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もちもち

食べ過ぎ、飲み過ぎ、読み過ぎ注意!

食べ過ぎ、飲み過ぎ、読み過ぎ注意!

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コメントした本 ページ 2

アーサー・ペッパーの八つの不思議をめぐる旅

本書の主人公は、最愛の伴侶ミリアムを亡くし、毎日のルーティンワークに埋没することでなんとか生きている69歳のアーサー・ペッパー。 お向かいさんとは挨拶のみ、お隣さんからは居留守を使って逃げ回り、葬式にも出てこなかった娘、息子とは疎遠になっている。 そんな彼が、一周忌を機に妻の身の回りの品を整理することに。 ところが、遺品の中からゴールドのチェーンに八つのチャームがついたブレスレットを発見したアーサーは、ブレスレットに妻の「秘密」を感じ取りつつ、心に潜んでいた冒険を切望する気持ちにも気づく。 そして、ゾウ、花、本、パレット、トラ、指ぬき、ハート、指輪の八つのチャームの由来を探求する旅に出ることを決心するのだか…。 自宅を出たアーサーは、トラに襲われたり、強盗にあったり、見ず知らずの人の家に泊めてもらったり、孤独な誰かのために手を貸したり、妻以外の女性とデートをしたり。 そして彼は知る。 この世界には自分とミリアムと子どもたち以外の他者が泣き、笑い、必死に自分の人生を生きている! そして彼は以前とは違う気持ちで子どもたちやご近所さんと向き合い、新しい関係を築き始める。 人生に発見を、偶然を、ハプニングを、新しい出会いを! そしてそれらを受け容れ、違う世界に踏み出す勇気ある一歩を。

9か月前

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死してなお踊れ: 一遍上人伝

本書は鎌倉時代中期の僧侶、一遍上人の生涯の伝記であり、著者によるその教えの翻訳である。 翻訳というのは変な言い方だけど、おそらく本書を読んだ多くの人には分かってもらえると思う。 「いいよ、いいよ、すくわれちゃいなよ、いますぐに」 くだけた話しことばで書かれた文章は、一遍上人のラディカルな生き方を語るのにしっくりとくる。 ものすごくパンチのある作品だ。 一遍はただただ迷いの中で生きる大勢の衆生を救おうとした、いや「あなたは既に救われているんだよ」ということを伝えようとした実践の人だった。 その実践が、本書ではまるでRPGのように、展開する。 まずは出家し、旅に出る、修行を積む、旅の道連れができる、人がついて来る、巨大な敵が攻撃を仕掛けてくる、逃げる、暴れる、踊る、踊る、踊る…!! 危機感を煽るニュースが毎日のように流れ、重苦しい不安な空気が広がっている今。 実は私たちの社会は一遍の思想を受け入れる準備が整っているのかも。 あるとき誰かが「人はみな独りで生きていくんだよ、苦しいねえ、寂しいね、けどね、実は私たちはすでに大きな何かに救われているんだよ、さあいろんなものを捨ててみんなで踊ろう!生きながらにして往生しよう!」と言い出し、一斉に人々が踊り出す…そんな未来が来るかも。 そして、私はそのとき、一緒に踊るんだろうか、踊りを眺めているだけなんだろうか。

10か月前

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コードネーム・ヴェリティ

第二次世界大戦の最中、イギリスから一機の飛行機が月明かりの下、フランスに向けて飛び立つ。 乗っているのは飛行機乗りのマディとイギリス軍の特殊任務員であるクイーニー。 それは2人の少女にとって、運命の飛行だった。 本書は三部構成で、第一部はナチスの収容施設に囚われたクイーニーが拷問に屈しイギリスの情報を提供する、その手記という形をとっている。 そして第二部ではマディが、オルメで地下活動をするレジスタンスたちに匿われながらクイーニーを救出しようとする経緯を記録したものという形をとっている。 さてクイーニーは救われるのか…そしてクイーニーの手記はどこまでが真実(ヴェリティ)なのか。 すべては第三部で明らかになる…。 本書ではナチス側にも印象的な登場人物たちがいて、中でもナチスのオルメにおける責任者フォン・リンデン大尉、故国では校長を務めクイーニーと年の近い娘を持つという彼が、なぜ捕虜やレジスタンスたちに非人間的な行為を粛々と遂行していたのか。 これらは彼の「思考停止」、ヒトラーやナチスそして国家への「忖度」だと私は思う。 このように自分の信念や他人の命さえも犠牲してまで有能な官吏であろうとする心根を、ハンナ・アーレントは無思考性、「凡庸な悪」と名付けたのではなかったろうか。 「kiss me, hardy」 クイーニーの手記にたびたび登場するネルソン提督の最期の言葉、実はこの言葉の前に、ネルソンはこうも言っている。 「Thank God,I have done my duty」 「神に感謝します。私は義務を果たしました。」と。 だけど…私は願う。 あたら若い命を国家に捧げることを賞賛しない世界を生きていけることを。

