強運の持ち主

強運の持ち主 瀬尾まいこ

テンポ良くストーリーが進むのでサクッと読めました。主人公の占い師の無責任で適当なところがある意味相談者の背中を押してくれ、物事が良い方向に進んでいくのですが、自分だったらこんな占い師嫌だなーと思いながら読んでしまったので温かい言葉も心に響かず。。

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人間の建設

人間の建設 小林秀雄

“知の巨人”同士の対談 分かるようで分からない。本当の意味では分からない。きっと何年経っても、二人の対談の共感地点までは到達出来そうにもない。 のほほんと生きて、ありふれた思考時間を過ごしていては、到底、到達できない所にいる方同士の対談話だった。 思考し続けた人間には専門は違えど共感するものがあると思うが、その思考力がかけ離れ過ぎていて、圧倒され、そんな考えまでなるとかぁと感嘆する内容もしばしば。 もちろん、出会えて良かったと思える本。 また、読んだ時に今よりも二人に共感が出来る人になっていたいと思う。

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拳闘士の休息

拳闘士の休息 トム・ジョーンズ

モヤのかかったような空気。熱は高く、湿度も高い。ひしゃげた身体、しかし、研ぎ澄まされた意識。ゴウゴウと進む一つ一つの短編に圧倒される。これはいい。何だ、これは。とてもいい。次作、舞城訳も期待。

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掟上今日子の推薦文

掟上今日子の推薦文 西尾維新

楽しみながら読むことができた。 まぁ、最終の謎解きについては少し無理矢理感があったけど、それを突っ込むというよりはあくまでもフィクションと割りきり楽しむほうがこの話は楽しい。

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漱石と倫敦ミイラ殺人事件

漱石と倫敦ミイラ殺人事件 島田荘司

ロンドンで漱石がホームズ&ワトソン君と出会う!そして、密室でミイラ化した死体が!ホームズとワトソン君の活躍が御手洗と石岡君の活躍のようで、御手洗ファンにもオススメです!

燃えよ剣〈下〉

燃えよ剣〈下〉 司馬遼太郎

全ての新撰組の原型がここにある。 これ以上の土方歳三はまだ、見ない。 五稜郭では土方の時間の流れがゆるい。 戦っていても吹雪に視界を遮られている思いがする。 最期は、雪がひとひらひとひら舞い落ちる間に見える土方の後ろ姿が印象に残る。 読者は何時も土方の背中を見てきたのだと落涙した。 「竜馬がゆく」「燃えよ剣」読者をロマンの彼方へ引きずりこむ。さすが、司馬遼太郎先生。 何回読んでも新鮮なのだから仕方ない。

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