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kantaroh

ブルーにこんがらがって

ブルーにこんがらがって

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コメントした本

プールサイド小景・静物

慎ましい生活に魔が指し、少しずつ綻びが生じている家庭を丹念に描いたプールサイド小景。 どの短編も日常に深く溶けて込んでいるからこそ、それぞれの登場人物が目立ない。 プールサイド小景、静物とはうまく言ったもので、本当に一つの情景として物語がまとまっている。 それが何となく愛おしくて、晴れた日の昼下がりに、穏やか物語と融解するのも悪くない、そんな本と人との距離感がいいんだな。

12日前

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昆虫学者はやめられない: 裏山の奇人、徘徊の記

随分前にあるTVのドキュメンタリーで、南米に住む昆虫学者の特集が組まれていた。 その人の部屋には無数の透明なビニール袋が吊られてあって、そこで無数の虫たちを飼っていた。 異様な光景だった。けれど虫たちに対する愛情を感じた。この本の著者からも同様の愛情を感じる。 ぼくたちは自分の住んでいる環境が良くなることには貪欲で、その影にある犠牲に目を向けることはあまりない。 ましてや美しい蝶ならともかく、光の届かないジメジメとした洞窟に蠢く体長1ミリ程度の微小な虫たちのことなんて、歯牙にも掛けない。 裏山に出掛けて、無数の虫たちと触れ合う奇人の生き方に憧れを抱き、大都会の一室でこの本を読むぼくは、せめて虫たちとぼくたちの生活が上手くバランスを保つことを願うばかりです!

約2か月前

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風の谷のナウシカ 7

ナウシカといえば、慈悲深く、優しく、純粋で、 それでいて、口ずさみたくなるあの歌のような少女のはずなのに・・・ 漫画版では、 「清浄と汚濁こそが生命だ」 「いのちは闇の中のまたたく光だ」 なんて言っちまうんだから、凄いよね。 そしてナウシカは物語の最後に途轍もない罪を犯してしまうんだけれど、そこには生き物が生き物として生きるための強い意志がある。 「生きねば」という言葉で締めくくられている物語に思いを馳せる麗らかな午後、風立ちぬ、いざ生きめやも、アレ、これってどこで聞いたような、聞かなかったような、つくづく生きることを問う作者だこと。

2か月前

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動物化するポストモダン オタクから見た日本社会

社会の成員が同じ方向を向くことで、成立していた近代国家。 けれど、それを支えていたイデオロギーや経済の生産性というような大きな物語が機能しなくなると、ぼくたちには途方もない情報だけが残された。 そんな社会でオタクを含めたぼくたちは、データベースから引き出された無数の情報の断片に仕掛けられたポイントに萌えるらしい。 確かにそうかもね!

2か月前

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増補 エロマンガ・スタディーズ: 「快楽装置」としての漫画入門

ベットの下や本棚の隅に巧妙に隠されてきた多くのエロマンガたちよ、たとえコンビニから駆逐されようとも、日本を代表する漫画文化の一員であることは忘れない。 だから、大きな声では言えないけれど、頑張って 個人の内にある多様に細分化されたフェティシュな欲望の世界まで、どこかのだれかに土足で踏み込まれ、柵を設けられたら、表現世界に未来はない。 エロマンガの引用図がふんだんにあったこの本を、電車で読むのはなかなか恥ずかしいかったけれど、 これも1つのクールジャパンだと今なら言える。

4か月前

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ガラパゴスの箱舟

随分と今とは異なった人類のいる未来から、どうして人々がそのような道筋を辿るに至ったかを語る物語。 シンプルに生きることが困難だからこそ、世の中を複雑にするあの知性というやつを捨てた新人類が少し羨ましい。 所々登場する新しい人類の描かれ方が、ぼくにはどうしても退化には思えない。

