Icon stand

ストアでダウンロード

Btn appstore Btn googleplay
4655aef2 4827 4d43 bb10 b2729db320fb

OZZY-ZOWプロジェクト

zen,minimalism

zen,minimalism

24

コメントした本

オールド・テロリスト

まずは一言。おかえりなさい。 最近の村上龍作品は今ひとつ食指が動かずだったが、久しぶりの『The・村上龍』な感じの作品。 だが、人によっては、『村上龍が村上龍の作品を真似て書いた作品』のように感じるかも知れない。 また、本作にカタルシスはない。 皆無ではないけれど、少なくともスカッと気持ちのいい終わり方ではない。でも、これでいいと思う。本作の主旨は、『このような世界であるとオレは考える。キミはどう生きる?』という問いかけだと思うから。 この爺さん達に、僕もまた主人公セキグチと同じ感情を抱いた。 この感情の正体は何なのだろう、と考えたら、本作と繋がりのある『希望の国のエクソダス』の、あまりにも有名な台詞が浮かんだ。 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」 希望の国のエクソダスが刊行されたのが2000年。あれから16年も経つというのに、上記の台詞のような状況は変わらない。寧ろ、よりホープレスな社会になりつつあるのでは?とすら思う。 では、それに対し、どのような行動をとるのか。 『希望の国のエクソダス』の中学生達がとった行動は、新しい国家の樹立だった。 テロリスト達が求めたのは何だったのか? 表向きにはゼロに戻すこと。ガラガラポンだ。この発想は本来テロリスト達のような富裕層よりも、若年貧困層との相性が良いように僕は感じていたが、作中で実際の行動を起こすのは、全く逆の富裕な後期高齢者だった。 作中、爺さん達の一人が若者を 「みな、死にたがっている。それに、死なないために何をすればいいか、知らない」 と評している。 作中では、生命力に溢れ、一度会ったら忘れられない程の強烈な個性を持つ老人達と、生命力も個性も薄い若者との対比が、何度も描かれる。 僕自身、身近な例として、90代も半ばの祖父の姿が思い起こされる。 彼は、とても元気だ。 しかし、時代の閉塞感と不健全感は、若者だけが感じているものではなさそうだと、祖父を見て思う。 鬱々とした社会に風穴を開けたい気持ちは、かの老人達にもあったのではなかろうか? そして、最大の問題は、では現実の我々がどう生き残るか、だ。

約2年前

0539a6e9 70a2 403b 8838 d3791f5468eeIcon user placeholder535ddb64 59c5 48a4 9632 94496d8206cbB8dc54fb 1533 4bbf 89c7 aa00a4e3db57496e01b1 3f27 48ce 8fd0 1098a96de46dEe751934 df40 4fe9 af13 98e2e9c1113f08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c 17
ぼくは明日、昨日のきみとデートする

実に平易かつ軽い、さらりと読めてしまう文章。 他の方もレビューしておられる通り、若干ネタバレ気味なタイトルで、察しのいい読者ならば、序盤で大体の展開は読めてしまうかもしれない。 しかしそれは、この作品が不出来であるということは意味しない。 『恋』という状態にある二人の、普遍的な心の機微がよく描けている。 物語の縦糸となる『謎』はありがちといえばありがちだし、その部分を期待してしまうと、物足りなさを感じるかもしれない。これは、『恋心』を味わう物語だ、と僕は感じた。 普遍的な恋を扱った作品は、読み手の状況によって受け取り方が変わるような気がする。特に男性の場合、色恋から遠く離れた日々が長くなると、こういった作品に対し 「スイーツ(笑)」 などという反応になりがちだし、以前の僕だったら、やはりそういう反応をしたであろうと思う。 しかし、様々な縁が重なり、再会し結婚までしてしまった妻のいる今、二人の感じた喜びや高揚、愛しさや切なさが 生々しいまでにリアルに感じられてしまう。荒唐無稽な設定の中で起こっているものとは思えぬ程に、感情移入してしまうのだ。 もしこんな事が僕と妻の間に起こったなら、僕は正気でいられるだろうか? 切ないどころではない。耐えられないだろうなぁ……

