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コメントした本

寺山修司戯曲集〈2〉実験劇篇

寺山修司による実験演劇集。ノック、書簡演劇、人力飛行機ソロモンなど市街演劇を中心にその様態が詳しく記されている。 いずれの演劇も寺山が繰り返し述べていた、虚構と現実の境界線の破壊、演じる俳優と安全に鑑賞する観客の破壊、を体現するものであり、"平穏"に生活する一般市民の眠りを覚ます「政治によらない革命」の表現である。 演劇が完結した虚構である事を良しとせず、閉塞した日常からの変貌の契機とする寺山の理論は当然に鑑賞する観客の方へと向けられる。すなわち安全に鑑賞する"劇"から相互的なコミュニケーションへの転換を企図している。読み進める中で示される不気味な"非日常"感において湧き起こる情緒は寺山の意図したものか。

約1年前

さる業界の人々

エロ本を取り巻く人びとの義理と人情。 南伸坊、赤瀬川原平らの文体はモチーフからの距離の取り方がすごく上手い。近すぎず離れすぎず、対象の面白さが表出している。 大学出のインテリはすぐエロをエロティシズムに持っていって反権力だ、表現の自由だ、となっちゃう。 エロ本でバタイユはダメ、なんて部分はハッとさせられる。とかくエロに思想を持ち込むクセは良くないなあ。

約1年前

ビジネス・ナンセンス事典

あ行から始まるビジネスにまつわるエッセイが並ぶ。 思うに、中島らもの文章とひさうち氏のイラストの相性は抜群で、変なことを真顔で言うスタイルがハマっている。

1年前

アンダーグラウンド・フィルム・アーカイブス

アングラ文化を掴むならこの本。安心の平沢剛・四方田犬彦。 若松、足立など監督の紹介や年表、各関係者への丁寧なインタビュー、関係雑誌等々でムーブメントを把握する。

1年前

迷路と死海―わが演劇

寺山による演劇論。 虚構を現実の中に持ち込むのはこの年代のテーマ。それは革命論が噴出し、学生運動が活発化した時代に呼応するものだろう。 この中では劇場論が面白い。虚構を壁で囲った許可された空間でのみ執り行うことを良しとせず、現実空間を侵食しようとしたのが寺山の市街劇。虚構の行なわれる空間を劇場として現実と区別するならば、現実空間に登場した虚構は現実なのか。その曖昧な境界線はやがて劇そのものを解体するか。 ところでこの本は理論を説明するものであるから、寺山演劇の肉体を知りたいならば寺山修司戯曲集を読む方が良い。

1年前

仮面の告白

三島由紀夫の同性愛的嗜好は、その幼年時における家父長的存在であった祖母からの影響による女性嫌悪或いは女性恐怖によるものではないかと思えてくる。 そして彼の若い、英雄的な死への願望は人生の早い時期に登場していた。人生を死に求めている姿勢は現在でも共感される価値観か。

1年前

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純文学の素

ボキャ貧の私には読むのが辛かった、しかしそこがいい

1年前

命売ります

直感的な感想になるが、これはピンとこなかった。 この作品の主人公には三島特有の純潔のもつコンプレックスが感じられず、主人公を第三者的な立ち位置において淡々と物語が進行していく。最後には主人公自身が追い詰められるわけだが、ここもどうにも釈然としない。 要するに三島作品を読んでいて起こった共感と感動がこの作品にはなかった。理由を論理的に説明出来ないが、まあ物語は身体感覚が大事なので直感的に感想を述べても良いだろう。

1年前

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ぼくなりの遊び方、行き方: 横尾忠則自伝

亀倉雄策や和田誠やらデザイン界のビックネームが出てきて驚くのはまだ早い。それに引き続いて60年代アングラを一直線に貫いてる。 三島やら寺山修司、天井桟敷に唐十郎と状況劇場、果てはNYポップアートにウォーホル。 彼の生きてきた空間が直に自分自身の関心と紐付いていたこと、そしてそれをたまたま手に取ったこの本で知れたことは、横尾的に言えば運命的な出会いだったのだろうか。

約2年前

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敗戦と赤線

各都市の赤線地区において、戦前の遊廓・私娼街がどのような変遷を経て戦後の赤線を形成したのかを示す。 戦中の慰安施設として存続したものが、敗戦後は進駐軍のために再編されており、売春制度が持つ政治的側面も垣間見えて興味深い。 引用されている資料・文献も面白そうなものがいくつかあったので、それも読んでみようと思う。

約1年前

シュルレアリスムとは何か

シュルレアリスムが表題だが、この本は後の章になるほど面白い。 メルヘン論とユートピア論は諸概念を確認するだけに留まらず、現代に通じる示唆に富んだテーマに繋がる。特にユートピア論は現代と多くの共通項を持つためかとても面白い。 自我を発端とする「近代」とそれ以前を、メルヘンの文脈で分かりやすく説明している。 近代・それ以前における芸術一般に根底する基礎の違いによって作品の意味づけが変わってくる。 芸術と向き合う際に思考の枠組みとなる本。 ユートピアと桃源郷、ユートピアは理想国家像を指し、桃源郷は理想的土地・自然を指す。まさにヨーロッパとアジアの考え方を如実に示す例として大変面白い。

約1年前

遺言

アートシアター新宿文化の葛井欣士郎へのインタビュー。 アートシアター新宿文化と蠍座を中心として60年代アングラ文化で何が起こっていたのか、時系列に沿ってしっかりと内容が語られている良い本だった。

1年前

1968年文化論

スーダラ節、来たるべき蜂起

約2年前

野坂昭如エッセイ・コレクション3 ポルノグラフィー

自分は中島らも・みうらじゅんが好きだけど、野坂昭如はその先駆者みたいだなあと思った。 ただ、野坂は本物の文科系で弱者なもんだから彼の青春体験は読むのがつらいつらい。 教練の軍人に、近視を来年まで治しておけ!と言われて怖くて怖くて、星だか波だかを必死に見ていたというエピソードはなんだか部活動を思い出して変な汗が出ました。

1年前

肉体の学校

旧貴族の令嬢でビジネスも成功し金も地位もある中年の女が主人公で、これが若い学生に惚れ込む。 若く可能性があり選択肢の広い男をなんとかして惹きつけようとする女の心理描写にとても共感をおぼえた。 甘い恋愛ではなく、いかに「自然」な関係かどうか。自分自身の異性関係とぴったりと一致し、読みながら苦笑いしてしまった。

約2年前

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超芸術トマソン

登ることしかできない「純粋階段」、肝心の出入口の塞がった「無用門」。 存在意義を失ったモノたちは赤瀬川に芸術性を見出され超芸術トマソン(無用の長物)へと変わっていく。

約2年前

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