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読んだなら、書こう、なるべくならば

読んだなら、書こう、なるべくならば

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コメントした本 ページ 2

第三帝国

第三帝国、かつてのナチス率いるドイツがうごめいた時代のヨーロッパを舞台にしたボードゲームとそのゲームのチャンピオンたる語り部ウド。 彼のバカンスの始まりと共に物語は動き出す。バカンスのためドイツ人である彼が選んだのは、かつて両親と訪れたことのあるスペインの土地、ホテル。 本来、開放的に日々の垢、澱を落とすはずだったその土地で彼は、またゲームのボードを開き目の前に戦争を展開する。 陽光あふれるバカンスの地において生っ白いウドの肌は異質を徴し、そして、ウドの対戦、また対話相手として登場する不穏な男〈火傷〉彼の肌もまた、その引きつりとかさぶたによって異質を際立たせている。 これは一体、何が起こりつつあるのだ?語り部ウドの心情同様にぼうばくとした不安を抱えながらも行き着く場所が予め分かっているかのような確信もまた握りつつ、読み進む。 読み終えて、しばらくこの物語の霧に未だ包まれたかのようでいる。妙な、ただただ妙な…今はまだそうとしか言えない。

約2年前

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ヤマネコ・ドーム

混血戦災孤児、GIベイビー、括られ方は様々なれど戦争と占領により生まれた子供たちの半世紀。終着点は東日本大震災。 晴れた夏の日に落下する彼。溜め込んだ濁りを定期的に爆発させる彼。そして呪いのように浮かぶオレンジという色。 ここかしこに放射能という不可視の恐怖を思わせ、示唆する場面、キーワードが描かれる。 「なぜ?どうして?」ずっと問われ、問い続けてきた声に答えは無いままに終わる。 いや、終わってはいない。その問いは私たちが応え、また私たちが問い続けなければならない。

約2年前

Xのアーチ

アチラと思えばコチラに。闇へ、光へ。黒へ、白へ。見失いそうになりながら、ようやくつかんだと思えば、もだえる、暴れる、震える、いななく。もう、ダメか。諦めそうになりながらたどり着いた火山の噴火口。そっとこぼれ、舞い、昇る名。 時間も、読む体力も確かに削られる。が、等しく、いや、分厚く塗り直される。それは否応なく。 スティーヴ・エリクソン。その幻視力、圧倒的。

約2年前

ウエストウイング

椿ビルディング。 もう、ずい分と古いビルらしい。暗く、湿った空気をまとい、取り壊しの噂さえある。 その建物の西棟、ウエストウィングに通い、働き、学び、する人達。ネゴロ、ヒロシ、フカボリ。 彼ら三人の語りを軸に物語は進む。三人三様に向き合う不安や課題は、身につまされるものがあり、想像される背景は常に灰色に暗く潰れている。 ただ、なんであろう。しんどくない。むしろ、最近の雨、続く天気に少し沈んだ気持ちから何とはなくすくわれたかのようでもある。不思議な小説だ。

約2年前

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ダンス・ダンス・ダンスール 1

破天荒かつ繊細かつ真剣、だからこそのバカ。突破する者の物語。まさしく、ビリビリ ビカビカ ドッカーン だ。 ジョージ朝倉、ここにあり。

2年前

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死神の浮力

前作「死神の精度」が、人の生への讃歌ならば、今作は死との、不条理との対峙。 山野辺の父、彼が先に逝く者として、父親として、息子に遺した一言が、ほんと粋だ。

2年前

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死神の精度

久方ぶりに晴れた日の光に目を細める老女の一言。何と美しいラストシーンだろう。 人の生への讃歌。それはただの時間だとしても。

2年前

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火の粉

何ともマッチョな結末 ! ある初老男性(子供も孫も実母の介護も妻に任せきり…)の父性?復権にまつわるお話。 武内の異常さよりも介護につくす尋恵周辺の話が印象に残る。

2年前

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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

18世紀のロンドン。 その設定につきる。

2年前

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素数たちの孤独

人と人はこんなにも近く、こんなにも遠い。一人と一人が一つであるかのように感じるその刹那、これ以上は近づけないことをも知る。 アリーチェのつぶやく、オーケイ、がひどく哀しく、その微笑みは、それが放たれた澄んだ空に相まって美しい。 数と孤独、素数の存在。数学とは実に文学でもあるのだということを改めて感じた。

2年前

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首折り男のための協奏曲

伊坂幸太郎は、誰かと話したく、語りたくなる小説を書く。 解説にもあるが、つながり、と、断絶にいつもながらほんろうされる。途切れるからこそ、つながりに目が向けられ、そして、そのつながりに、断絶によって生まれる謎めいた事ごとに様々な推測がよび起こさせられる。 首折り男と呼ばれる大藪と彼と容姿はそっくりなれど、性格はまるで違う小笠原。そして、時空のねじれの話。ああ、話したい。こうじゃないのかな?そうじゃないのかな?

