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しろいはなび

頼むからわたしの書いた小説を読んで下さい…

頼むからわたしの書いた小説を読んで下さい http://taskey.me/stories/9836648b84388c67c910?lang=jp 【2017.05.01~から記録開始】

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コメントした本

アクシデント・レポート

久しぶりにとんでもない小説に出会ってしまった。 645ページ、二段組。カバーを外すと黒光りする装丁。 1995年、大坂発東京行き大洋航空420便と東京発沖縄行き461便が空中で衝突し、乗客672人が死亡した航空機事故の関係者のインタビューを集めたという小説。 もちろん、この航空機事故は架空だけれども、それでも昭和平成の時代について語られ、とくに95年以降の日本について関係者の言葉を借りて、著者なりの時代の見方が透けて見える。 厚くて、小難しそうな本だし、読みにくいように見えるかもしれないけれど、そんなことはない。インタビュー形式なので一本一本の短編小説として読める。どのインタビューも、すごく迫力があるし、起承転結があるからすごく引き込まれる。 上手くまとめる言葉が出てこないけれど、とんでもない小説に出会ってしまった。 平成の終わりに、平成とは何だったか振り返る良い機会になった。

8日前

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トパーズ

読んでいて懐かしい気持ちになった。 バブルの頃の感じがというわけではなく、この理不尽で抑圧的な暴力や収奪によって主人公がボロ雑巾になりながらも、生命力だけはあって、空回りし続けるというストーリー、みたいなのって最近あまり見かけなくなったなと思ったから。 少し前、と言っても、10年前くらいに流行ったケータイ小説は、DVやレイプ、中絶、自殺未遂や不治の病などのこれでもかという悲劇が主人公を襲うストーリーが流行ったし、アニメもそういうのがたくさんあったような気がする。 SMクラブに勤める幸薄い感じの女性たちが酷い目に遭ったりする短編集。「ペンライト」という話がすごく面白かった。気が触れているような速度で疾走する女性たちの姿に共感できるかどうかで好き嫌いが分かれそう。 ちなみにちょっと色っぽい話なのかなと思って手に取ると火傷します。

約2か月前

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日の名残り

2017年に読んだなかでベスト3に入るくらいの面白さで、色々とコメントを書こうと思ったのだけれど上手くまとまらなくて放置してしまった。 ニュースで話題になっていたので母親も知っていて、貸したら「話しが重かった」という感想を頂いたということだけ記録しておこうと思う。 確かに重い話ではある。自分は大好き。

約2か月前

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泣くなら、ひとり 壇蜜日記3

ふだんは芸能人の書いた本は手に取らないのだけれど、壇蜜が書いた小説が所収されているとのことで手にとってみた。 - 壇蜜のことが気になったのはラジオ番組で「お尻が大きかったのがコンプレックスだったけれど、お金になることが分かってコンプレックスが解消した」という旨のことを発言していたことで、面白いことを考える人だなあ、と思ったのが理由。 - 目当てだった「光ラズノナヨ竹」という短編小説。交際していた男性に18万円を持ち逃げされた大学四年生の女性が主人公で、卒論を書くためのパソコン代を稼ぐために錦糸町のおっぱいパブで働くことになって・・・というストーリー。 - 確かに言葉選び、そしてリフレインされる(ないわ……)という言葉などは印象が残ったものの、十行~二十行おきに改行が入っていて、そのたびにシーンが飛ぶのであまりにも断片的だったな、という印象を受けてしまった。 - だからこそ、本人が書いている感じがしました。(なんとなく芸能人ってゴーストライターがいるイメージが・・・) - 日記は、彼女のイメージと違わず、陰のあるローテンションな文体でした。ただ、壇蜜の過去についてはほとんど知らないのだけれど、現在はたくさんテレビなどのメディアで活躍されているし、お仕事が無くなって路頭に迷うという感じでも無さそうだし、いまいち共感はできないところも多々ありました。