2年前

Icon user placeholder5820112f 2f45 4a4d 80cf b6fc071af19010564b91 97c1 4100 8782 a3cc949b205aIcon user placeholder48138974 905c 47b9 a3e9 30ba763f7e1e0539a6e9 70a2 403b 8838 d3791f5468ee9c4fc193 670c 4780 94b1 83749ea9a24b 274
さよなら、消費社会―カルチャー・ジャマーの挑戦

読後の感想としては、賛否半々。 この本を読んでいる間に、2つの映像作品が頭に浮かんだ。 「ファイト・クラブ」 「マトリックス」 の2つ。 ラースンの語り口は、ファイト・クラブのタイラー・ダーデンを思わせる。 過激で、挑発的で、しかし(僕のような反グローバリズム派には)実に魅力的だ。 いや、ラースンの年齢を考えると、タイラー・ダーデンがラースンに似ているというべきかも。 ラースンのフィルタを通すと、グローバリゼーション下の現代の社会に生きる我々は、まるで”マトリックス”の世界の人々のようだ。 手足と思考の自由を奪われ、広告やミームに脊髄反射するよう幼少期から洗脳され、決して満たされる事のない飢え(この感覚すらヴァーチャルなものだが)を植え付けられ、決められたエサを、満足には程遠い量だけ舐める程度に与えられ、さらなる渇望を焚き付けられる。 主張する内容自体には同意できる部分も多いのだけれど、カルチャー・ジャマー的な方法論に関しては、ちょっと眉を顰めてしまう。 正直、まっとうな運動というよりテロ的な印象のものも多いと感じる。 ブランド批判や生産拠点国に於ける児童労働や低賃金労働の問題等にも、同意はできるもののもう少しマイルドでありつつ効果のあるやり方はないのか?と思ってしまう。 グローバリゼーションへの個々人の抵抗として、僕が実際にやっていることは 「コレ以上必要か?」 と、自分自身や周囲に問いかける事。 ブランドを、必ずしも否定する(否定しない必要もないけど)必要はない。 ミームだろうが洗脳だろうが、自分がそれを「よい」と判断したことは確かなのだ。 ただそこで 「ソレは本当に必要か?」 「ソレは本当に自分を豊かにするか?」 「ソレが今自分の手元にくるまでの間にどれだけのコストがかけられ、どれだけの 『本来かかるべきコストの皺寄せ』を受けた人々がいるのか?」 「ソレを作っている・そのサービスを提供している企業は、世界をよりよい地平へ導く可能性が高いか?」 といった部分に意識を向け、OKな時には購入している。 こういう事を言うと家人には 「めんどくさい(そういう事を考える事も・そういう事を考えている僕のことも)」 とか、 「普通そんなこと考えない」 と言われてしまうのだけれど… 手放しでオススメできる感じの本ではない。 著者が振りきれちゃってる人なので、ちょっとついていけない感もあるし、“緑のお豆”とか“海の番犬”とかとの繋がりは個人的にとてもマイナスなイメージもある。 ただ、所々の主張(現代のフェミニストの問題等)には鋭いものもあったりで、鵜呑みにしたり、逆に全否定したりしないで、距離を置いてフラットに読むと、新しい視点の獲得の一助になるかもしれない。

2年前

異性

「八日目の蝉」の角田光代と、現代歌人、穂村弘の往復書簡型エッセイ。  以前穂村さんの「もしもし運命の人ですか。」を読んだ時同様の、恋愛における男のアホめんどくさい「あるある」と、角田さんの語る、女視点の「めんどくさあぁぁぁぁぁ!!」が交差する。  「女は変化をおそれ、男は固定をおそれる?」の章で角田さんが  「女性は嘘でもいいから『変化しない』と言ってほしい」  と語っているが、同様の事を女友達が言っていたなぁと思い出した。  ご婦人方にとってはこの感覚は「あるある」なのだろうか?  実のところ、僕も嫁に 「(俺が)幸せにしてやる」 的なことを言ってやることが、どうしてもできない。 故に、一度も言っていない。  この感じは、多分角田さんの言う「嘘でもいいから」なんだろうけれど、本当に本気であればこそ、本心でない言葉を、甘い飴玉のように与えてあげることに躊躇してしまう。  そういう事ができる男というのも、世の中にはいるんだろうなぁ…と思いつつ、やっぱり自分はできない…  この感じは、きっと穂村さんにはわかってもらえそうな気がする。  男の不実さ、女の不可解さに『あ゛ーーーーー!!』となっている男女の皆様、イマドキは、こういういい教科書がありますよ。