約2年前

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日本人の身体

日本人の、と前置きはあるが、決して讃歌でなく、懐古論でもなく。著者の「現代人は自分の身体を気にしすぎるのではないか」という疑問から発せられる様々な提議と、かつてこうあった、そしてそうあれるはず、にまつわる様々なヒントが散りばめられている。 昨今の若さ至上主義?を打ち出す各メディアに疑問符しか浮かばない40代に突入した自分にとって「花」という考え、見方はとても響いた。

約2年前

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螺旋

トマス・マウド「世界の約半分の人の読書習慣を変えてしまった」正体不明の作家とその作家を探す旅に出る編集者ダビッド。 ゆったりと、しかし力強く流れて行く物語、魅力的な登場人物達と共に解った謎の作家の正体とラスト。久方ぶりに楽しくも素晴らしい読書をしたと言える一冊だった。

約2年前

箱崎ジャンクション

読後感は、鈍く、重く、苦しい。が、引き込まれる。決して気持ちの好い話ではない。途中で投げ出しても良い。にもかかわらず、そうさせない。いや、させてくれない「果て」からの語り、呟き。 「お客さん」 「川上さんよ」 「室田さんよ」 呼びかけの言葉、一つ一つが粘り気を帯びていて、頭に張り付く。

約2年前

地図と領土

ジェド・マルタン、ある架空のアーティストとその作品、彼やそれらを耳に目にしているような錯覚と現存するアートの潮流、市場についての描写にページをめくる指が早まる中、唐突に登場するミシェル・ウェルベックという本作品作家と同様の名と経歴を持つ小説家。 そして、事が、事は起こる。 「世界を説明したい」 その末に至ったジェドの表現。目にしてみたかった、が、既に目にしたかのようにも思えるのは何故だろうか。 他のウェルベック作品に比して、確かにとっつきやすい感はある、が、しかし、やはり、ウェルベックはウェルベック。その読み応え、半端なものでない。

2年前

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「悪」と戦う

かぎかっこ、 「 と 」 で括られた 悪。 悪とは常に「悪」なのだ。 自らが生み出したかぎかっこ、そして、悪。 それと戦うこと。「悪」と戦うこと。それは本来、他者と、ではなく、異物とでもなく、括った自分自身と、なのだろう。 警告である。

2年前

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うしおととら(1)

連載時は高校生だった僕もすでに40代に足を踏み入れた。 うしおの、とらの言葉に、振る舞いに僕は何度背を叩かれてきたことだろう。 未だに僕は彼らに憧れ、彼らのようなものになりたいと心から思う。 しかし、現実、僕は彼らの姿を、日々の喧騒で時に忘れる。 そうして、こんなはずでは、となり果てた自分に失望してしまった時。そんな時にもう一度、古く、日焼けし、ボロボロになりつつあるこの本を全巻読み直す。 何度だって読み返せるこの物語は僕の宝物だ。

2年前

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君は永遠にそいつらより若い

不穏に思える導入から、僕にも覚えのある学生時代が終わる間際のダラダラとしてはいても、何か焦燥感に駆られていたあのひと時の日々と共に描かれる物語には一筋縄ではいかない葛藤が常にその奥底に眠り、文面に、登場人物の一言一言にひきつけられ続ける。 何と凄みのある小説だろうか。 津村記久子おそるべし。おそるべしだ。

2年前

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パロール・ジュレと魔法の冒険

読み進めるうち様々に印象を変えゆくお話。 「わたしの声はもう透明な結晶になどならない。手垢のついた言葉をたくさん身につけてしまったから。」 時に、言葉は僕を依存させる、時に言葉は僕を服従させもする。 そしてまた、言葉は、とまた言葉に手垢をつけて僕はこのように取り留めもない感想を書いてもいる。 静かなようでいて、そのような衝動を起こさせる力のあるお話でもあるのだ。 文庫化された際に改題された「冒険」が、しっくりくる。

2年前

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想像ラジオ

かつて在った人々の様々、その現在を僕は僕の都合で作り出す。想像は想像である。それに浸る時間は、僕の現在たりえても、彼らの現在では決してない。 軽妙な語り口と文体で描かれる物語は生者と死者における厳然たる事実を僕に示す。 ただ、 それでも、なお そのような、つぶやきにも似た声。それもまた聞き取れるような。 この小説に対し僕はまだ判然とした応えが出せないでいる。

2年前

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