4か月前

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楽園のカンヴァス

原田マハ。学芸員の仕事をしてから文筆業になり作家になったという経歴が気になったので読んでみた。 ルソーの作品の真贋判定を中心に「あのころのパリ」と時代を行き来しながら話が進んでいく。 単純に読後感はすごく気持ち良く、散りばめられた伏線を回収し、前向きな気持ちでラストを迎えられる。それに、作品内世界の居心地も良いし、登場人物は可不足なく描かれている。 ただ個人的には物語の展開とか人物に隠された秘密はありがちというか、どこかで見かけたことのあるような展開を組み合わせているような印象を受けた。それはルソーについてもそうで、なんかどこかで聞いたことのあるような造形で、、、でも別に唯一無二の物語を描く必要は無いのかも、とも思う。 多くの人に受け入れられる物語(や展開、人物造形)というのは、それほど多くもないし、決まりきったものを組み合わせただけのものなのかもしれない。

5か月前

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サブカル・スーパースター鬱伝

「サブカル界隈のひとは40歳になるとうつ病を発症する」という吉田豪の持論をもとに、サブカル界隈のスーパースターにインタビューをする。 - まあ、典型的なミドルエイジクライシスというか、祭りが終わってしまったり、家庭環境が崩壊したり、仕事が無くなったり、親が死んだり、持病が悪化したり、それぞれのトリガーから鬱を発症する。 - 菊地成孔の章を読みたくて買ったようなものだけれど、だいたいこの手の話は既にラジオで何度も話している内容だったけれど、改めて読んでみると面白い。WANTED時代というか「東京大学のアルバート・アイラー」の頃にパニック障害を発症されていたようで、言われてみれば、精神病についての話題が多かったような気がする。 - そんな彼は、今では社長になり、若い衆を連れて、調子が良いのだから、人生どう転ぶか分からないものだ。 - しかし、その人生がどう転ぶか分からなさ、そして、遠すぎて見えなかったゴールが見えてくるようになる恐怖、そして、自分が築き上げてきた足場がいつの間にか脆く崩れ去ろうとする恐怖は、やはり発症に値するのであろう。 - ラジオでの軽妙な語り口に比べ、この本はちょっとずっしりヘビーな感じで、けっこうため息を付きながら読んでしまった。。。

5か月前

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月光の囁き (4)

拓也の親友の丸山くんを加えてまた植松先輩のようにひりつくような三角関係に…なるのかと思いきや、そうはならず。。。 - 一貫して丸山くんはストーリーのなかで、中立を保っていたから、この流れはどうなるのかと思ったけれど。。。ああ、そうなるのかあ、と膝を打つ感じ。 - SMの関係性にあっても、非常に普遍的な恋愛の一つの形に収まった。 - 本気で誰かを想い、その想いに応えてくれる関係性というのは、ありがちなようで奇跡だし、奇跡なようでありがち。だからこそ、物語になるんだろう。

6か月前

月光の囁き (2)

沙月を崇拝したい拓也と、拓也に愛されたかった沙月。両者は最初から両想いなのに、想う形が違うゆえに、延々とすれ違い続ける。 - 二人の憧れの先輩であった植松さんを交えての三角関係に突入するが、「お前は人の下におる振りして、人の上に立っとるんじゃ」と看破される。 - 沙月の拓也に対する嫌悪感と、それでもなお付き合おうとする関係性がこの、奇異な物語を安っぽくすることなく維持し続けている。 - しかして、異性の分身(櫛や髪の毛、靴下、体液など)を崇拝するということと、目の前の女性を愛するということの、隔たりは幾ばくのものになるのだろうか。

6か月前

踏みはずし

1番似ている作品はレオンかもしれない、。距離を置いて感情が排された描写に、哲学的な台詞、すごく雰囲気は良いけれど、なんか物足りなさというか、「結局、愛ってことなのね」な結論にはちょっとがっかりしてしまった。愛、大事だけどね。

6か月前

そしてやさしく踏みつぶす―料理人からSMの女王様になったアンナの愛のかたち

ユダヤ系カナダ人の著者は、トロントの中産階級に生まれ、モントリオールのマギル大学で哲学を勉強したあと、世界各国でシェフ修行に励む中、ロンドンでの友人との何気ない会話から女王様になる。 - 家族から離れたいという理由で上京をする者は男女問わず多いが、やはりカナダ人ともなるとそのスケールは大きくなる。 - 初めての著書だということで、相反する感情や、思いつきに書き残した章が残っていて、一見すると読みづらいが、その断片的な思考が面白い。 - とても刺激的な人生の一部を聞かせてもらっているようでわくわくしながら読める。 - だけれど、この本の良さを一言で説明するのは難しい。SMを基底としているが、SM以外の人生哲学やアフォリズムやツイートのような、著者を全体的に俯瞰する楽しさがある。 - もっと、この本を読む人が増えるといいな。

