新刊

海馬の尻尾

海馬の尻尾 荻原浩

反社会性パーソナリティ障害をもつヤクザの話 人を殺すことに躊躇いを持たない主人公が カシラに言われて アルコール依存を治すため精神科に通い 敵のヤクザを殺してしばらく身を隠すために 治療センターに入院することにしたが そのセンターの異常さに みんなを連れて逃げ出すことにした 他にもウィリアムズ症候群の子供や ウルバッハ・ビーテ病の男性がいるが 共通項は恐怖心がないこと センターの治療が効いたのか 入院先の人との繋がりが効いたのかはわからないが 主人公に少しずつ 共感力がついてきて恐怖心もちょっとずつわいてきて 人間らしくなっていく様子がよくわかるし 知り合った子供を気にかけるようになったことは進歩だと思う 誰かの為に一生懸命になるのは 主人公にとってきっと初めての気持ちなんだろうな

アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編

アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編 加藤昌治

アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである と、言われるものの、既存の要素を使える形に料理出来るようになるまでには、それなりの考え方の訓練が必要。 というわけで、発想法の基礎トレーニング集的なエッセンスが詰め込まれているのが本書。こちらは基礎編らしいので、もう少し整理が出来たら、その先にも進んでみるつもり。

グリフォンズ・ガーデン

グリフォンズ・ガーデン 早瀬耕

1992年に刊行された早瀬耕のデビュー作である単行本を、改訂し文庫化したもの。先だって刊行され、読んで衝撃を受けた『プラネタリウムの外側』の前日譚ということで発売を楽しみにしていた。元はゼミの卒業制作として書かれた作品と知る。(出典 HAYAKAWA BOOKS & MAGAZINE の 2017/9/13 の記事より) コンピュータや工学系についてはほとんど詳しい知識はないけれど、登場する恋人たちの会話の流れで難しい言葉もある程度、理解できる構造になっている。 結局、最後はどうなったのか。まだ読み終えたばかりで受け取ったものが上手くまとまらない。人によって捉え方も違うと思う。読んだ誰かと語り合いたい気持ち。 『プラネタリウムの外側』のときも思ったけれど、何度も読み返したい本の一冊に仲間入りした。

なぜ京急は愛されるのか: "らしさ"が光る、車輌、サービス

なぜ京急は愛されるのか: "らしさ"が光る、車輌、サービス 佐藤良介

京急電鉄は関西の鉄道と並んで、こだわりの強い気質な鉄道会社と聞く。京急の底力を見せようと台風が来ても対応し、雪が来ても耐雪ブレーキではなく、対雪ブレーキで雪に挑む。運行管理もコンピューターは最小限にし、運転主任といった駅・車掌・運転士の全てを経験しないとなれない役職を通じて、信号機は手切替、連結もスピーディーにこなす。お陰様で『いっとけ(逝っとけ)ダイヤ』が公式に使われており、最近簡単に起きる輸送障害にも臨機応変にやってるなぁ、と思うことがある。次のこだわりはステンレス車体の完全塗装だそうで、まだまだ『らしさ』を生み出し続けていく。

関東エリア 一都六県 コミュニティバス図鑑

関東エリア 一都六県 コミュニティバス図鑑 スタジオタッククリエイティブ

関東地区に限られるが、コミュニティーバスの図鑑。子供向けではあるものの、今まで出てきた本が学術的なものが多かった中で、写真を中心に取り上げている貴重な1冊。「地域のバスだろう、要らなくね?」とからかわれそうだが、東京では島嶼地区も取り上げられている。絵本なのでお手頃でもあった。また中型〜小型バスの、生きた例を呈した本ともいえよう。

