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Seven

本を読みます。

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コメントした本

マチネの終わりに

愛故に互いに触れられない距離と時間を生きる時、そこに最も真実に近いものが現れることを、繊細すぎるほど丁寧な心情描写が描き出す。 「過去は変えられる」という概念と表現の尊さ、そして時として表出するその残酷さには、愛と救いを、そして寂寥の念を感じずには居られない。 美しい。 まるで詩か音楽を聴いているような、そんな心地よい感覚に終始満たされてしまう作品だった。 蒔野はギタリストだが、蒔野の奏でるクラシックの一つ一つように美しく正しい旋律を描きつつ、時に生温かい揺らぎを伴いながら二人の人生は紡がれていく。 物語の展開のベターさにも、クラシックのそれのごとく美しく整えられた一曲の調べを感じられた。 平野啓一郎氏の純粋な聡明さが滲み出している作品だと思う。 愛とはなにか。 クラシックを聴きながらそれを思いたい。

3日前

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夫のちんぽが入らない

とんでもない小説を書いたものである。 この話でどれだけの処女と、入らない女と、悩める人、死にそうな人、生き辛い人、愛を考えたい人、生と性に悩む人、自分を肯定できない人、罪悪感を抱える人、その他大勢の「普通とは何か」に不安を抱える人々が救われたことだろう。 人は痛みで生きていることを実感し、愛によって生を肯定できる。 こだま氏は全力で生き、全力で愛を掴んだのだろう。なんと強靭でしなやかで、しかし不器用な生だろうか。 読んでいると時々忘れそうになるが、 表題は「夫のちんぽが入らない」である。 なんて衝撃的な題かと思ったが、最後まで裏切られなかった。表題から終わりまで、ずっと衝撃的である。忘れられない一冊になった。

18日前

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まゆみのマーチ―自選短編集・女子編

学校という小さな社会は時に残酷である。 いじめ、不登校、自殺、 大学の講義でも暗い言葉が飛び交っている。 側から見たらそんな言葉で片付けられてしまう問題も、当事者からしたら地獄のような絶望であることもある。子どもとか青春とか思春期というのは、いつも感じやすく繊細なのだ。 大人はその社会の中には入れない。それはたとえ教師であっても、親であってもそうである。 そしてそれは、時に彼らの愛であると私は思う。特に暗い言葉で語られる社会においては尚更だ。 大切なものが傷つくところなど、誰も見たくはない。だから自分が傷つき傷つけられているところなど、傷つけられた傷跡など、見せたくない。 それは、自分が愛されていること、誰かの大切な存在であることを知っているからだ。 そんな不器用な愛に涙せずにはいられなかった。

18日前

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人間失格・桜桃

人間失格。 いつか読みたいと思っていたが、衝撃だった。 主人公はこれほどまでに傍若無人で、されど果てしなく繊細で、愚かしく、しかし美しい。かの太宰治とはこんなにもゴツゴツした文章を荒々しく力強くそして哀愁深く綴る人物だったのか。長く読まれ続ける訳である。 彼はおそらく、この「人間失格」を書かなければ生きていられなかったのだろう、だから生きる為に、他の誰でもない彼自身の為に書いたのだろう。そう思わずにはいられない。 太宰について一切詳しいわけではないのだが、 だから彼は作家というよりも、むしろ芸術家に近いのではないかと思う。 題名「人間失格」されど、どんな文章よりも「人間くささ」を、らしさではなく「臭さ」を感じる。 人は痛みを感じると生きていることを実感する。 強制的に「生」を実感させられる消えない傷をつけられた、そんな気分だ。

18日前

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天才はあきらめた

「山里亮太は天才だ。」 と世に知らしめるために書いた本だろうが!! と、言うために読んだが、やはり、山里亮太という人は天才だった。良い意味で。 天才というのが所謂「完璧な人」という意味で使われるのであれば彼はそういった類の「模範的な天才」ではない。 否、テレビや劇場の彼を見て分かる通り、彼の揚げ足取りや人の悪口に関する類い稀なワードセンスにはある種狂気的なまでの才を感じるし、それは天才の素養とも言わざるを得ないのだが、 しかし彼の天才たる真髄は、 他人の才能に嫉妬の炎を激しく燃やし、それを燃料にひたすら走り続ける。という最強かつ唯一無二の才を備えているという点である。 この本にはそのことがたっぷりと書かれているが、こんなことができるのはこの男だけであろうと思う。 天才と狂人は紙一重という言葉がある。 常識人な所を見ると、やはり狂人とは言い難い。 悔しいが、やはり山ちゃんは天才だ。 本にこんなタイトルを付けるあたり… 本当にタチが悪い。 だが私は、彼の才を愛して止まない。 だからこれからもその才を遺憾なく発揮し、周囲から嫌悪感を抱かれ、そしてまたそれを糧に大活躍してもらいたい。 なんてエコな人だろう。 応援してます。

11日前

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試着室で思い出したら本気の恋だと思う

全体的に印象が薄い。空気か、そうでなければ水か光のような、そんな小説である。 が、なるほど。尾形真理子さんはコピーライターだった。コピーライターが書く小説なのだから、あっさりしていて当然だ、と思う。 一応言っておくがこれは褒め言葉だ。 というのも、コピーとは「一瞬を切り取るフレーズ」だと思っている。即ち彼女の得意分野は、日常のきらっと光る一瞬を、文章ではなくフレーズで捉えることなのだ。 小説家や芸術家のような表現の力強さはそこにはない。必要ないし、むしろ邪魔なくらいだ。 敢えてもう一度言うが、こんなに印象の薄い小説というのも他にない。それは、5つの物語全てが本当に、ごく普通の、ありふれた女性たちの日常をただただ切り取り肯定したものだから、である。 しかしそれが難しいのだ。そんな平凡な暮らしの中にキラリと光る一瞬を見つけ、その一瞬だけを切り取り、物語の主人公と読者のありふれた人生と生活を少しだけ救い輝かせ、そして少しだけ幸せにする。 それをたったワンフレーズで完了させる。 それがコピーだからである。 誰もが「人生」という小説における主人公、 だからちょっとだけ胸を張ろう。そんな勇気をくれる、空気か水か光のような、ふとその優しい肯定に気づかせ、少しだけ前向きになれる小説。 まさにコピーのような、唯一無二の一作だと思う。

18日前

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いつか別れる。でもそれは今日ではない

悔しい。 読了後、真っ先に抱いた感想である。 ここまで自分の思想や価値観を真っ直ぐに屈託無く表現できるその文才。 こんな人物が本当に新宿にいるのか?信じられない。 確信した言葉がある。 「憧れは、傷つきたくない距離だ。好意は、傷ついてもいいという覚悟だ。」 第1節にこの言葉を認め、この本を買うと決めた。この感覚を持つ人が綴る本ならばその価値は確かだと思ったからだ。 F氏に会ってみたいと思い、同時に絶対に会いたくないとも思い、表現のその術と力に掻き乱された。 F氏に憧れ、そして素直に嫉妬してしまったわけである。悔しい。本当に悔しい。そして羨ましい。 だから自分が嫉妬される人間になるまで、私は黙って手と足と頭を動かしてやろうと思う。 貴方が信じ言葉に落としたその方法で、香り立つような色気を纏い美しくて愛される悪い女になってやろうと思う。 悔しい。だからこそ、私なりの宣戦布告である。 いい教科書に出逢えた。 絶対に超えてやる。

18日前

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