5か月前

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フラニーとゾーイー

必要以上に自分を良くみせようと振舞うことに疲れている人は、たぶん大勢いる。 世の中の全てがインチキで、それを取り巻く連中もインチキだと感じる者には、世の中ってものは本当に堪えるんだよ、コレが。 だからこそ、ライ麦畑のあの人やグラース家の人々に会いたい人が途切れないんだ。 「私はただ、溢れまくっているエゴにうんざりしているだけ。私自身のエゴに、みんなのエゴに。 どこかに到達したい、何か立派なことを成し遂げたい、興味深い人間になりたい、そんなことを考えている人々に、私は辟易しているの。 そういうのって私にはもう我慢できない。実に、実に。誰が何を言おうと、そんなのどうでもいいのよ」 まったく、いいこと言いやがるぜ、サリンジャー 。

7か月前

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性表現規制の文化史

えっちなことはいけません。 えっちなことを奨励する人より、「禁止せよ」って人の方がなんだか、道徳的に優れている気がするもんな。 けれど、どうしてダメなんだろう。 どうして昔からこんなことが議論され続けているんだろう。 人と性的な表現の関わりは複雑で、時代の流れが反映されている。この議論に終わりはないだろう。けれども、まぁ、なんだかんだみんな好きなんだ。 ちなみに表紙では「規制」の言葉で見えない乳首が、カバーの折り返しではしっかりと描かれている。そんなシャレた作りもいいね!

10か月前

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発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

君の営み、我々の営み、別々のようで同じなんだヨ。 自然の営みを長い歴史の中で、デザインすることでその恵みを頂戴する術が発酵なんだ。 限られた資源、その土地の風土、そしてヒトの営み、それらの関係性から発酵は生まれる。 レヴィ=ストロースから山口昌男に至る文化人類学のレンズを通して、デザインされた発酵文化人類学。 自然とヒトの関係性が複雑なように、発酵とヒトの営みを語るには、一筋縄でいかないんだ。 けれど、全ては繋がっている。それはヒトの歩んできた道には発酵が付き物で、たぶんこれからもぼくたちは発酵と付き合っていくだろうから。 明日の朝はみそ汁を飲もう、そんな気分の読後感。

10か月前

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僕たちのインターネット史

インターネットの黎明期から現代に至るまで、僕たちの中の誰かがインターネットをどのように捉えていたのかを軽やかに語ってくれる。 蛇口を捻れば、水が出ることを不思議に思わないように、デジタルネイティブも、またその仕組みに関心を抱くことはないという指摘は、当たり前だけどその通りだと思う。 人々がサイバースペースに夢をみていたこと、生命の原初のスープとしてのインターネットから、細分化されブラックボックスとかしたインターネットの在り方を知ることで、僕たち一人一人が、独自のパースペクティブをもって、歴史に1ページを書き加えることに意味があるのだと語ってくれる。 時化のときも凪のときもある情報の海原を前に さて どこへ行こうかしら ネットは 広大だわ

11か月前

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経済のしくみがわかる「数学の話」

世の中には2種類の嫌な奴がいる。 この本の著者は、頭の冴えた嫌な奴だ。 確かに性格はひとクセあるし、はなから文系をバカにしている。 でも世の中に流布している数字のまやかしや意図的なミスリードを誘うデータの類いにはハッキリと物申す人だ。 頭の冴えた嫌な奴の特徴は、うやむやにせず、物事の本質を突くことだ。 多分それが、数学の明晰性なんだろうな。と頭の弱い嫌な奴は思いました。

約1か月前

謎のアジア納豆: そして帰ってきた

留学中に何度もお世話になった納豆。 スペイン人が一口食べて、眉をひそめた納豆。 けれどもアジアの人には好評だったなぁ。 それにしてもアジアにはこんなにも納豆があったなんて、なんだか感慨深い。 ぼくたちの住んでいる地域には問題が山積みだけれども、それでもこの本で紹介されている納豆の様に分かり合えることは沢山ある。 いつか極上の納豆のようにまろやかで、雑味なく、ぼくたちが熟成されることを願って、今日も納豆をかき混ぜる。

約2か月前

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火を焚きなさい―山尾三省の詩のことば

時折、表紙のデザインやタイトル、帯に書かれているコトバに惹かれることがある。 勿論、詩の持つ美しさが琴線に触れることがある。 だからぼくはこの本を手に取ったんだ。 山に夜が迫る。影が伸びる。夜が始まる。 だから火を焚かなきゃダメなんだ。 必要なものとそうでないものとの見分けがつかなくなったぼくは、そろそろ火を焚かなきゃいけないのかもしれない。 薪を絶やさず、焚き木がはじける音に耳をすませて、これから始まる夜に備え、久しぶりに火を焚こう。 夜はもうすぐそこだ。

