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暇人

本の感想を書く場を求めて

本の感想を書く場を求めて。 好きな作家は辻村深月、伊坂幸太郎、森見登美彦、似鳥鶏、吉川トリコ、西加奈子、皆川博子、米澤穂信などなど。 「読書する人だけがたどり着ける場所」も面白そうだが、「たどり着いた人だけが読める本」があっても面白そう。火山のてっぺんとかに。

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コメントした本

シーソーモンスター

どうしても、互いに憎みあわずにはいられない。 遺伝子レベルで刷り込まれているような『天敵』がいるとしたら、私達はどうするべきなのだろう。 バブル期と、2050年代の近未来。二つの時代を舞台に、「嫁と姑」「追う者と追われる者」の、憎み合う2組の軌跡を描いたエンタメ小説。 誰でも苦手な人というのはいるだろうが、彼らとどう関わるべきなのか、悩ましいテーマだ。 しかし、残念ながらこの作品には一つの問題点がある。 作中、話の本筋に関わらない、意図不明とすら思われるような描写がちらほらあり疑問に感じていた所、この作品は計8組の作家で作られた「螺旋プロジェクト」というものの一作であると、巻末に書かれていた。互いの作品へのリンク・関連がある、一つの作品群であるとのこと。 つまり、おそらく、同プロジェクトの他作品を読んで初めて意味が分かる要素もあるという事、らしい。 企画とはいえ、一冊で物語の世界が完成しないというのは、作品の完成度としてはどうかと思う。他の作品との統合性や同一要素の導入などをすると創作に制約があったとも思うし。 これを機に他のプロジェクト作品を読むべきかもしれないが、作者が80%の力しか出せなかった作品を8つ読むよりは、100%の作品を1つ読む方が良かった。残念。

1日前

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オリーブ―Girls & Boys

恋の病、という表現がありますよね。 本人の意思に関わらず突然陥り、治すすべもなく、熱が冷めるまでは苦しむしか無い。そんな所が確かに病気っぽいようです。 そんな病に冒された4人の男女が、取り繕った分別をなくして四苦八苦する。その様を俯瞰してにやにやしながら読めるのが、この作品です。 恋は病なので、相手だって選びません。理性では分かっていても、やめられない止まらない。 はたから見れば愚かにすら見える事も、本人達には真面目な事。恋って変。

8日前

超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス

主に家庭や夫婦生活に焦点を当てた短編集。 産婦人科の待合室で、何かの縮図のような人間模様を見たり。 若い夫婦二人が夜のドライブで取り留めもない話をしたり。 何年もぶつかり合い、ついには互いの事を「平面」のようにしか感じなくなった夫婦が離婚届を出しに行ったり。 ちっぽけな私達の日々の出来事、ささやかな揺らぎを丁寧に描写した一冊。

10日前

なにもいらない

長編恋愛小説。 頼り甲斐のある親友と、親友の優しい弟と、甘いものと可愛いもの。それらに囲まれすくすくと育った主人公は、自らをお姫様とみなすようなメルヘン気質。そしてお姫様は、好きなものはどうしても手に入れたくて仕方がない。可愛い小物や綺麗なお菓子にお金を注いでは、給料日前を塩おにぎりでやり過ごす日々。 そんな彼女が、初めて恋をしてしまった。それも、メルヘンとは真逆なバンドマンに。 というあらすじ。 お姫様というだけあって、主人公の言動は時にマリーアントワネットの如く、現実味がなくワガママな事も。それでいながら憎めないのは、子供のようなワガママさと同時に子供のような素直さ、率直さがあり、見ていて爽快だからかもしれない。 全体的にユーモアをちりばめながらも、真面目に恋に向き合って書かれている今作、何度も笑えて多少涙腺にきます。おすすめです。 主人公の親友が本当に良い奴。