7か月前

勝手にふるえてろ

『どうして私は、失わなければそのものの大切さが分からないんだろう。完全に手に入ったままのものなんてないのに。どんなに自分のものにしたつもりでも、極端に言ってしまえば死ぬときになれば私たちはなに一つ持たずに一人で死ぬ。』 自分がまだ小さかったころに、学校の壁新聞で「芥川賞 最年少W受賞」の記事を見た時から彼女の名前は知っていたし、蹴りたい背中とインストールは読んでいた。けど、それほど記憶に残っていないから、当時の自分はあんまりぴんと来てなかったのかもしれない。(それよりも金原ひとみの刺激の強さが印象に残っている) 昔の自分が憧れていたものたちが、落ちぶれたりする姿をニュースで見かけるようになった。あれだけ日本を席巻していた名プロデューサーが、記者会見でしょぼくれて今にも自殺しそうになっていたり、あんなに良い曲を作っていた人が完全に狂ってしまったり、○○が引退したり… 良い意味でも悪い意味でも、「時が経った」と思わされることが多い。 綿矢りさの「勝手にふるえてろ」は、良い意味で時が経ったと思った。良い感じに肩に力を抜いて、さらさらっと書いたような軽い筆致で、コミカルに主人公が生きていた。あるシーンで久しぶりに小説を読んで噴き出してしまう、という体験をした。なんというか、頭の中に映像が浮かんでくるような、映画みたいな感じだった。 読んでいてとっても楽しかった。すぐに読み終わるしおすすめ。

24日前

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何者

2017年の最後の日に読み終わったのは「何者」でした。 朝井リョウはむかーしに情熱大陸でお見かけした後に、大学院卒業間近に友人たちと集まって「桐島、部活辞めるってよ」の映画版を見た思い出があって本は読んだことがなかった。 ひねくれ者の主人公が周りを冷めた目で観察していて「なーんか嫌だけどあるある」と思っていたら…と言う感じ。 自分の何者の話をしたいと思う。あれは大学1年生で、父親の友人がやっているライブの撮影をした時、ミュージシャンとして活動している大人を間近にして僕はビビったし憧れたし、いつかはああいうところの中の一人になりたいなって思った。 慣れないお酒を飲んでぽわぽわした帰り道、父親とラーメンを食べて帰ったのだけれど、父親に「何者かに…なりたい」ってうわ言のように言っていたのを思い出した。 そして、自分はあの頃憧れていた人間とはちょっと違くて、あんまりあの頃の自分に胸を張って見せられる自分にはなれていないなあ、とこの本を読んで思った。

約2か月前

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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

谷崎潤一郎の作品からマゾヒズム性が現れている6本の作品を収録。 - 少年、幇間、麒麟、魔術師、一と房の髪、日本に於けるクリップン事件。 - とても楽しめたのは最初の少年と幇間。 - 「少年」は、いじめられっ子の同級生、信一に家に遊びに来るように誘われる。行ってみると何といじめられっ子の信一が、ガキ大将の仙吉や姉の光子を家来のようにして、犬の真似をさせたり、足を舐めさせたり、顔を踏んだりするごっこ遊びをしていて、主人公はその妖しい遊びに誘われ… - というものなのですが、これが面白い。性行為というものを知る前の、性的な雰囲気のするごっこ遊びというのは妙にエロく、時としてとんでもない方に進み、その後の性癖を決定づけることもあるだろう。 - 実際にやったことがあるかどうかは別にしても<お医者さんごっこ>などはその最たる例だろう。 - この小説のラストで主人公は蝋燭で顔を塗り固められ、瞼も口も開かなくなって、ピアノの音色を聞かせられるシーンがあるのだけれど、ドチャクソエロかった。 - 幇間は好きな女の子に「ウソ告」をされて嘲笑の対象になるけど、それでも嬉しく思ってしまい怒れない悲しい男の性が描かれている。 - 谷崎の女性崇拝は、その崇拝する「女性」との<隔たりの深さ>こそが重要だったのではないかと思う。 - 「痴人の愛」でもそうだったけれど、自分が好意を寄せる女性にどうやっても振り向いてもらえず、邪険にされ粗雑に扱われても、それでもその女性のことが好きで好きで仕方がない、という精神性に興奮していたのではないだろうか、と思う。 - 簡単に手に入る異性よりなかなか振り向いてもらえないからこそ、恋の炎が燃えるというのは程度の差こそあれ男女問わずありがちなことなのではないだろうか、なーんてね。

