F4b211ea 0963 4178 92fe b51b494e5186

しろいはなび

【2017.05.01~から記録開始】

【2017.05.01~から記録開始】

30

コメントした本

東京23話

東京の23区、街自らがその土地で起きた出来事を語るという体のショートショート。 東京に関する豆知識がたくさんあって、楽しいっちゃ楽しいけれど、それだけにもっと一つ一つの区を掘り下げて長く書いてほしかったな、と思った。 もっとたくさんのことが知りたかったし、物語的展開が欲しいところ。。。

9日前

Icon user placeholderIcon user placeholderIcon user placeholder51e73e8d ff77 4f4a b1e2 bab946696d656b34f651 da9b 466f b85d edb25eb3c69b6fca94a0 527b 4337 9072 8f4558a8fbf558d7e5cb d480 4730 8e25 8720f33be4d7 23
甘美なる隷従

フランス書院というレーベルは目にしたことはあったけれど、手にとって読んだのはこれが初めて。 どうして手に取ったかと言うと、フォローしている読書好きの人が「良かった」と言っていたのと、猫町倶楽部という読書会?サークルの課題本になっていたということ。ネットが無かったら一生手に取ることは無かった本だろうと思う。ネット、素晴らしい。 出版社に勤務する美大卒の25歳のOL。イラストレーターになるという夢に挫折し、仕事にもやりがいを感じられず、完璧な彼氏のことは今いち好きになれない、幸薄く退屈な日々。 国立新美術館での企画展で展示されていたジャン=レオン・ジェロームの「ローマの奴隷市場」に不思議と魅せられ、立ち尽くしていたところに1人の紳士に話しかけられる・・・ というストーリー。官能小説だから、直接的な性表現も多いけれど、1人の男に魅せられて翻弄され屈服する女性の心理、みたいなものが驚くほど丁寧に描かれていて、ほど遠いところにいる自分でも、感情移入でき、最後は感動して目頭がじんと熱くなったものだ。 しかし、M女をしていた友人からとても似たようなエピソードを聞いたことがあるので、きっと東京のどこかでは今日もこのような物語が生まれているのだろうなあ…

13日前

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

ここ数年で、いわゆる「出会い系サイト」に対する印象はがらっと変わった。ほんの数年前までは、ネットで人が会うというのは、犯罪の温床になるというイメージがつきまとっていたけれど、最近はすごくライトな感じになっている。 自分の友人の回りでも、出会い系アプリを使って人と会ってきた、という話をする人はすごく多くて、話しぶりも後ろ暗い感じはまったくない。 仕事もプライベートも暗礁に乗り上げた著者が、マッチングサービスを使って、本を勧めるというブックソムリエのようなことを始め、その中で出会った人たちとの出来事を綴ったエッセイだ。 自分が著者に対して思ったことは、著者のように、次々と人に会って、その人たちの中を泳ぐようにして交流する、軽やかさ、瞬発力、みたいなものは、すごく羨ましいと思ったし、ある種のこれからの時代、みたいなものが象徴されていると思う。 それと同時に、「パッケージング」の大切さを感じた。つまり流動的な人間関係の中においては、一瞬で「その人らしさ」を伝える必要がある。だから著者は「セクシー書店員」と名乗り、書評を武器にして、渡り合えたのだと思う。(そして、そのパッケージングでは、自分が希望する人間関係を築くことができないことを知り、修正を加えていく描写もある) これからは、パッケージング、ブランディング、が人間関係を築く上での必須項目になっていくのかもしれない。

約1か月前

Icon user placeholder681f3b48 7b00 4a8e be2f 39f9ba5e45de59aed03c 4321 4f44 bae2 4edc9c4745812d8695e7 9833 4862 b000 99bd8e349576Icon user placeholderB8ff31e6 9267 4425 b36d 54e8ba13b68477db907f 6d60 44d4 bd37 cc879b2e586e 217
民宿雪国

架空の国民的画家、丹生雄武郎の評伝。 架空の画家の生涯と世間受け入れられ方を通して描かれるのは「日本とは何か」「芸術とは何か」という根源的な問いで、作中の人物の力を借りて時にはタブーに足を踏み入れていく。 民宿雪国は、文庫本で236ページという短さで、根源的な問いを明らかにしていくには短すぎたように思う。それは、作者がそれだけ一作に力を注げる時間的余裕が無かったのか、それとも彼の生み出した画家、丹生雄武郎が手を持て余してしまったからなのだろうか。。。 この作品を発展させ、ボリュームも圧倒的に増やしたのが「アクシデントレポート」なのだろうなあ、と思う。 それでも、二転三転四転五転する新たな事実に驚き、皮肉たっぷりに描かれる「芸術」はとても痛快だった。