2年前

E153f4f1 5633 42a2 9622 6364109e0147PictureE4f9a33d 0ee5 4e1d 9973 331e43dd85d22fda01a9 7556 466c bf92 75dc28b01e91Dc572550 0c2f 4682 99e5 ca727433547aE16dc11b 7f06 44e2 878a dbdbe3eb97acC530744c 7317 4d52 9835 1d90a25d9dc4 19
比較文化論の試み

再々々々々…読。 書籍流が起こる程の蔵書をほぼ全て手放し、現在残った10冊強の蔵書の中の一冊。 同じ山本七平先生の「『空気』の研究」と共に、愛読書といっていい一冊を、久しぶりに再読。 もう何回読んだやら…ではあるが、自分自身の考えが絶対であるとか、なにがしかに固着して考え方が凝り固まってきたなと自覚すると、読み返して自分を見つめ直す、精神安定剤ならぬ「思考安定剤」のような、僕にとっての常備薬である。 本書を一言で言えば 「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな(略して“おまそう”」 だ。 一人の人間が「普遍である」と考え、感じるものも、時代や社会の影響を受けてのものであり、古今東西普遍の価値観など、存在しない。 寧ろ、「普遍である」という無自覚な驕りと、「良かれと思って」行われる善意の強制は、実に問題であり、相手ではなく自分しか見えていない。 平易な文章かつあとがきを含めても99ページという分量なので、読書の習慣のある人なら、サラリと読めてしまうだろうけど、寧ろしっかり咀嚼し、自らと照らし合わせて読むか、サラリ読みなら何度かことあるごとに読み返すと良いかも。

2年前

もしもし、運命の人ですか。

Standのオススメから。 沢山の「あるあるwww」と「ねーよwww」に彩られた、恋愛という土俵上で、オトコという生き物がどれほど アホめんどくさい 事で頭の中をパッツンパッツンにしてるかがよくわかる一冊。 個人的には、『「姉」マニア』の章の「妹」タイプの女子の描写に ウチノヨメノコトカー!Σ(゚д゚lll) と、激しいあるあるを感じた。 (あれを鬱陶しいと感じるか、可愛いと感じるかは、自分側に「お父さん」「お兄ちゃん」属性があるか否かかもと思う) 女性で、恋愛要素のある創作物を書くひとには、資料としてもオススメ。

2年前

014253d4 6080 4951 9119 24735184a696Icon user placeholderC218082a 83f0 4c03 a4d0 435a80a6c0da5efbc12e e565 4bbf ad47 52662f6c5b5f458c1e90 0f5f 47a6 9e44 bbce7cd6600b5dbe0e4b bc3f 440a b73e c5fedd4f340fE9d81ec0 077a 4870 a83b 5c2ce825d837 12
他人と比べない生き方