2か月前

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棺に跨がる

人一倍プライドが高くて、人一倍自分のコンプレックスに敏感な貫多。 どうしようもない性根に気付いていながら、その癖自分本位な貫多。 ダラしなくて、とことんダメなんだけど、それでも見捨てられないのは、自分の内面のどうしようもない部分を投影しているからかもしれない。 カツカレーの食べ方を揶揄されたとしても、女を蹴ることはないけれど、秋恵の貫多に対する態度に苛つく自分がいる。 秋恵はとうとう、貫多を見捨てたけれど、それでも一読者として、ぼくはこの男をこれからも見ていくだろう。 だからとりあえず、さよなら秋恵さん。 これからはぼくたちがこのどうしようもない男を見守るよ。

3か月前

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カラス屋、カラスを食べる 動物行動学者の愛と大ぼうけん

ヒッチコックの映画や大都市でゴミを漁る姿から忌み嫌われるカラス。 そんなカラスの数少ない専門家の研究生活を覗き見することができる。 もちろん、カラスだけじゃなく、その他の動物の調査の様子も沢山あるからご安心を! そして都会の片隅に生きるカラスを、迷惑な存在ではなく、隣人として感じられるかも。 あぁでも、食べるのだけは無理だなぁ。

4か月前

午後の恐竜

ただ恐竜が現代に現れるだけなら、誰にだって書ける話なんだけれど、短い話の中に人の愚かさと家族の穏やかな日常の一コマをまとめる星さんはすごい。 そして何よりタイトルがいい。 午後の恐竜だなんて、たまんないよ、まったく。

6か月前

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山形道場―社会ケイザイの迷妄に喝!

著者についての巻末の紹介で、文章のわかりやすさに定評があるが、異様にデカい態度と節度なき罵詈雑言でも悪評高いと紹介されている山形浩生。 そうだ、最近ではピケティを訳した男だ。インテリで、たぶんだけれども、自分にそれなりの自信がある、そんな感じが文章の断片から感じられる。 けれど、何処の誰だかわからない読者に語りかけるような話し言葉で綴られている文章は、スノッブが書くような、それ自体で完結するように意図され、読者に対して、何の取っ掛かりのない無味乾燥した文章とは一味も違う。 話を小難しく、訳の分からないモノにして、優越感に浸っている君、一度、この本を読みたまえ。 言葉なんて通じなきゃ意味ないんだから。

8か月前

ツチハンミョウのギャンブル

福岡ハカセの文章はいやらしさがない。 フェルメールを語るときも政治について語るときも、ニューヨークでの滞在を語るときも、生命を語るときも、軽やかで淀みない。 文章の流れを滞らせてはいけない。 動的平衡の流れに身を任せて、 ハカセの言葉に浸ろうじゃないか!

10か月前

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ぼくの哲学

「なんで芸術家をそんなに特別扱いするんだよ。世の中にごまんとある職業の1つじゃないか」 アートを大量消費と大衆文化に還元したウォーホル。 「大統領がコカコーラを飲む。リズ・テイラーがコカコーラを飲む、そして考えたら君もコカコーラを飲むわけだ。コークはコーク」 大量生産によって均一化されたものが、誰もが手に入れることができるアメリカを素晴らしいといったウォーホル。 彼の哲学はフラットで平等で、空っぽ。だからこそ無意味なんじゃなくて、カッコいい。 アートの意味性とかを考える暇があれば、カッコいいモノをカッコいいと素直に思うこと。それも1つの哲学さ。

11か月前

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ダンス・ダンス・ダンス 上・下巻セット 全2巻

danse = vivre dans la grande société capitaliste. danse = reprendre mon coeur perdu. danse = se lier au monde où je continue de vivre. とびっきり上手く踊るんだ。 みんなが感心するくらいに。

約1年前