4か月前

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猫のゆりかご

スローターハウス5に続いて2冊めのカート・ヴォネガット・ジュニア。日本に原爆が落とされた日、関係者達は何をしていたのかというノンフィクション「世界が終末をむかえた日」を書こうとしている主人公の話。融点が45.8度の結晶体「アイスナイン」が発明されたことを取材を通して知り… - なんだか最初は面白かったけれど、サン・ロレンゾ島に行く辺りから、他人から聞く「昨日、こんな夢見てさ~」という荒唐無稽さを感じてしまい、上手く物語の中に入り込めなくなっているうちに、大変なことになって、さらに大変なことになって、またまた大変なことになって物語が終わってしまった。ボコノン教信者的に言うと「目が回る、目が回る、目が回る」状態。

5か月前

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創作の極意と掟

ずっと小説を書いていたが、なんとなく自分のことが信用できなくなってきて、ちょっと辛い気分なので、小説指南本のようなものを手に取ってみた。 - 筒井康隆、さすが最近のものから古典のものまで数多くの小説や書評を読んでおられ、ちょっとしたブックガイドにもなっていて、筒井康隆好きには堪らない一冊だろう。 - ただ、自分は筒井康隆「懲戒の部屋」と「フェミニズム殺人事件」しか読んだことがなく、(なんでこのチョイスなのだろうか自分でも不思議だ)居酒屋で力士の悪口を言ったら延々と追いかけられる話だったり、通俗的なミステリだったりして、それほど面白さを感じていない。 - それと、なんとも、テクニックを重視しているというか、内なる創作衝動から、というよりも、あたらしい技法を思いついたからこれを試してみよう、という感じがどうにも苦手であまり… - いや、でも良いなあ、小説家。

5か月前

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辺境酒場ぶらり飲み

自分はいわゆる下戸の酒好きというやつで、お酒の味はもちろん大好きだし、宴会も好きだし、酒場の雰囲気も好きだ。ただ、自分が飲めるのは精々最初の一杯程度で、アルコールを胃に入れると、胃の活動が止まり、何物も受け付けないし、体調次第によっては強烈な眠気でどうしようもなくなってしまう。 - なので、一人で飲み歩いたりするわけではないけれど、「お酒、飲めるようになったら楽しいだろうなあ」という常々思っている。 - 「アルコールが飲めない人は人生の半分損している」とよく言うものの、やはり半分は言いすぎかもしれないけれど、いくらかの楽しみは味わうことができていないだろうなあ、と思う。 - この本は、東京の辺境の酒場を飲み歩くエッセイ漫画で、孤独のグルメ以降、こういう「未発見の東京」の再発見、みたいなネタは使い古されていると言われればそうなのだけれど、やっぱり楽しい。この本を読んだ時、戦後ジャズ史の研究本を書いたマイク・モラスキーの『呑めば、都―居酒屋の東京』を思い出した。 - 東京という街は、常に余所者がやってきては、更新に更新を重ねて「東京人は冷たい」などと嘯かれる土地なのだけれど、やっぱりきちんと歴史を重ねてきている土地だということを再確認させられる。 - この本を手に取ったきっかけは荒川強啓デイ・キャッチ!で藤木TDC氏がラジオで紹介していて、自分が生まれ育った足立区を始めとする東京東部、北部のエピソードがたくさん収録されていたからだ。やっぱりあの、人工化を免れた飾らない土地柄と、素朴な下から目線(ヤンキーが地べたに座って見上げるアレ)な感じが好きなんだな、って改めて思った。 - 初めて入るポイントは「見た目が汚い、店先の黒板や看板にオススメが書かれていない、早い時間に行くと気まずさをそれほど感じない、注文は「適当に」と言う」らしい。とてもタメになった笑 - せっかく鎌倉に住んでいる身なので、鎌倉に行きつけの酒場ができたら、かっちょいいな、なんてね笑(鎌倉が辺境かどうかはさておくとする)

5か月前

月光の囁き (3)