4か月前

238468ea a244 42a2 9fcc 7b6adc3d6990Af663ff4 7637 486d 92ce ba17b8715718B44fe3cf 0581 4568 9cc3 7fd84a5f8243
勝手にふるえてろ

『どうして私は、失わなければそのものの大切さが分からないんだろう。完全に手に入ったままのものなんてないのに。どんなに自分のものにしたつもりでも、極端に言ってしまえば死ぬときになれば私たちはなに一つ持たずに一人で死ぬ。』 自分がまだ小さかったころに、学校の壁新聞で「芥川賞 最年少W受賞」の記事を見た時から彼女の名前は知っていたし、蹴りたい背中とインストールは読んでいた。けど、それほど記憶に残っていないから、当時の自分はあんまりぴんと来てなかったのかもしれない。(それよりも金原ひとみの刺激の強さが印象に残っている) 昔の自分が憧れていたものたちが、落ちぶれたりする姿をニュースで見かけるようになった。あれだけ日本を席巻していた名プロデューサーが、記者会見でしょぼくれて今にも自殺しそうになっていたり、あんなに良い曲を作っていた人が完全に狂ってしまったり、○○が引退したり… 良い意味でも悪い意味でも、「時が経った」と思わされることが多い。 綿矢りさの「勝手にふるえてろ」は、良い意味で時が経ったと思った。良い感じに肩に力を抜いて、さらさらっと書いたような軽い筆致で、コミカルに主人公が生きていた。あるシーンで久しぶりに小説を読んで噴き出してしまう、という体験をした。なんというか、頭の中に映像が浮かんでくるような、映画みたいな感じだった。 読んでいてとっても楽しかった。すぐに読み終わるしおすすめ。

5か月前

Icon user placeholder5b4b7c22 d274 4b47 a0c1 cf88966cf0018c6c3606 bd58 44fe b6f6 3b56d7da9a2d86a624fb 953e 4b91 92b8 52fd6a10e77dA9b1d7d9 5701 45cf 84e1 8d75a036696d434059f2 8e14 4a7f 8241 449baa9e3a909de8a6e9 8ead 4e7a 9fd1 811a28cd3db9 69
何者

2017年の最後の日に読み終わったのは「何者」でした。 朝井リョウはむかーしに情熱大陸でお見かけした後に、大学院卒業間近に友人たちと集まって「桐島、部活辞めるってよ」の映画版を見た思い出があって本は読んだことがなかった。 ひねくれ者の主人公が周りを冷めた目で観察していて「なーんか嫌だけどあるある」と思っていたら…と言う感じ。 自分の何者の話をしたいと思う。あれは大学1年生で、父親の友人がやっているライブの撮影をした時、ミュージシャンとして活動している大人を間近にして僕はビビったし憧れたし、いつかはああいうところの中の一人になりたいなって思った。 慣れないお酒を飲んでぽわぽわした帰り道、父親とラーメンを食べて帰ったのだけれど、父親に「何者かに…なりたい」ってうわ言のように言っていたのを思い出した。 そして、自分はあの頃憧れていた人間とはちょっと違くて、あんまりあの頃の自分に胸を張って見せられる自分にはなれていないなあ、とこの本を読んで思った。

6か月前

6bb79bd8 06d8 48ea b1cc 7c2be6637bfa63982b2d fdb9 4410 96d6 bf9ab231c71cIcon user placeholder9e5d4a7d 718b 4d22 b875 bf1c8279b936A432e0fd 517b 4039 a0a9 b1b5d5edcfd10baf0b90 877b 45d0 a026 38e29c59536aD6d204fd cd56 4370 a282 3fdd309cf024 95
谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