以前レビューした諸富祥彦 著「人生を半分あきらめて生きる」とあわせて読みたい一冊。 ”合言葉は「期待しない・期待しない」” ”「こだわり」を捨てる” ”「英語の勉強」をキッパリやめる” ”「結婚」に幻想を抱かない” ”「失ったもの」を見続けない” 見出しだけで実に良い感じの脱力感を感じる。 「期待しない」事の大切さ、「こだわり」の危険とバカバカしさ 「あなたも正しい、私も正しい。どっちも正しい」という気付き 等々、著者は違うが、「人生を〜」の実践編のように感じる部分が多々あった。 こういう考え方や生き方が一定の支持を得るようになったというのは、良いことだと僕は思う。 成長期の国であれば、イケイケドンドンでもいいだろう。 しかしこの国は最早成熟国家であり、今後急速に(文字通り少子高齢化という意味でも)老いていく国でもある。 それ自体は、悲しむべき事でも嘆く事でもない。 国も企業も、無限に成長するもの、成長しなければならないもの、と考える事が、根本から間違っている。 アポトーシスが作用せず、成長し続ける細胞は、ガン細胞だけだ。 老い(自分自身のみならず、自分が所属するコミュニティや国家も含む)と衰えを受け容れ、できないことはできない、あきらめるべきことはあきらめていく。 それは、決して後ろ向きな逃避ではない。 衰退局面での、立派な生存戦略である。

2年前

トリツカレ男

このアプリの、まさにこの本のエントリの皆さんの感想を見て興味を持ち、図書館で借りて読んだ。 とても純粋で、美しく、そして爽やかな物語。 いしいしんじさんの本は初めて読んだが、平易な文章で、こんなにも豊かな物語を描く人がいるのか… 自分の稚拙で無駄の多い文章が恥ずかしくなってくる。

2年前

96b36c63 1597 423c 8ee0 6c7e0309275b9cb5d531 ec86 41de 8da4 8e41f4518809D6ad3910 da2b 4fd4 87cb 8fee25fff124Afd0a422 fc24 41e9 a898 ade70f044fd42e09f365 42dc 471b b4a6 ad9c7a0568fcA7b615e2 7ac1 4e8a a3af abd9564c83acDd517400 d168 4f5d 875b 2fac2998dcd2 64
ふがいない僕は空を見た

田畑智子ヒロインで映画化ということで、観ようとおもいつつ観れないでいたので、原作を読んでみた。 ままならなさ、閉塞感、抜け出したいと切に願いつつ抜けだせない膿んだ日々。 その中で、足掻いて踠いて傷に、泥に塗れ抵抗する彼や彼女達。 本書は、プロレタリアならぬプレカリアート文学だと思う。 この国が階層社会である事は、最早殆どの人々にとって既知の事である。 「ありのまま」の甘い夢もいいけれど、苦くて辛くてしょっぱい現実に目を塞がずに現実を生きねば…

2年前

Icon user placeholderIcon user placeholder3a12060b 4cd8 48ec 9733 fdbcc60eb8aa946140d9 9046 4d13 b82c c44db97059dbEc679746 fc9c 4986 84d1 d548053f0ab4087bcd6b 9bac 4ee8 8cf0 a8bb23b811ed81b325a4 3128 49d4 b65f 14c97e51ba57 88
「他力資本主義」宣言: 「脱・自己責任」と「連帯」でこれからを生きていく

「あたま」でなく、「からだ」、「こころ」が感じる快不快や、直感・体感的、感覚的なものを、軽視してはいかんなぁ…と思う。 定義やカテゴライズしたがる癖があることを、この国の人々はもっと自覚的になった方がいいと思う。 誰も幸せにしない我慢大会、もうやめませんか?