とうとう、沙月はそれまで妨げていた嫌悪感を乗り越えて、拓也の関係性に添うようになる。言ってみれば、拓也が沙月を望むような形に変えた、と見ることもできる。 - 「私、あなたの泣き顔見たらすごい気持ち良うなったわ。く…くくくく…もっと泣いて、ほんで私を、幸せにして」そう言って、彼を苛むように植松先輩との情事を見せつける。 - 彼ら彼女らの関係性の象徴と変化を、剣道の県大会という、少年漫画の鉄板シチュエーションに仮託して、物語っていく。 - トーレン・スミスという漫画英訳出版業の人の解説がすごく的を射ていて一読の価値がある。

6か月前

月光の囁き (1)

都内某所のSMバーのママのイチオシがこの月光の囁き。 - 剣道部の拓也は同級生の沙月に好意とも恋心とも崇拝とも性欲ともつかない、綯い交ぜの感情を抱いている。同じ剣道部のよしみで付き合うことになるが、彼女の靴下や髪の毛やちり紙や写真や体液を保管しているところ見られて、軽蔑される。 - 最近はネットの普及でフェティッシュなどは、とても気軽に消費されるようになったし、ネットスラングにも性的な要素が多分に含まれ、全体的にカジュアルになったが、フェティッシュな性的欲求が忌避されるものであるというのは、だいぶ懐かしさすら感じられる。しかし、このような傾向は昭和生まれにおいては残っているのかもなあ、とか。 - なんか、全体的に鬱屈した感じ、田舎、暴力、初恋、みたいな感じ、息苦しいの、わりと好きなような嫌なような、まだ一巻だからちょっと判断は保留。

6か月前

スローターハウス5

2017年の8月末日、北朝鮮の中距離弾道ミサイルが北海道上空を飛んで太平洋上に落下した。そのことによって今までにないくらい、戦争の気配が濃厚になったような気がする。911の時には対岸の火事のように見えていたそれも、いよいよ日本もまた戦争に巻き込まれそうになるんじゃないか、みたいな微かな不安がネット上で浮かび上がる。 - スローターハウス5は、ドレスデン爆撃を経験した著者の、フィクションとノンフィクションが交差し、「けいれん的時間旅行」によってそれを追体験する小説だ。解説に書かれていたが、今まで書いた小説の登場人物や世界観設定がそのまま引用されているらしい。 - 極めて著者に近いビリーという主人公が、戦前と戦中と戦後を行ったり来たりして、時に過去作の登場人物と会話し、過去作に出てきたトラルファマドール星にアブダクションされたりしながら、相互に影響を与えながら物語は進んでいく。 - 何かが死んだときに言う「そういうものだ」と言う決まり文句が、人間一人にはとうてい抱えきれない悲劇を経験したものにしか感じることのできない実感なのだろう。 - 空襲のシーンが動画の「巻き戻し」のようになり、爆弾が飛行機に収まっていくというシーンがとてもキレイで印象に残っている。

6か月前

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リップヴァンウィンクルの花嫁

岩井俊二といえば、「リリィ・シュシュのすべて」「スワロウテイル」「花とアリス」などの映画で、とにかく映像が綺麗で、抑圧された登場人物たちの咆哮が胸を打つという感じで、小説はどうなのだろうと手に取ったものの。。。 - 前半は、鬼女板のまとめ記事みたいに一方的な被害者の主人公が、転落していく物語。後半は、異界の人物たち――結婚式代行業者、ホテル清掃スタッフ、AV女優――と交わり、そして強くなった主人公がまたもとの日常に回帰していくというストーリーだ。 - 前半のSNSとスマホを駆使して「嘘の上塗り」で結婚を積み上げようとして破綻していくところも、後半の女優と箱根での奇妙な共同生活と愛、みたいなのも、邦画の鼻につくところを煮詰めたような感じがして、駄目だった。 - どれも上っ面だけをモチーフに使ってみた感じがする。(それは主人公の基本的な態度が傍観者であり状況への介入を徹底的に避けているからかもしれないが、彼女は一貫してドン引きし続けるだけだ) - 後半の箱根の屋敷編も、映像にしたらとっても綺麗なのかもしれないけれど、文章にすると、どうも書割っぽい、わざわざこのために作った舞台装置という印象を受けて、シラケてしまった。 - ただ、最後から二番目の章だけは、読んでよかったかもな、とは思った。 - - (安室って綾野剛みたいだな~と思って読んでたけど、映画版はまんま綾野剛がやってるのね) - (小説だと思って読んだからなのかもしれないけれど、映画の脚本として読んだら、それほど悪くはない)

7か月前

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