11か月前

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ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~

ビブリア古書堂シリーズ、第7作目はシェイクスピアのファースト・フォリオをめぐる人間模様を描く。 当初は栞子さんの周囲の人々に起こる事件がメインテーマだった本シリーズも、本作ではいよいよ核心である栞子さんの家族の確執に決着がつく。 好きで好きで、周囲の人を不幸にしてでも手に入れたいものがある人の幸、不幸。 自分も周囲の人も不幸にしないために、必死で踏みとどまろうとする栞子さんと、それを支えようとする五浦くんと。 二人は、それが叶わなかった父や母、祖父母たちの無念を昇華させることはできるのか。 本書ではわかりやすい悪役が登場し、おかげで栞子さんのお母さんの暗躍でここ最近もやもやしていたものが晴れるような展開。 シリーズ本編は一旦完結し、今後はスピンオフや前日譚・後日譚が描かれるとのこと。 お気に入りのキャラ志田さんの物語も期待できそうな予感が。 まだまだ楽しみは続く。

11か月前

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静かな炎天

初登場時は20代のフリーターだった葉村晶(あきら)も、その後探偵事務所に勤め、退社してフリーの調査員となり、書店でアルバイトなどをしつつやがて40歳を過ぎ住宅街のミステリ専門書店〈MURDER BEAR BOOKSHOP 殺人熊書店〉の2階に正規の探偵事務所を構える(←本書の今ココ)までになった。 40過ぎの女性探偵、というとV・I・ウォーショースキーシリーズなどが思い浮かぶのだけれど、葉村晶はヴィクに比べるとかなり対照的。 空手の名手というわけでもなく、スーツ着てブルーノマリの赤いハイヒールを履く「できる女」という雰囲気もなく、事件に絡んで素敵な男性とロマンチックな関係に陥るということも残念ながら、ない。 (ただ何かと事件に巻き込まれる体質で、そのたびに満身創痍でボロボロになってしまうところは似ているかも) 本書では7月から12月まで、毎月一つずつ葉村晶が関わった六つの事件の顛末を描く。 晶は相変わらず店長はじめ強引な人たちに使われクタクタになり、誰かに殴られ、風邪をひき、四十肩に苦しみながら事件を解決している。 読者も一緒に年をとる人気シリーズ、できれば最後まで伴走したいと思っているのだが。

12か月前

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ファミリー・レス

家族または家族未満の登場人物たちの家族小説。 人は皆、別々の人間なのだから決して100%満ち足りた関係にはなれないと分かっていても、「家族」という関係にあるというだけで人は相手に多くのものを求め、傷つけ、傷ついてしまう。 とは言え、本書の登場人物たちは妙に物分かりがいいかも。 それも「家族」未満の良さかもしれないけど、儚い繋がりだなぁとも思う。

約1年前

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Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

江戸川乱歩の作品を題材に、作者がさまざまな趣向を凝らした短編小説集。 いずれも謎ときとホラー要素がほどよく混じり一気読み。 なるほど乱歩の物語と最新テクノロジーはこんなに相性がいいのか。 「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」という言葉を思い出した。

約1年前

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週末介護

介護はされる人もする人も万人それぞれだと改めて思う。 それまでの友好的な関係や気遣いのできる兄姉たち親族による介護はとても「きれいな介護」で、読んでいて安心できた。 ただ、著者を始め周りの介護者たちの工夫や奮闘に比べて、介護の中心にいるお父様の姿がぼんやりして印象が薄いような、ちょっと物足りない気がした。

約1年前

生か、死か

10年前、700万ドルの現金強奪事件が発生し、犯人4人のうち2人は射殺、1人は重傷、1人は逃亡、巻き込まれた身元不明の女性1人が車ごと焼死。 本書の主人公は重傷を負った男、オーディ・パーマー。 700万ドルは逃亡したオーディの兄カールが持って逃げたと言われ、オーディは囚人たちから度重なる嫌がらせや暴力を受けるが、苦情を申し立てることも弱音を吐くこともなかった彼がよりによって釈放の前日に脱獄をする…。 読者が本書を次ページへ読み進める推進力はなにより「なぜオーディは釈放の日を待てなかったのか」という疑問を解きたいという気持ちだろう。 その疑問を出発点に、やがてバラバラの点と点だったできごとが線で繋がり、ラストでその線が美しく儚い模様を描き出す。 その構成が見事で、事件の全貌が見えた頃にはすっかり術中にハマり一気読みが完了。 本書は2015年英国推理作家協会賞 ゴールドダガー賞受賞作である。