谷崎潤一郎の作品からマゾヒズム性が現れている6本の作品を収録。 - 少年、幇間、麒麟、魔術師、一と房の髪、日本に於けるクリップン事件。 - とても楽しめたのは最初の少年と幇間。 - 「少年」は、いじめられっ子の同級生、信一に家に遊びに来るように誘われる。行ってみると何といじめられっ子の信一が、ガキ大将の仙吉や姉の光子を家来のようにして、犬の真似をさせたり、足を舐めさせたり、顔を踏んだりするごっこ遊びをしていて、主人公はその妖しい遊びに誘われ… - というものなのですが、これが面白い。性行為というものを知る前の、性的な雰囲気のするごっこ遊びというのは妙にエロく、時としてとんでもない方に進み、その後の性癖を決定づけることもあるだろう。 - 実際にやったことがあるかどうかは別にしても<お医者さんごっこ>などはその最たる例だろう。 - この小説のラストで主人公は蝋燭で顔を塗り固められ、瞼も口も開かなくなって、ピアノの音色を聞かせられるシーンがあるのだけれど、ドチャクソエロかった。 - 幇間は好きな女の子に「ウソ告」をされて嘲笑の対象になるけど、それでも嬉しく思ってしまい怒れない悲しい男の性が描かれている。 - 谷崎の女性崇拝は、その崇拝する「女性」との<隔たりの深さ>こそが重要だったのではないかと思う。 - 「痴人の愛」でもそうだったけれど、自分が好意を寄せる女性にどうやっても振り向いてもらえず、邪険にされ粗雑に扱われても、それでもその女性のことが好きで好きで仕方がない、という精神性に興奮していたのではないだろうか、と思う。 - 簡単に手に入る異性よりなかなか振り向いてもらえないからこそ、恋の炎が燃えるというのは程度の差こそあれ男女問わずありがちなことなのではないだろうか、なーんてね。

8か月前

Ba706546 71cd 4fb6 b8b9 81c79853f1708f997df3 7220 420d 8e33 ee2e48d5a7faBb77a203 38d7 401d 989e 526a34e1cf3dF141ada7 da6b 44e0 91d2 123426028ab9
猫のゆりかご

スローターハウス5に続いて2冊めのカート・ヴォネガット・ジュニア。日本に原爆が落とされた日、関係者達は何をしていたのかというノンフィクション「世界が終末をむかえた日」を書こうとしている主人公の話。融点が45.8度の結晶体「アイスナイン」が発明されたことを取材を通して知り… - なんだか最初は面白かったけれど、サン・ロレンゾ島に行く辺りから、他人から聞く「昨日、こんな夢見てさ~」という荒唐無稽さを感じてしまい、上手く物語の中に入り込めなくなっているうちに、大変なことになって、さらに大変なことになって、またまた大変なことになって物語が終わってしまった。ボコノン教信者的に言うと「目が回る、目が回る、目が回る」状態。

9か月前

Icon user placeholderF1cbc8fe 8677 45c1 b00f 1bf7f89ad113C606d581 9cd3 48da a7e1 ad89eac82881Icon user placeholder5cd8c4cc 4698 4a53 8909 14f61ee9f86cD487fe1c d403 4567 8828 809aeb6f9869554b96f1 9ed1 474b 9112 2c20afdbee07 13
創作の極意と掟

ずっと小説を書いていたが、なんとなく自分のことが信用できなくなってきて、ちょっと辛い気分なので、小説指南本のようなものを手に取ってみた。 - 筒井康隆、さすが最近のものから古典のものまで数多くの小説や書評を読んでおられ、ちょっとしたブックガイドにもなっていて、筒井康隆好きには堪らない一冊だろう。 - ただ、自分は筒井康隆「懲戒の部屋」と「フェミニズム殺人事件」しか読んだことがなく、(なんでこのチョイスなのだろうか自分でも不思議だ)居酒屋で力士の悪口を言ったら延々と追いかけられる話だったり、通俗的なミステリだったりして、それほど面白さを感じていない。 - それと、なんとも、テクニックを重視しているというか、内なる創作衝動から、というよりも、あたらしい技法を思いついたからこれを試してみよう、という感じがどうにも苦手であまり… - いや、でも良いなあ、小説家。

9か月前

B3fd0ffa e716 4bd9 b3c4 c042a9d23124991211f6 14b3 41ad 8114 945c733adea8946140d9 9046 4d13 b82c c44db97059db200cef13 563f 4e85 b40c 9d1c0035d8a000a6cf1a c5e2 4331 ad04 f26bd088f920A2d0b282 e632 4433 97af bdf521d93f3e
辺境酒場ぶらり飲み

