2293e5aa 24ce 4093 bccc d5c73982411d

aaooaui

読んだなら、書こう、なるべくならば

読んだなら、書こう、なるべくならば

64

コメントした本

コールド・スナップ

一作目「拳闘士の休息」の興奮冷めやらず、手に取る。変わらず、どうどうと迫り来る傷つき、痛みと熱と湿気を帯びたトム・ジョーンズ独特の語りに、また圧倒される。今作の舞城訳は好い意味で雑味が加わり、これもまた好い。鬱屈とした苦しみ、悩み、痛みといった事ごとをこのように描きあげる作家には始めて出会った。もっともっと読まれるべきだ、と勝手ながら偉そうにも強く、強く思うし、願う。

4日前

1d5586ae 5320 49a4 909a 337ef92532aaF060dddb 03e9 4547 8591 84afdcd4d7790857be53 5037 4f47 8418 6ec0d377595c89e302dc 61e2 4acf b97e bf2a8c22fa0e
ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

アニメで知り、世界観は伝わるのだけど、細部が読み取れないままだったので、原作も、と思い、読むが、細部とか設定とかはいいのだ。ブギーポップの存在感。それを感じ、ややも時代がかった学園の雰囲気とそこに通い、想いを交差するそれぞれ。読み進むスピード同様、過ごしている間は色、色なことに喜び、悩んだあっという間に終える三年間。ふと懐かしい匂いを嗅いだような気にもなった。ブギーポップも、ではあるが、早乙女をもう少し知りたかった。語って欲しかった。

約2か月前

Ac667a42 bd40 4b04 a08e cab0eb1c453685b0508e bc7d 47ed a968 8716313bbc4bB934f3c3 6e4f 4169 aafe e68cca8e583533fbc250 f88f 4cf3 8f3c a114298d0b8d3adcdca4 209b 4256 afec 2f1c2f7ddf1c69037ff0 d7eb 4202 a278 40e07b25472c
鉄塔家族

その時、その時において坂に直面し、その今において坂の急激さに息を切らし、もがきつつ、あえぐ。しかし、いつしかその今を長い時の中でなだらかささえ見出せるほどになる。なっていった。歳を取る、重ねる。人、ひとの生きてゆく様がある。揺さぶられるような刺激の含まれた物語ではない。のだが、残る。読んだことをたとえ忘れても、きっとこの本を読んだことで感じ得た何かは僕の中にきっと残っている。

5か月前

優しい鬼

声が響く。残響の最中、また新たな声が起こり、重なり合い、物語はとうとうと進み行く。 表紙や作中に差し込まれたピンホールカメラで露光され、にじみ出て来たかのように映し出された写真のように鮮明でなくとも、そこに在る、在ったことが確かに伝わる語りの重さ。 重量級である。そして、美しい。

7か月前

00a6cf1a c5e2 4331 ad04 f26bd088f9205da5fe40 923d 406d ba4b 08d3bd9465dd931bc4b3 9cb5 48bb bed7 5c071e9c434a89a2efea ff0f 4859 9ea7 084669af27bd
「やりがいのある仕事」という幻想

仕事。職業。または、それにまつわるアレコレ。 なんだか、違うんじゃないだろうか? 何かズレてきてはいないか? ふつふつと明言出来ずにいた様々な事がらが、この本の中に言語化されて在った。あぁ、おぉ。読みこぼすのがもったいなくて読み返し読み返し、読み終えるのに時間がずいぶんとかかったのだった。これから、今、かつて、仕事にたずさわり、仕事との向き合い方について少なからず思い悩んだ方、ぜひ、心構えとしてまず一読されたしと願う。

9か月前

00a6cf1a c5e2 4331 ad04 f26bd088f920988dedd6 ac3d 4f89 b0a6 a6358c72cf2e1aedee78 7991 4923 95bf ecf992e5f8f8670c22a2 0a21 4db2 b4b8 d73c34ddb858630f18eb 9648 4c9e b07b 1f79de355c499bd1b2c1 e7a2 4379 ad5a 7a12d0da13edC621b69e e0ae 4d54 8711 e222efe90d54 57
ヌヌ 完璧なベビーシッター