約1年前

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糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ、第4弾。 第1作目で76歳だった主人公の草(そう)さんや彼女の周りの人々も、シリーズが進むにつれ身体の不調がでたり環境が変化したり。 それはあまりに静かに進行するので忘れがちだけれど、シリーズとともに私たち読者の現実世界の時間も過ぎているということを意識せずにはいられない。 さて、今回のお草さんの遭遇する事件は、近所の商店街のリフォーム工事を巡るさまざまな人間模様。 数店舗が並ぶ小さな商店街にも歴史があり、謎がある。 小商いとはいえ、いや小商いだからこそ人が人と関わる喜びと怖さは大きな店舗のそれよりも濃いのかもしれない。 親子の確執や積年の恨みや長年の執着、どんな人にも心がある以上、捨てるに捨てられない荷物がある。 そしてこの物語は人が変わらないでいることの難しさと、それでも変わっていこうとする勇気を描く。

約1年前

四人の交差点

これはフィンランドの小さな村に住む、ある家族の物語。 この家には、伝えなかった言葉があり、使われなかった拳銃があり、燃やされた手紙があり、家族にさえ言えない秘密がある。 互いの胸のうちに秘密を抱えたまま、理解できない家族のふるまいに怒ったり泣いたり傷ついたり…それでも、毎日を生きていく。 そんな家族の100年の物語。 本書はマリア、その娘のラハヤ、ラハヤの息子の嫁カーリナ、そしてラハヤの夫オンニの四人の章に分かれている。 数年おきに起きる小さな事件が、時代を行ったり来たりしながら語られる。 違う章で同じ出来事を違う人物が語ると、出来事はまったく違う様相を見せる。 秘密を明かさない故に、寂しさも愛しさもまっすぐに伝わっていないことが読者だけはわかる。 それが本当に、せつない。 ただよく読むと、実は彼らの秘密はいつの間にか次の世代にひそかに伝えられていることが分かり、それはそれで救われる思いがする。 そして、その秘密の最後の継承者が血の繋がりのない嫁カーリナであることが、またいい。 この家の秘密は、血ではなく、それを引き受けられる強さと感受性を持つ者に継がれていくのだ。

10か月前

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人間の土地

「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる。」 先日、ふと本書のこのフレーズが浮かんで来た。 最近、粘土のまま精神の風が吹いていない人による無残な事件や無様な活動を見聞きしているからかもしれない。 常に風に吹かれていなければ。 強い風に吹かれていなければ。 自宅には三冊保管し、何度も読み返している。

10か月前

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死にゆく患者と、どう話すか

本書は、日本赤十字看護大学一年生後期の基礎ゼミ「コミュニケーション論」において、進行がんの治療を専門とする國頭英夫医師によって行われた講義の記録である。 「医者には三つの武器がある。第一に言葉、第二に薬草、第三にメスである」 このヒポクラテスの言葉の通り、医療者として臨床現場で死を前にした患者に何をどのように語るのか、そのコミュニケーション・スキルを学ぶことが本書のテーマである。 國頭先生が監修を務めたTVドラマ(「白い巨塔」「コード・ブルー」など)を参考に手探りで講義は進むのだが、よりよいコミュニケーションとは何か、ということを先生と学生たちが答えを探す過程で見えてくるのは、医療者と患者、患者の家族とのコミュニケーションギャップである。 バッドニュースを患者に知らせる時の心構え、見捨てないということを伝えるための言葉、表情、態度、部屋や椅子の位置、タイミング…。 ひとつ間違うと患者を絶望の淵に立たせることになる、医療者が背負うものの重さにきりきりと胃が痛む。 本書は医学系の出版社から発行され、読者も医療に携わる人を対象にしていると思うが、大学生への講義なので難しい医学用語も少ない上、丁寧な解説があるので不自由な思いはしないと思う。 むしろ、我が国における終末医療について、安楽死と法制度について、がん告知について、また自分はどのような死を迎えたいのか、家族の死にどのように対応すべきなのか、真剣に考えるための素晴らしい教材になっている。

11か月前

ねないこはわたし

子どもたちが保育園に通っていた頃、寝る前に絵本を読む約束をしていた。 そしてその中には本書の著者、せなけいこさんの「ねないこ だれだ」や「いやだ いやだ」、「あーんあん」もあった。 本書では、そんな作品を作ったせなさんの子どもの頃の話や、絵本作成の過程などが、その独特の「貼り絵」とともに語られる。 子どもの頃「お嬢様が絶対正しい」と言ってくれるねえやと、彼女がくれた一冊の本が著者の人生を決めたこと。 息子ににんじんを好きになって欲しくて作った手作り絵本が、出版のきっかけになったこと。 落語家の夫との暮らしの中で落語の絵本ができたこと。 母の期待に応えられない苦しさや悲しみ、だからこそこの道を邁進してこれたという複雑な思い。 才能のある女性が家事や子育てに埋もれながら、子どもの泣き顔にも、反抗期にも、にんじんにも、自宅に流れる落語にも、自分の身の内にある「作り手」としての何かが発動する。 そんな姿に、これは立派にキャリアウーマンの話でもあるんだなあと感じた。