反共感論―社会はいかに判断を誤るか

反共感論―社会はいかに判断を誤るか ポール・ブルーム

私こんなに悲しいの!私こんなに大変なの!私こんなに辛いの!ねえねえ共感して! ってな同調圧力話が多い昨今ではあるが、そんなものは害悪であると喝破する本が出た。それが本書。全米でも大いに物議を醸したらしい。 しかし。書いてあることは一部疑問に思うところもあるが、ごくごくまとも(だと思うけどそう思わない人もいるだろう)。著者は共感なるものを論理的共感と情動的共感とに区別し、脳科学や哲学などの成果を活用しながら、情動的共感はしばしば近視眼的思考に陥り、本質を見誤ることを指摘する。例えば身近な人の苦しみには大いに影響されるものの、遠くの多数の他人の苦境に対しては、それがどれほど大変なものであってもほとんど共感を抱くことがない、あるいはなんらかの対策によって防がれた悲劇は、起こらなかったというメリットゆえにこそ却って共感を呼ばないとか。例えば日本でもある子宮頚がんワクチンの問題。もちろん副作用が出た患者や家族の苦しみや悲しみは察するに余りあるとしても、疫学的に有用であることがわかっているワクチンの中止を声高に叫ぶことは果たして正しいことなのか。アンタは子宮頚がんになんない男だから気楽なこと言ってんのよ!とか言われそうだけどさ。

なりたい

なりたい 畠中恵

大好きなしゃばけシリーズ第14弾。 今回はいろんな人の何かに「なりたい」という願いのお話5編。 体が弱く寝付いてばかりの若旦那は、外出もままならず兄や達に甘やかされてばかりの生活ながらも少しずつ成長している。 そしてその若旦那を取り巻く妖達も少しずつ人間らしい成長を遂げている気がする。それは妖としては相応しくないのかもしれないが彼らはそれほど若旦那との生活を愛してやまないのだ。 読み終わるとそばにいてくれる誰かをより愛おしく感じる…かもしれない。(笑)

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感じる科学

感じる科学 さくら剛

著者のユーモア溢れる例え話のおかげで、科学を自分と関係ない難しい世界のものではなく、身近なものとして捉えることができました。 進化論の部分は不覚にも感動があったり。 電車に揺られながら細々読むのに丁度良いです。

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43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層 石井光太

被害者の父親の想いを読むのが辛い。司法への不信から「個人的に復讐する」という。 そんな想いを抱くのも当然と感じる一方、被害者家族はここまで激烈な想いを抱くからこそ、一見(一見じゃなく本質かもしれないが)冷徹で、無機質と感じられる司法制度があるのだなとも思う。

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スイート・ホーム

スイート・ホーム 原田マハ

話しの展開が、想像つくのだけど読み切って、あーよかったなぁと、こころに栄養を貰えた作品でした。

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プラネタリウムの外側

プラネタリウムの外側 早瀬耕

とにかくびっくりした。 読んでいて、ヤバイヤバイナニコレヤバイと、のたうちまわる感覚のまま読み切った。 前日譚となる『グリフォンズ・ガーデン』よりも先に読んだので、IDA-10がどんな格好をしているのか想像もつかなかったけれど、さらには削除という概念がないというバイオ・コンピュータの概念もよくわからなかったけれど、それでも仮想世界が現実世界を凌駕していく危うさは理解できた。というより、現実世界がどれほど危うく脆い世界なのか、ということを意識させられた。 「めったにない何度も読みたくなる作品」の一つに仲間入りした。

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黙殺 報じられない“無頼系独立候補"たちの戦い

黙殺 報じられない“無頼系独立候補"たちの戦い 畠山理仁

楽しみにしてた作品。政治を主な取材対象にしてきたライターが前半で大きく取り上げられているマック赤坂のようないわゆる「泡沫候補」を取り上げた作品。ちなみに作者は泡沫候補という呼び名を嫌って「無頼系独立候補」という言い方をしている。正直なところ大きな選挙のたびにマック赤坂に代表されているような奇抜な姿、主張の候補が何人か必ず出るが、殆どの人がまともに気にしたこともない彼らのことを面白おかしく取り上げた作品だと 思っていた。実際には同じ供託金(殆どの国ではないかあってもかなりの少額ということも初めて知った)を支払っているにも係わらず公平に扱われない彼らのことを党利党略にとらわれず自らの主張を追求する人達として愛情もってきちんと書いた真面目な作品だった。面白かったし今後、選挙を見る目も変わったと思う。

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