自分はいわゆる下戸の酒好きというやつで、お酒の味はもちろん大好きだし、宴会も好きだし、酒場の雰囲気も好きだ。ただ、自分が飲めるのは精々最初の一杯程度で、アルコールを胃に入れると、胃の活動が止まり、何物も受け付けないし、体調次第によっては強烈な眠気でどうしようもなくなってしまう。 - なので、一人で飲み歩いたりするわけではないけれど、「お酒、飲めるようになったら楽しいだろうなあ」という常々思っている。 - 「アルコールが飲めない人は人生の半分損している」とよく言うものの、やはり半分は言いすぎかもしれないけれど、いくらかの楽しみは味わうことができていないだろうなあ、と思う。 - この本は、東京の辺境の酒場を飲み歩くエッセイ漫画で、孤独のグルメ以降、こういう「未発見の東京」の再発見、みたいなネタは使い古されていると言われればそうなのだけれど、やっぱり楽しい。この本を読んだ時、戦後ジャズ史の研究本を書いたマイク・モラスキーの『呑めば、都―居酒屋の東京』を思い出した。 - 東京という街は、常に余所者がやってきては、更新に更新を重ねて「東京人は冷たい」などと嘯かれる土地なのだけれど、やっぱりきちんと歴史を重ねてきている土地だということを再確認させられる。 - この本を手に取ったきっかけは荒川強啓デイ・キャッチ!で藤木TDC氏がラジオで紹介していて、自分が生まれ育った足立区を始めとする東京東部、北部のエピソードがたくさん収録されていたからだ。やっぱりあの、人工化を免れた飾らない土地柄と、素朴な下から目線(ヤンキーが地べたに座って見上げるアレ)な感じが好きなんだな、って改めて思った。 - 初めて入るポイントは「見た目が汚い、店先の黒板や看板にオススメが書かれていない、早い時間に行くと気まずさをそれほど感じない、注文は「適当に」と言う」らしい。とてもタメになった笑 - せっかく鎌倉に住んでいる身なので、鎌倉に行きつけの酒場ができたら、かっちょいいな、なんてね笑(鎌倉が辺境かどうかはさておくとする)

9か月前

ヴァギナ・モノローグ

あらゆる職業や人種、年代の女性200人にヴァギナについて尋ねたインタビューをもとにした、一人芝居の書籍化した本。 ちょっと短い感じはしたけれど、とてもおもしろかった。

10日前

はい、チーズ

「耳の中の親友」-心の内なる声と会話をすることができる補聴器型の新製品「コンファイドー」を作った男は一攫千金の夢を見る… 「FUBAR」-重病の母親の医療費を稼ぐために閑職をやめられず、拗ねたように生きていたファズの元にある日、美人の新入社員が部下として配属されて… 「エド・ルーピーの会員制クラブ」-結婚式記念日に予約したレストランで街の有力者と喧嘩になり、殺人犯の罪を着せられ収監されてしまう夫婦の一夜の物語… などの短編が14編収録されている。去年、カート・ヴォネガットの、スローターハウス5、猫のゆりかご、タイタンの妖女(これは訳が合わなくて挫折…)などを読んで、普通ではない物語構成とアンチクライマックス的な展開に驚いたけれど、この短編集は、どれもちょっと不思議なアイディアと、技巧的なストーリーテリングに、素直にわくわくさせられる感じでどれも上手い。 喩えるなら、奇怪な絵を描くピカソのデッサンは驚くほど上手い、というあの逸話のよう。 どの短編も満足感があるし、なにしろ彼の引き出しの多さに驚かされた。

25日前

416b6f36 7943 4b8c a077 7acbc57313c0Icon user placeholder669272a3 d5ad 4b67 8f15 747942e207e20fdb4117 4db0 4540 8bc8 a7766ac432513428fc80 72e2 43b4 9753 356297cf4d9e21e37641 7996 47be 9cb5 52661b443210A8ab6c44 79dd 4f61 97bc b14007778e8c 19
愛される資格

面白いのか、面白くないのか、すごく難しい作品だった。 樋口さんの作品は、フィクションの力を借りてとんでもない境地まで主人公たちをプッシュアップさせて、どこに着地するんだろう、っていうワクワク感があって、その極北が『アクシデント・レポート』だと思う。あれほどフィクションの力を借りて、ガンガン突き進んでいく作品は無いし、虚実入り交じって、現実を飲み込むほどの作品は、そうそう無い。 と思うのだけれど、今作は氏の作品にしては、大人しいかも。と思った。 でも、読後に調べてみたら再婚相手についての半自伝的小説だと言っていて、それならこれもありなのかも。と思いました。長いラブレターとしてみると、わりと素敵なのかもしれない。