11か月前

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これからお祈りにいきます

2作収録の中短編集。 「サイガサマのウィッカーマン」 主人公のシゲルが、身体の一部と引き換えに願いを叶える神さま、サイガサマの祭りに嫌々関わるうちに家族や周囲の人々への刺々しい思いが変化していく姿を描く。 人が自分の身体の一部を犠牲にしてでも叶えたい願いとはなんなのだろう。 作中登場するサイガサマに願いを叶えてもらったとおぼしき人たちの静かな諦念が、その答えを教えてくれる気がする。 「バイアブランカの地層と少女」 主人公は、彼女からふられそうだし、実家は貧乏だし、シャツをズボンに入れてしまうクセがあるし(いやいや)で、さえない毎日を送っている作朗。 しかしその元凶はおそらくなにかと余計なことを心配しすぎるという性格にある。 そんな彼が、アルゼンチンに住んでいる少女と知り合い、地球の裏側にある見知らぬ広い世界を想像するにつれ、少しずつ未来を語り始める。 どちらの作品も若い男性が主人公で、強い自意識と劣等感、怒り、不安などにかられていて、見ていて少ししんどい。 けれど彼らが他人とのふれあいの中で、ささやかな希望を見つけ出す姿に救われる。 どんなにさえなくても、どんな境遇にいても、どこかに希望を見つけ出す力を持つ人を描くのが、本当に津村記久子さんは上手い。

12か月前

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女子的生活

世の常識とか、良識とか、当たり前と闘う主人公「女子的男子みき」。 彼女がさまざまな事件に遭遇し、敵?をなぎ倒して闘う姿は清々しくて痛快。 だけど、ふと思う。 いや、そこまでして口汚く罵って闘わなくても。 みきが普通に心穏やかに過ごせる世の中になればいいのに。

約1年前

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余命18日をどう生きるか

大阪にある病院のホスピス病棟で20年以上がん看護専門看護師として働き、死について深く考察を続けた著者。 大切なのは、毎日の暮らしの中で「死」を身近に意識して、準備し、その瞬間まで生き抜くこと。 患者さんの実例が他人ごとではないと考えさせられた。

約1年前

15のわけあり小説

「小説職人」という言葉がぴったり! どの作品も予想を超えたヒネリの効いたオチ。 あー楽しかった!

約1年前

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貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える

「貧乏人は自己管理能力が低い」というもっともらしい言葉を述べる人がいるので、検証のために読んだ。 わかったのは、ある人が貧乏であるということは、その人の自己管理能力が低いという薄っぺらで個別的な理由ではなく、将来に希望を抱けない環境にいる人は計画的に生きるということができず、その結果、自己管理能力も衰えてしまうということ。 つまり「貧乏」を解決するためには、人が希望を抱くことのできる明日、来週、来月、来年を提示できる社会が必要だということ。 そうして初めて人は将来のために自分を律して計画すること貯蓄することを行うことが可能になる。 原因と結果は容易に反転し、個々人の性格や環境などに責任を帰することは簡単で、わかりやすい結論に飛びつく人には飛びつく理由があるのだと考えさせられた。

約1年前

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ブルックリン

なぜ人は一つの道しか選ぶことができないんだろう。 なぜ私たちの時間は一方向にしか進まないのだろう。 アイルランドからアメリカに移住したエイリッシュ。 会話をするのにも気後れし故郷が恋しく仕事にもつまづいていた彼女が、やがて勉強し、恋を知り、少しずつ新天地に自分の足場を固め始める。 ところがそんな彼女に最愛の姉が亡くなったという知らせが。 仕事もなく、夢もなく、恋をする相手もいないまま離れた故郷だったが、都会から戻った彼女には仕事や縁のなかった求婚者が現れ、なによりも姉を亡くし一人きりになった母親を見捨てる勇気が出ない。 さて、主人公はどちらの国を選ぶのか…。 人生の分かれ道は、選択せず都合の良いところだけをつまみ食いすることはできない。 私たちは選んだ道を、晴れの日も雨の日も風の日も歩き続けなければならない。 ならばその道で見える景色を楽しみ、道程を満喫しよう、道連れを心から愛そう。 そう思う。 映画も素晴らしい。

約1年前