ヌヌ。耳に馴染みのない言葉である。フランスにおけるシッターの呼び名であるヌヌ。その一人、彼女。ルイーズ。 孤独とは一人であることを意味しない。ルイーズの孤独は勤め先である家族との重ねられた幸せなやり取りの、行き違いの中、深められ濃度を増してゆく。冒頭で起こる事件の凄惨な様相。被害者となった幼い子達。決して同情は出来ない状況なのである。が、加害者たるヌヌ。ルイーズの心情にどうしても寄り添いたくなる。その孤独は僕の心を胸をどうしようもなく痛める。苦しめる。 当然、わく疑問。なぜ?にはっきりとした応えも答えもない。ただ、そこには彼女、ルイーズがヌヌがぽつりと立っている。

11か月前

Icon user placeholderC1737d6c 78a8 4535 967a 3fd927417b76Icon user placeholderIcon user placeholderAc667a42 bd40 4b04 a08e cab0eb1c4536Bf0eeb91 a8ec 423d 83a1 d2f4867a2ca4D7b18a2b 1366 41cb 8ef9 38d4e9125133 14
火星に住むつもりかい?

「善良」な市民が有名、無名で叫び、告発する「偽善」と「悪」。それらは現実、テレビやネットといったメディアで私に見慣れた風景であり、改めて物語として読むと本当にムナクソワルイに尽きるのだが、だが、あえて伊坂幸太郎はそこにこだわる。こだわり、描き、問うている。自分に、読者に。 物語は終わるが、晴れやかな気分になりはしない。小説は現実を超えもするが、現実もまた小説を超えてゆく。暗たんたる気分になりもするが、それだけに終わらない光もまた残される。あとは、自分だ。ヒーローはいない。読了後、タイトルにうなずく。

約1年前

63b3dde0 ef38 44a7 9c82 cd2278ef13d5B2ad83d8 5ff7 47e9 99e4 d699b3b88da394914b67 7a67 47c2 a342 8f4efab80dedC930392e 6fb2 4fc8 ac04 049a9ab566d99b92c5df 953f 473f be92 1f218474893d0970f3da 8bc1 4a63 b77a adf191cda81aD58a0b0d e5d7 4b5f 843e 259541388591 155
ヤモリ、カエル、シジミチョウ

いつまでも、読んでいたかった。しかし、そうもいかない。季節は巡り、いきものたち、ひとも移ろい、変わってゆく。みにくいやうつくしいといった形容から離れ、ただそこここにいる、いないものとしてある生き物たちの物語。 たくちゃんのにっこりした顔(それは僕の想像するそれではあるのだが)が余韻として僕の頭の中に未だずっとある。はっぱと育美の愛には不覚にも涙した。

約1年前

5ccce948 fb39 470d b106 d50c34d573e1F92a09c0 8b7f 49ed 82a2 7eb73343c7975add06fa 3a81 4e51 a9cf 262f9b413794536e84d6 c9f3 4e6e 832a a91ecbf069a2Icon user placeholder39066682 b36d 4b57 b86d dfb07ffc2ec1D3e4c275 4ddb 4e6d 82d6 df5fe724e79e 40
薬屋のタバサ

並ぶのはなじみのある言葉なのである。ただ、それらが文章として物語として、さざ波のようにこちらへ寄せてくる時、ひやりとした感触とともに、どこか見知らぬ場所へ飛ばされ、迷子になってしまったかのような不安、不穏におそわれる。ややも気色の悪い、今の今まで触れられたことのない箇所、自分でさえも気づいていなかったそこに手をそっと添えられたかのようななんとも言えない気色の悪さと驚きに、読み終えて後、私もまた「放心」させられていたのだった。

1年前

Icon user placeholder1dd3e399 b5d3 4224 9dc5 70ecc74b483a0bf64941 7f34 4cc5 bb39 922fcdd175611525b978 75b4 4758 ae92 afa4d5728ad4E344ca04 c576 4479 85dc 7c3c83597ed4E6cc0404 6868 4c66 bd72 e2b13cbbbaf2Ecc9c7f3 65a4 449d 977a 76162a9b4794 12
テリ・ワイフェンバック The May Sun

クレマチスの丘 IZU PHOTO MUSEUM における展示 '' the may sun '' の図録。 テリ・ワイフェンバック、初の個展。展示数は決して多くなかったが、何度も見返し後ろ髪を引かれるように、もう一度、もう一度と '' the may sun'' '' the politics of flowers '' 二つの展示室を行きつ戻りつした今日。 買って帰り、ホテルで眺め、また眺める今。手元に残せたこの一冊はもうすでに宝物である。