2か月前

アクシデント・レポート

久しぶりにとんでもない小説に出会ってしまった。 645ページ、二段組。カバーを外すと黒光りする装丁。 1995年、大坂発東京行き大洋航空420便と東京発沖縄行き461便が空中で衝突し、乗客672人が死亡した航空機事故の関係者のインタビューを集めたという小説。 もちろん、この航空機事故は架空だけれども、それでも昭和平成の時代について語られ、とくに95年以降の日本について関係者の言葉を借りて、著者なりの時代の見方が透けて見える。 厚くて、小難しそうな本だし、読みにくいように見えるかもしれないけれど、そんなことはない。インタビュー形式なので一本一本の短編小説として読める。どのインタビューも、すごく迫力があるし、起承転結があるからすごく引き込まれる。 上手くまとめる言葉が出てこないけれど、とんでもない小説に出会ってしまった。 平成の終わりに、平成とは何だったか振り返る良い機会になった。

4か月前

014253d4 6080 4951 9119 24735184a696F11603e6 7980 4853 ba71 c021c99f74ca84d1a374 bc29 4c2e b929 01982e9a9690
トパーズ

読んでいて懐かしい気持ちになった。 バブルの頃の感じがというわけではなく、この理不尽で抑圧的な暴力や収奪によって主人公がボロ雑巾になりながらも、生命力だけはあって、空回りし続けるというストーリー、みたいなのって最近あまり見かけなくなったなと思ったから。 少し前、と言っても、10年前くらいに流行ったケータイ小説は、DVやレイプ、中絶、自殺未遂や不治の病などのこれでもかという悲劇が主人公を襲うストーリーが流行ったし、アニメもそういうのがたくさんあったような気がする。 SMクラブに勤める幸薄い感じの女性たちが酷い目に遭ったりする短編集。「ペンライト」という話がすごく面白かった。気が触れているような速度で疾走する女性たちの姿に共感できるかどうかで好き嫌いが分かれそう。 ちなみにちょっと色っぽい話なのかなと思って手に取ると火傷します。

6か月前

50fa3f9e 695d 42e8 8d6d ba924f96c0ea68d8fac3 b51a 400d a18a 09238ebdeedbB63b7a21 ea34 4e7e 87ce 03a9e96bb849Icon user placeholder
日の名残り

2017年に読んだなかでベスト3に入るくらいの面白さで、色々とコメントを書こうと思ったのだけれど上手くまとまらなくて放置してしまった。 ニュースで話題になっていたので母親も知っていて、貸したら「話しが重かった」という感想を頂いたということだけ記録しておこうと思う。 確かに重い話ではある。自分は大好き。

6か月前

08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c02bc427b e16a 4e9f 9d83 03afe23c1733Ba875266 6514 44ef b47f 93d47ed7e6a01206b89e 3ffe 4f11 9473 6d7fc3fcda769b18d833 ff64 4461 98e0 418d0b78ed2aC07d85b9 2e90 4642 b39f 4d4ef960697eDae3efb3 9757 405d af65 5c0ce498b404 63
泣くなら、ひとり 壇蜜日記3

ふだんは芸能人の書いた本は手に取らないのだけれど、壇蜜が書いた小説が所収されているとのことで手にとってみた。 - 壇蜜のことが気になったのはラジオ番組で「お尻が大きかったのがコンプレックスだったけれど、お金になることが分かってコンプレックスが解消した」という旨のことを発言していたことで、面白いことを考える人だなあ、と思ったのが理由。 - 目当てだった「光ラズノナヨ竹」という短編小説。交際していた男性に18万円を持ち逃げされた大学四年生の女性が主人公で、卒論を書くためのパソコン代を稼ぐために錦糸町のおっぱいパブで働くことになって・・・というストーリー。 - 確かに言葉選び、そしてリフレインされる(ないわ……)という言葉などは印象が残ったものの、十行~二十行おきに改行が入っていて、そのたびにシーンが飛ぶのであまりにも断片的だったな、という印象を受けてしまった。 - だからこそ、本人が書いている感じがしました。(なんとなく芸能人ってゴーストライターがいるイメージが・・・) - 日記は、彼女のイメージと違わず、陰のあるローテンションな文体でした。ただ、壇蜜の過去についてはほとんど知らないのだけれど、現在はたくさんテレビなどのメディアで活躍されているし、お仕事が無くなって路頭に迷うという感じでも無さそうだし、いまいち共感はできないところも多々ありました。