21日前

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未来の手紙

ごめんなさい、同作者の「シロシロクビハダ」という作品が出てこなかったのでここに感想を書きます。そちらは講談社の本なので光文社には重ねてお詫び申し上げます。 主人公は不思議系天然女子、箱理。横暴な姉と勝気な弟の間でのほほんと生きてきた彼女は、化粧品メーカーに勤める研究員。そんな彼女のささやかな生活と、周りの人々との交流をゆったりと書いた作品。 血の通った登場人物達の描写が魅力的。謎の生物「タコリ」も出るよ。もし映画化されたら是非見たい、幸せな気持ちになれる作品。 別の本なので感想はこの辺で。「シロシロクビハダ」、登録お願いします。

24日前

校閲ガール

率直な印象として『校閲2、校閲以外の仕事4、ファッション関係のお話4』といった内容のお話。 ファッション雑誌の編集者になりたかったのに校閲係になってしまった主人公なので、ファッション関係に非常にうるさく、というかそれ以外でも常にうるさい。 そして校閲としての仕事を逸脱して「この文章は今時の読者に受けない」とか考え始めちゃう越権系女子でもある。困る。 上手く主人公に感情移入できれば破天荒な感じが楽しいかもしれない。ただし作中で具体的な名を挙げて自動車会社をディスったりする程度には口が悪いので、攻撃的な口調が苦手な人には向いていないかもしれない。

約1か月前

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遠まわりする雛

古典部シリーズの4作目らしい。人のコメントで知りました。 あの事件やこの事件の合間にこんな事があったのか、と思うと色々面白い。ホータローの友人(名前忘れた)の「こだわりすぎずにこだわる主義」やホータロー自身の「省エネ主義」が、恋愛関係の前に壁となって立ちはだかる。 もどかしい!付き合っちゃえよYOU達!!と思いながらも、まだ先は長そう。古典部四人の先行きが気になるいい本でした。

約1か月前

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折れた竜骨

米澤穂信の描くファンタジーミステリ。 中世イギリスの小さな島に、一人の騎士が訪れる。東方より来たその騎士は、魔術を操り人を害する『暗殺騎士』を討伐するために来たという… 不死の化け物、動き回る巨大な青銅人形、暗殺の魔術、といったキーワードが好きな人はちょっとワクワクするかもしれない。しかしご注意、この本はファンタジー「ミステリ」であり、むしろミステリメイン。ファンタジーを舞台にした特殊条件下の推理物語なのをお忘れなく。 血湧き肉躍る戦闘シーンもまあまああるから楽しめるよ。 個人的には「なんでや!なんでそんな選択してしまうんや!」と佳境のあるシーンで思った。読者に身悶えさせる作者らしい味わいだけど。

約2か月前

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かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

魔法少女やらアンドロイド探偵やらスーパーハッカー生徒会長やら学園牛耳る風紀委員会やらが出てくる、属性モリモリの話。とてもラノベっぽいが、そうでもない。なんと説明しようか難しい本。 SFであり友情の話でもあるんだろうけど、ちょっと要素がごちゃごちゃしすぎていまいち入り込めなかった感じ。最初はユーモアがあるが最初だけでラストはシビア?シリアス? なんとなくピンとこなかった。

約2か月前

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犬はどこだ

「犬を探そう」と心を決める所から始まり、「犬を探そう」と心を決める所で終わる小説。 もう少し具体的に書くと、迷子犬探し専門の探偵になろうと事務所を立ち上げた所から始まり、身の安全のため番犬を飼おうと決意する所で終わる小説。 さらに具体的に書くと、『失踪した女性の行方探しと古文書の解読を依頼された新米探偵がそれらの捜査を続けるうちに、全く別々と思われた二つの依頼に関わりがある事に気づく。果たしてその真相とは?』といった小説。犬はどこだ。 米澤穂信らしい苦い小説。ボトルネックよりは苦くないけど古典部シリーズよりは確実に苦い。にがいとくるしいは似てますね。