約2年前

拳闘士の休息

モヤのかかったような空気。熱は高く、湿度も高い。ひしゃげた身体、しかし、研ぎ澄まされた意識。ゴウゴウと進む一つ一つの短編に圧倒される。これはいい。何だ、これは。とてもいい。次作、舞城訳も期待。

約1か月前

722c0bca 3b87 4156 94ec 10234f3745dd1d5586ae 5320 49a4 909a 337ef92532aaC60636bf be22 48e5 a535 a6350f936443B46867b6 d26f 44c3 9ff4 ea2fe9ea6135931bc4b3 9cb5 48bb bed7 5c071e9c434aAecedbc5 4380 43cc 8146 457c3d973756Db34276b 8c3b 41f2 a051 72931dcbf9ba 8
トーチソング・エコロジー (1)

なんだかんだ?で、僕はこの本すごい好き。届かなかった想い、生まれなかった命、歌声のように途切れては聞こえする彼女や彼ら。何しろ真太郎が、ものすごくかわいい。3巻完結、短いようで、しっかと、そして、とても心地よいお話。

2か月前

Icon user placeholderF2b823ae 546b 43be 8403 892c4423e57d
この世にたやすい仕事はない

ふと、ほうっと息を吐く。じわりと体に温もりが戻る。そんな印象を受ける一冊だ。外に歩き、行き交う人々、働く人達がその多くだろう。みんな、おつかれさまです。そういや、ぼくも。おつかれさん。 いろんな仕事がある。いろんな苦労もあり、楽しみも面白みもあろう。仕事は、何も一つっきりではないのだ。

5か月前

9e661d82 108e 4669 bc51 cad5e5d26250D50f2539 ebd5 4e29 9864 d294f89a05e9A2d0b282 e632 4433 97af bdf521d93f3e6279c3dc c4e6 441c 886d a8c1c7d5204a553d8f16 6dc4 4a4b 8f67 16cad9ed8348Dbbda5d6 8b9b 4f0b a41f 30a0557c1bac1525b978 75b4 4758 ae92 afa4d5728ad4 26
インディアナ、インディアナ

呼ぶ声と応える声。会話によって、少しまた少しとほぐれ、露わになる過去。ノア、オーパル、マックス、ヴァージル、ルービー。 一冊の本、故にはじまりはあり、おわりはある。のだが、この小説は少し面くらいながら読み進めるうち、もはや、はじまりはこの本を僕が読む以前より、あり。読み終えて尚、おわっては、いない。かのような、感覚を得る、し、感覚がある。 作中、序盤でヴァージルがノアに語る「五十パーセントの物語」。「たとえわかるのに人生の半分かかってしまうとしても、本当にそこにある」「五十パーセント」。 何かものすごく大切なことを受け取ったそんな気にさせてくれるこの本。また、遠からずのいつか。毎夜、少しずつ読み進めたい。

9か月前

C1737d6c 78a8 4535 967a 3fd927417b76Icon user placeholderBf05578a 4c3a 4749 9318 712a3fd31190F9a871c3 83cb 4026 a719 82192473f6ba931bc4b3 9cb5 48bb bed7 5c071e9c434a89a2efea ff0f 4859 9ea7 084669af27bd40d927c1 5800 4a3f b2de 5855a2651902 8
砕け散るところを見せてあげる

玻璃。無色透明な水晶の名を持つ女の子。そして、清澄。また同様に色に濁らない名を持つ男の子。 二人は人の悪意で濁りきった只中、唐突に出会う。出会った。互いに引きつけ、惹かれ合う彼らの描写は何とも微笑ましく、緩やかに物語は進む。しかし、当初見受けられた濁りが晴れゆくにつれ、また別のUFOと名付けられた濃い、あまりにも濃い濁りが徐々にその姿を露わにする。緩んでいた僕の頬は食いしばられた歯と歯によって固く固く引きつられてゆく。どうかどうか、どうか幸せになってくれ。二人で。今、思い返してみて不思議なぐらい、読み進める間、ずっと願い、祈っていた。 清澄。彼の願いは届いた。UFOは落ちた。そして、また彼。彼は生まれ、生きて父である清澄に代わり玻璃の名をもう一度呼ぶ。玻璃は蘇ったのだ。