8か月前

Fdb069c4 bb99 45e7 9099 ff17980e35deF38b0ab2 225b 497b 929b b01c0ba4658cIcon user placeholderC9bfa862 ee91 4a8b 89c7 3446bbeb21178aca6d4f 9dfc 44f0 81f0 4320d54176a98cca28e7 3536 41a1 a9f0 8621131a7ae6014253d4 6080 4951 9119 24735184a696 11
楽園のカンヴァス

原田マハ。学芸員の仕事をしてから文筆業になり作家になったという経歴が気になったので読んでみた。 ルソーの作品の真贋判定を中心に「あのころのパリ」と時代を行き来しながら話が進んでいく。 単純に読後感はすごく気持ち良く、散りばめられた伏線を回収し、前向きな気持ちでラストを迎えられる。それに、作品内世界の居心地も良いし、登場人物は可不足なく描かれている。 ただ個人的には物語の展開とか人物に隠された秘密はありがちというか、どこかで見かけたことのあるような展開を組み合わせているような印象を受けた。それはルソーについてもそうで、なんかどこかで聞いたことのあるような造形で、、、でも別に唯一無二の物語を描く必要は無いのかも、とも思う。 多くの人に受け入れられる物語(や展開、人物造形)というのは、それほど多くもないし、決まりきったものを組み合わせただけのものなのかもしれない。

9か月前

A4d658a9 0b4c 4ffc bb9f cecf9661a38459d0d424 be9f 49c1 82a4 2179ef6d51fc1d4f652d e730 441c 8537 35829ccdb427Icon user placeholder4cc37a3a 0138 4e78 9261 bcb569441276Icon user placeholderIcon user placeholder 87
サブカル・スーパースター鬱伝

「サブカル界隈のひとは40歳になるとうつ病を発症する」という吉田豪の持論をもとに、サブカル界隈のスーパースターにインタビューをする。 - まあ、典型的なミドルエイジクライシスというか、祭りが終わってしまったり、家庭環境が崩壊したり、仕事が無くなったり、親が死んだり、持病が悪化したり、それぞれのトリガーから鬱を発症する。 - 菊地成孔の章を読みたくて買ったようなものだけれど、だいたいこの手の話は既にラジオで何度も話している内容だったけれど、改めて読んでみると面白い。WANTED時代というか「東京大学のアルバート・アイラー」の頃にパニック障害を発症されていたようで、言われてみれば、精神病についての話題が多かったような気がする。 - そんな彼は、今では社長になり、若い衆を連れて、調子が良いのだから、人生どう転ぶか分からないものだ。 - しかし、その人生がどう転ぶか分からなさ、そして、遠すぎて見えなかったゴールが見えてくるようになる恐怖、そして、自分が築き上げてきた足場がいつの間にか脆く崩れ去ろうとする恐怖は、やはり発症に値するのであろう。 - ラジオでの軽妙な語り口に比べ、この本はちょっとずっしりヘビーな感じで、けっこうため息を付きながら読んでしまった。。。

9か月前

67eac746 bb24 4280 83dd 45fe895a7c8aBede488f eb09 4e91 9a54 e8af296f0c613fa75552 5f14 48ec a840 1c54033915b78ee69c4b 9816 4fe4 91b3 151990f89931
月光の囁き (4)

拓也の親友の丸山くんを加えてまた植松先輩のようにひりつくような三角関係に…なるのかと思いきや、そうはならず。。。 - 一貫して丸山くんはストーリーのなかで、中立を保っていたから、この流れはどうなるのかと思ったけれど。。。ああ、そうなるのかあ、と膝を打つ感じ。 - SMの関係性にあっても、非常に普遍的な恋愛の一つの形に収まった。 - 本気で誰かを想い、その想いに応えてくれる関係性というのは、ありがちなようで奇跡だし、奇跡なようでありがち。だからこそ、物語になるんだろう。

10か月前