2か月前

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バーナード嬢曰く。

図書室の常連、町田さわ子(表紙の人)。 彼女はいつも小難しげな本を持っている。それは彼女が知的で賢い素敵な読書家……だと周りに見せたい人だから。 読まずして名作を語る、名文を引用したいがために小説に挑むなどなど、彼女は無茶な暴走を繰り返し、他の登場人物にツッコミを入れられ、時に呆れられ、たまに殴られる。 そんなちょっとマニアックな図書室ギャグ漫画。 最近「読書は廃れつつある文化なのでは?」と思う事もあるけれど、この本を読んでると笑いと共に「関係ねぇ!読みたいから読むんだ!ちょっと自慢したい気持ちもあるけど!!」と、読書欲をチクチク刺激される。Standのユーザーなら分かってくれるだろうか。 続刊も買います。

6日前

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いまさら翼といわれても

古典部シリーズ6作目。今回は短編形式で、古典部メンバーの日常を小粒なミステリと共に楽しむ作品となっている。 如何にしてホータローは省エネ主義者になったのか、伊原は漫画道をどう進むのか、データベースは結論を出せないままなのか、そして千反田はどこに行きどこに行くのか。 古典部4人の青春は楽しげながらいつも苦そうで、とても羨ましい。 余談だけど、古典部シリーズは2019年4月の時点では本作が最新作。シリーズ番号がタイトルに入っていないため、読了順が無茶苦茶になってしまった私のようなものを増やさないために、ここに順番を記す。 氷菓→愚者のエンドロール→クドリャフカの順番→遠回りする雛→ふたりの距離の概算→いまさら翼といわれても 7作目が待ち遠しい。

10日前

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島はぼくらと

瀬戸内海の島で暮らす四人の高校生が主人公の青春小説。 青春といっても、主な舞台は学校じゃなくて島。Iターンで本土から移住してきたシングルマザーや島の活性化に取り組む村長など、島の住人達との交流や小事件を描きつつ、四人が成長していく様を追っていく。 本作品では大事件は起きない。殺人もないし誘拐もない。あるのは『病院の無い島なのに急に子供の具合が悪くなり母親が助けを求める事件』だったり、『本土から来た自称作家が、島に眠るという幻の脚本を探しに来た事件』だったり。 でもその分、島で生きるということをより身近に感じさせる作品になっている。狭い島社会で起こる色んな良いことや悪いこと、両面を描きながらも、それでも「島はぼくらと」と言える思い。こういうのも青春と言えるだろう。 友達は100人もいらない。生涯の友が3人もいれば最高だろう。

16日前

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小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」

自他共に認めるドラえもんファンである小説家、辻村深月が書いた「映画ドラえもん」の小説。 月面探査記ということで、舞台は月・宇宙などなど。「月にはウサギがいるはず!!」と言ってジャイアン達に馬鹿にされたのび太君がドラえもんに泣きついて出してもらったひみつ道具、「異説クラブメンバーズバッジ」が今回の鍵になる。 『世の中の常識・定説ではない、異説として言われ続けてきた事を現実にする』という道具で「月の裏には空気があって、生き物が住める」という異説の世界に行き…といった内容。 映画の視聴はしていないけど、読んでいて情景が浮かぶような感覚がした。子供の頃に見たドラえもん映画シリーズのワクワクするような空気が滲んでいる。 久しぶりにドラえもんを観たくなった。

22日前

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リカーシブル

本の帯に「ボトルネックの感動ふたたび」とあったので警戒しながら読んだ一冊。 主人公はまだ中学一年生という若さで苦難に直面し、小学三年生の弟は弱虫で生意気で、引っ越してきた町は不気味。 読み進めるほどに曖昧だった不安の正体がはっきりとし、ついで主人公の現実にも危機が迫る。しかしボトルネックの時と違う最大のポイントは、「生きる意志の強さ」とでもいうべき力が今作の主人公にちゃんと備わっていたということ。 未来は不透明だし不安要素ばかりだけれど、作中の謎を解き明かす頭脳と根性と優しさがあるから、主人公はきっと大丈夫だ。強く生きてくれ。