11か月前

3c38a038 ffd2 4538 be9d 0b6c6d704a9c37e4dd88 bdfb 48ea ab2c 08d9513175a4416b6f36 7943 4b8c a077 7acbc57313c0933e980f d1eb 4661 943e ed28672596063c4caf3d 2806 4e18 b128 2c7b6cf7754d3ef80c12 d699 4f71 936c 83e0da095c3a42d19b64 15d7 43d8 9e63 49edecfd6673 52
セトウツミ 8

長い長い会話が続いた。全ては収束され、瀬戸と内海の物語は思いも寄らない場所に行き着く。見、聞きしてもスルー。そうだろう。しかし、見、聞き逃さず、拾い上げる「スーパースター」としての友。救いはあるのだ。 数多くの伏線が張られていたことに読み終えて気付く。ぜひ、一気読みを。そして再読を。人に貸したくなる漫画だ。そして、一度読んでしまったなら、手元に残したくなる漫画でもある。実際、僕はそうなった。人生初の全巻一気買いである。

約1年前

8800e290 f4c9 44e1 b56e ed78b16b4ace1f96cbef e9bb 4f22 9ad0 c1aa1bc56585Dd9d9983 7e58 4c31 acd6 08a034476b36
ハイキュー!! 31

熱戦は続く。前巻の田中と言い、今巻の北、西谷と木下と言い、中年男たる僕の目の下を何度涙で赤く染めるのか。刻まれる言葉、行動。それらは今日今からの僕の活力となる。 読んでほしい。まだ若いと呼ばれる人達に子達にぜひ読んでほしい。そして、願わくば手元に残し、すぐ読み返せる場所に置いておいてほしい。必要とかではないかもしれない、けど、この漫画にはとてもとても大切なことがたくさんたくさん描かれている。

約1年前

B537aa76 fc82 436c 94fd 2a26495086a710653d97 d23b 4dd4 976f 7eddc9e7ecb7Icon user placeholder4e509a26 9d20 4906 8bd3 d1be27424af4
光

暴き出す、隠す、光。そして、島と海。女と男。 映画化された記事と音楽 ジェフ・ミルズ⁉︎の文字に俄然、興味が沸き、買い求め、読み始めたのだった。 だからか、かの四つ打ちの重低音が規則的に鳴り続けるかの如くページを進め、進む。好きではないが嫌いにもなれない登場人物達。やがて、彼らの到達する地点は想像に易いと言えば易い。 とは言え、何かスゴイものを読んだ。そんな気にもなった。 原作を読むと映画はいいや、となりがちなのだが、これは映画も観てみたい。

1年前

05e7d16f a937 4cb4 b53b c35cba24dc711c192d6e 61c6 42de 9918 6738857c92eaF92a09c0 8b7f 49ed 82a2 7eb73343c797Ddf01909 15e6 4b9a 97a7 21e23fc58f1eB8c2e030 0301 4465 b70f 9864d0ec5538183ef138 2e26 409d b21e 97ffef78e28fB5d94167 26a9 4781 bc73 155aaaedbe8e 42
忘れられた巨人

記憶と忘却。記憶も忘却も私、貴方、彼、彼女による日常の営みであり、その記憶、各々の主観により様々に変容するそれら記憶は「事実」を「史実」に変える。 アーサー王という実在、不在が未だ解き明かされてはいない伝説の人物が亡くなってしばしの物語。 この物語、歴史の主観は誰のものなのか。語り部は?アクセル、ベアトリス、ガウェイン、ウィスタン、エドウィン、常に三人称の登場人物。最後の最後、唐突に現れる一人称。その存在。その役割。 示唆的な登場人物達と彼らの会話、行動は一読だけでは読み取れない意味が散りばめられている。いつかの再読必須。読み終えた誰かと語り合いたくなる一冊。

1年前

Ee29613b 0434 4882 bfe9 3fbc1b4e6238Icon user placeholderF42c9bc6 3205 4a7f a4d0 18cd6f5ef935Icon user placeholder70b53cd5 0841 43e4 82df 671dbc7b6a1c0970f3da 8bc1 4a63 b77a adf191cda81aIcon user placeholder 34
からくりサーカス 1

さあ、始まる。長い、長い冒険譚。遂に文庫化。 幾度も心を震わせ、そして奮わされてきたあの記憶。鳴海、勝、しろがね、そして数多くの光も影も濃く際立つ登場人物と人形たち。 歳を重ね、白髪も増えた。だけど、僕はきっと涙だって流し、そして、たくさん笑うことだろう。 既に次巻が待ち遠しい。

約2年前