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はやおき

くそねみ

くそねみ

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コメントした本

詩的私的ジャック

シリーズ過去4作の中では一番好き。「なぜ推理するのか」の動機に触れてるのがいいですね。なぜ犯人がわざわざ密室トリックを使うのか、についてシリーズでは度々言及されていたので、謎を解く側にもそういう「なぜ」を適用したのは良かったと思いました。

29日前

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ドグラ・マグラ (下)

うろうろと結末の周辺を彷徨うように核心を避ける下巻。ある意味広げた風呂敷をたたむのを拒んでいるみたいだけど、たたんでしまえば、それは「なぁんだ、夢か」で終わってしまうことを作家は知っていて、だから読者に夢を強いているんだと思った。それは脳で見る夢ではない。作中では細胞が記憶している、という言い回しだったけれど、それは科学では捉えられない幻視であり、やはり「魂」というものを考えなければ理解できない「夢」であろう。読者の魂が夢を孕むまで物語を駆動し続けた作家の筆のすさまじさよ。

1年前

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改訂版 雨月物語―現代語訳付き

数多の和漢の書物に通じ、教養深い知識人でもあった上田秋成ならではの、一流の伝奇小説。

1年前

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とりかえばや物語

田辺聖子は春風に進歩的な女性像を見ているようでそれらしい表現が見られたけど、当然平安時代にフェミニズムという言葉はない。作中では春風姫、秋月、この兄妹の振る舞いは「魔性のしわざ」とされている。魔性に囚われながら、春風は夏雲の情熱(悪い気はしない)や、彼との間の子供への愛着といった自分の中にある「本性」を捨てきれず、世を儚む。「本性」とは現代で言う性自認のような言葉ではなく、もっと深いところに根差した何かだ。魔性と本性の間で苦しむ悲劇だが、それを留まらない美と、物語としての魅力を、作者は確かに捉えている。

1年前

道化師の蝶 (講談社文庫)

物語の中で捕まった架空の蝶を、別の物語を通して解放し、また別の物語の中で産卵し繁殖させる物語になっている。奇妙な登場人物たちの、不思議な巡り合わせが、一匹の蝶=「着想」=想像の萌芽に至る筋道は、複雑ながら驚きと感動があったし、自分の中でも、そのような蝶が生まれ飛び立っているのだという想像をしてみるのも楽しかった。ただ「多言語で書かれた無数の小説」や「虫取り網」が何を象徴しているのか、「作者のいいたいこと」を掴もうとすると、途端に入り組んだ、難解な作品になる。3回通読したがよく分からなくて諦めてしまった。

1年前

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オブ・ザ・ベースボール

ライ麦畑から落ちかける子供たちではなく、ライ麦畑に落ちてくる老若男女。ホールデンは落ちる子供を捕まえるのではなく、落ちてきたものを打ち返す。キャッチャー・イン・ザ・ライならぬバッター・イン・ザ・ライ。いやバッター・オブ・ザ・ベースボール。野球ではないと散々本文で言ってはいるが。

1年前

すべてがFになる

やれやれ系ヤニカス男と鼻持ちならねえブルジョワ女が天才を褒めたり凡人を馬鹿にしたりしながら犯人を捕り逃がす話

29日前

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ドグラ・マグラ (上)

あまり言ってる人見かけないけど、夢野久作の文章ってすごい魅力的だと思うんですよね。語彙も選び抜いたという感じのフレーズが、時に生真面目すぎるほど、端正に並んでいる。とおもいきや、異質な、というかいっそ土臭い、そしてドキッとするほど妖しいカタカナが文体をかき乱す。それでいて、擬古文、新聞記事風、チャカポコ何でもあり。何度も読みたくなる文章というか。もちろん、内容もすさまじいですよ。

1年前

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聖アントニウスの殺人

革命前夜のフランスのスラム(フランスで何て呼ぶかは知らん)が舞台のサイコ・ミステリ。退廃的な街の描写が良かった。サイコ・ミステリらしく、犯人像に迫るところや、犯行の動機などは、微細な心理の動きをとらえている。 調べたらフランス革命が起きたのは1789年で、フロイトが生まれたのは1856年だそうだ。中世末期のフランスに、トラウマやコンプレックスのような精神分析の概念を持ち込んだら…という仕立ては面白い。作者も分かってやってるんだろう。確か「心理」という言葉は作中では出てこなかった。

1年前

Self-Reference ENGINE

時空が崩壊した世界では未来からの銃弾が過去の少女のこめかみを狙う。無茶苦茶だけど筆者は世界観を筋道立てて作っていて、だから読者も理解できるようになっているはずなんだけど、なんでしょう、こう、「ピンとこない」って感じだった。理解に実感が伴わないというか。 作中に空を四次元空間として認識できる少女が出てくるけど、そういう「目」、実際に見えるにしろ、想像の目で捉えるにしろ、そういう感覚があってはじめて、実感を持ってこの本を読めるのかな、と思った。

1年前

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人間の建設

岡潔がピカソは無明の達人であると言っていたのが印象に残った。本当に肝心なことが見えていない、分かっていない小さな人(つまりそれは私のことであるが)、その有様をピカソは忠実に写し描く、その絵の様子を、岡潔は「醜い」もの、小我に固執する迷妄だと厭った。小林秀雄にとってのドストエフスキーも、同じく無明の達人であったが「無明に迷わされないと無明をあれだけ書けない」という視線がある。『考えるヒント』ではロシア宗教史からドストエフスキーを読んでいたけど、対談ではそこまで触れていなかった。

1年前

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