28日前

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夢を与える

何小説というべきだろう。恋愛小説だろうか。 幼い頃から芸能界に浸ってきた主人公が栄光を掴み、そして墜落する物語。高く飛べば飛ぶほど、落ちた時のダメージは大きい。 印象的なのは、主人公が大ブレイクする前の方が総じて幸せそうだった所。旬のうちに多く稼がせようと仕事に忙殺され、季節の移ろいもあやふやに感じてしまうような生活は、辛い。しんどい。作中で描写されなかったお金が、見合った代価になっていればいいのだが。 スポットライトを浴び続けるということは、幸福なのか不幸なのか。読者の大半は舞台を眺める観客なのだから、その真実が分かることはないだろう。 墜落しても、生きている限り人生は続く。主人公が心から笑える日が来る事を願う。

約1か月前

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傲慢と善良

長編恋愛小説。 結婚に向けて順風満帆だと思っていた主人公の架(かける)だったが、ある日前触れなく婚約者の真実(まみ)が姿を消す。 彼は真実が過去にストーカーにあっていたと言っていた事を思い出し、「真実は攫われたのではないか」と考える。架は真実を探すため、彼女の過去を辿り始める。 といったあらすじ。 今作で何度も語られるのはタイトルにもなっている「傲慢さ」と「善良さ」だ。誰もが内心に抱える自己愛の強さと、決して悪意ではない善意がもたらした結果。登場人物たちがそれらを思い知らされる度、何度も心を抉られるような気がした。 人間のどうしようもない所を描きつつ、それでも前に進める力も示してくれる。私にとってこの作品はそういうものだ。 ちなみに、今作は辻村深月さんのデビュー15周年企画の一環とのこと。おめでとうございます。これからも応援してます。

約1か月前

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見ていないことにして

怖っ!タイトル違うやん怖っ!! ミステリ作家(かな?)似鳥鶏の書くホラー短編集。 『100億人のヨリコさん』でなかなかのホラー描写を見せつけた作者が、再び読者を追い詰める。 13の短編はどれもなかなかの作品だけど、特に怖かったのは『痛い』という作品。最後の『視えないのにそこにいる』も怖いけど面白くて好き。 何事もなく過ごしていた登場人物たちに、理不尽に襲いかかるホラー的存在。ホラーとは、日常の連続にできた見てはいけない裂け目なのかもしれない。 余談だけど、この本が気に入った人は「SCP」という単語で検索するといいかもしれない。本じゃないけど、怪奇な話に色々接することが出来るかと。

約2か月前

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緑と楯 ハイスクール・デイズ

校内トップの秀才である緑は、夫婦喧嘩の絶えない荒んだ家で安らげない日々を送っていた。 そんな彼が、「自分とは縁のない奴」と思い一方的に嫌っていたのが、男女問わず惹き込む魅力がある皆のアイドル的存在、楯。 ひょんな事から楯に惹かれていく緑が、自分の変化に戸惑い悩みながらも楯と親しくなっていく、そんな恋愛小説。 ジャンルとしてはBLになるのだろうけど、好きな人のちょっとした表情に喜び、不安になり、どうすれば好きになってもらえるかと煩悶する様子は普通の恋愛小説と変わらなかった。人が恋で悪戦苦闘する様を見てにやけたい、ラブコメ好きにはうってつけかと思われる。 時代設定は何気に2050年代の未来なので、SF的要素も所々あったり、物語の味付けに一役買っている。緑と楯は作者の他の作品に何度も登場している二人なので、今作が気に入った人は既刊本もおすすめです。

2か月前

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クロコダイル路地

読んだのは単行本版だけどこちらに感想を。 『フランス革命により身分制は否定され、自由と平等が広がった』 なんとなくそんなイメージを抱くだけだった動乱が、血肉を持って迫ってくる。 富裕な商人は「富裕である」という点で処刑され、知識人は特権階級であるから投獄。その狂乱の時代を、富豪の息子、貴族の従者、貧しい一市民の立場から追体験する。前半はそんな感じである。 一方後半からは、舞台と年代を変えて話が続く。革命期の傷、逃れられない過去を抱えた人々が絡むミステリ調の物語に。 長い小説だけど、没入感がある。楽しめた。

2か月前