新書

日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業

日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業 中原圭介

少子高齢化がこの国に背負わせた半世紀は続くであろう呪い、AIの飛躍的進化が奪う雇用、そして遠からずやってくるとされる国際的な金融危機と、暗澹たる心持ちにさてくれる一冊。 国そのものは当分低空飛行だろうから、個々人で出来る範囲で備えるしかないかねえ。最近この手の本が増えた。

雲と鉛筆

雲と鉛筆 吉田篤弘

新書の形をしていますが、物語です。 作者がクラフト・エヴィング商會名義で作った『クラウド・コレクター』はお気に入りの一冊で、なんとなく繋がりを感じて購入。そのことについては、あとがきに色々書いてありました。 物語です。たくさんのエッセンスが散りばめられた寓話のようなファンタジーです。ありそうで実在しない街に住む、いそうでいない一風変わった男が主人公です。シンプルすぎるほどにシンプルな暮らしは、どこかに寂しさを感じます。その寂しさは馴染みのある寂しさというか…なんというか愛おしい寂しさです。たぶんそれは、物語の風景がシンプルで丁寧で、しかし一瞬のものであるという切なさに寄るのではないかと思っています。 私はこういう物語がとても好きです。 読み終わった後の静けさが好きです。

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古文書返却の旅―戦後史学史の一齣

古文書返却の旅―戦後史学史の一齣 網野善彦

1949年、日本常民文化研究所月島分室にて始まった、全国規模の漁業資料館を設立しようとするプロジェクトは、あえなく5年で潰えた。その時各地の漁村から借用した文書は、リンゴ箱に詰め込まれ死蔵される。時が経ち1980年より18年の歳月をかけ、著者は各地へと資料を返却し続けていく。罵詈雑言を浴びせられるのを覚悟で再訪した家で思いがけぬ歓待をうけるうちに、各地の歴史や民俗を著者は再発見していくことになる。分野に関係なく研究倫理の書としても読める。人を対象とした研究に協力して下さった方には誠意を尽くさねばならない。

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農山村は消滅しない

農山村は消滅しない 小田切徳美

高齢者が50パーセントを超える集落でも消滅しないこと、地方が様々な案を出して地域を盛り上げようとすること、いずれもその地域に誇りを持っているからこそできること。僕はベッドタウンで生まれ育ち地元に対して住みやすさはあるが誇りを持ってはいなかった。地元にアイデンティティを持てるような選択を将来したい。

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保守の遺言:JAP.COM衰滅の状況

保守の遺言:JAP.COM衰滅の状況 西部邁

ガンディの非暴力不服従に心の奥底では共感しながら、日本は核武装をすべきだと述べる。西部邁は、いつもこんな具合だった。ん?どっちなんだこの人?と思いつつ読み終わり、なんかもやもやする。そういう文章を書く人だった。初対面の人にいきなり「私はあなたを許さない」「元全学連なのに東大教授になったから」と絡まれたり、苦い思いを散々されたようだ。雑に読むとそういう受け取り方になるのだろうか。政治とは割り切れないものだろう。論じ方も割り切れなくて当然ではなかろうか。自裁の六日前に書かれたあとがきをもって本書は閉じられる。

騙されてたまるか 調査報道の裏側

騙されてたまるか 調査報道の裏側 清水潔

2018/7/10読了 報道って即時性も求められるから、なかなか独自取材に時間を割けないんだろうけど、一度間違った情報が世の中に出てしまえば、それを撤回して訂正するのがどれほど難しいかも、きちんと意識して報道して欲しい。そういう責任を持って仕事してる人も勿論たくさん居るんだろうけど、悪い事例の方がどうしても目立つよなぁ。

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京都ぎらい

京都ぎらい 井上章一

京都府外から移り住んで、何となく感じていた"いやらしさ"が言葉にされていてすっきり。 でもそれよりも建築うんちくが面白くて好き。

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『レ・ミゼラブル』の世界

『レ・ミゼラブル』の世界 西永良成

一ヶ月かけてレ・ミゼラブル (豊島与志雄訳)を読み終わって、衝撃と感動が冷めないまま、この本を手に取った。著者は数年前に翻訳を手がけた方である。 この本は主に、レ・ミゼラブル が書き上げられるまでの ユゴーの人生、政治的立ち位置と、彼の持つ哲学と考えについて記述されている(ユゴー自身の人生そのものが壮大な波乱万丈の小説のようだ)。ナポレオンに対する賞賛の一方で少し距離を取った表現があることや、ルイ・フィリップの肯定、宗教に対する批判をしていながら全編を通してキリスト教的な道徳観を持っていることなど、作品を読んだときに疑問に感じた部分が解決された。 巻末の年表から、初めて歴史とのカラクリに気づくこともあった。 作品を深く理解するのに、大きな助けとなる一冊だ。

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伝える力

伝える力 池上彰

NHK『週刊こどもニュース』を初代10年間やっていただけあって、こどもにおとな向けニュースを伝えるコミュニケーション力が凄いな!と思うことがある。勿論、ニュースをこどもに伝え解説させるのは、わからせおじさんといったプロが、書きに書き直しているけれど、池上さんは更にどうしたらわかりやすく、コミュニケーションを取らせるのか?多分、自分のこのレビューの方が分かりにくいだろう、と思う。

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