2年前

小児科医、海を渡る―僕が世界の最貧国で見たこと

個人的に国境なき医師団へ月々定期的に、国連のShare the mealキャンペーンにアプリ経由で気まぐれに散発的にドネーションを行っているが、寄付を行うにあたり、悩みの種となるのが支援先となる機関である。 アヤシゲな団体は論外としても、名の通ったNPOや国際機関であっても、叩けばホコリの100や200は出てくるものだ。 数多の選択肢の中から、より自分の関心に近く、よりマシ(に見える)団体を選択しなければならない。 翻って、実地の活動を行っている団体側としても、清廉かつ潔白な活動を行おうにも、様々な「大人の事情」により難しいくなるようなことも恐らく生じるのだろうことは、少し想像力を働かせればわかることだ。 国連への支援を長らく迷い、上記アプリを見つけて少額からの支援を始めたのも、僕の頭のなかでのこの2つの理由の鬩ぎ合いの均衡が解け、『とはいえ何もしないよりはマシだ』と判断されたからだ。 本書はタイトル通り、一人の小児科医が海外青年協力隊に参加し、アフリカはマラウイの病院で膨大な数の子供たちの死を目の当たりにし、あまりに多すぎる死に麻痺していく医師自身や、本当に必要な場所に行き渡らぬ支援や、『支援漬け』になって自助力を失ってしまう国、各機関の政治的な問題等々、まさに「その渦中に居た人」の視点で描かれている。 読前の予想通り、読後はやりきれぬ気持ちになったが、それでも、なにもしなければゼロなのだ。 数千円でも数百円でも数十円でも、小数点以下が何十桁になってしまったとしても、ゼロではない何かが世界に積み重なるのだ。 ならば、意味はある。 こういった書籍は決して少なくはないが、この手の本は読んだ後が大切だ。 ただ遠い国の出来事に美しい涙を流すのではなく、自らにフィードバックを行いたいところだ。 飢えることなく高水準の医療を低額で享受できる自分の境遇を、改めて有難いと思い返すも良し。 現在の支援先を精査し、おかしいと思ったなら意見を出したり他の支援先を探したりするも良し。 自ら直接的な支援を行おうと立ち上がるも良し。 ただ憐憫や義憤を消費する為に読んでしまうのは、少々もったいない。

約2年前

本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする〝読自〟の技術

ライブドアの前身、オン・ザ・エッヂの元取締役、オープンソースプログラマーにしてブロガーである小飼弾による2013年2月発行の、小飼弾による ”読自” の指南本? 本読みとしてはうんうんと頷く部分あり、『本に読まれないこと』という指摘は、過去に身に覚えがあり、今でもややもすると陥りがちな為、良い教訓となった。 また、『批判しながら読む』という薦めも、”人の話は話三割” を世渡りの指針としている僕には得心の行くものだった。 故に、存分に脳内で批判をしつつ、「いやいや、僕ならこうする」と考えながら読み進めた。 最も刺さったフレーズは 「ほしいものを手にするということは、それが固有名詞になるということです」 の部分。

約2年前

Icon user placeholder23b73310 d866 4f56 8674 cd0a6800d593F58430f1 de0e 47fc af25 b336342c4be9B0107b7a f449 4a64 a939 34a41ef6c6328f09626d b87f 4391 b987 daee56b364db
被差別の食卓 (新潮新書)

先ず、本書に限らずどんなルポルタージュも、筆者のフィルタを通して見た”真実” であり、どんなものでも「話三割」で割り引いて見聞きすることを意識した上でページを開いた。 ”フライド・チキン” 、ことに手羽先を使ったソレのルーツがアメリカ南部の黒人達のソウルフードであることは結構知られていることではあるが、フラジルのフェジョアーダもそのルーツを被差別民の食文化に持つとは知らなかった。 ”あぶらかす” にしても ”さいぼし” にしても、最早食材の表舞台に上がって久しいし、遡ってみると「実は...」というものは、結構あったりするのかもとも思う。 「食」と「階層」は、実に密接な関わりを持つ。 例えとしては少し違うかも知れないが、英国では上流階級と中産階級では、入る店もレジャーも学校も、何もかもが違う。 日本でも、有名私学の”お受験”とやらでは、家の経済状態のみならず、父母の出自やら何やらも考査の対象とされるとか… …人の上に人が作られっぱなしの状況を、万札の顔の翁が存命であったらどう考えるのかはさておき、現代の本邦においても「階層」は存在する。それはもう、間違いなく。 表向き人種・出自による差別のなくなった現代だが、やはりそういった「◯◯ならでは」の味というものはあるのだろうし、その一部は ”あぶらかす” や ”さいぼし” のように、一つの食文化として脈々と生き残り続けるのだろう。 ハリネズミを食するロマの臨在感と穢れの発想は、説明されれば頭ではわかるものの、かなり独特で、興味深く読んだ。 オマケとして、高校時代に愛読していた山田詠美のエッセイに出てくる「チトリングス」がどういうモノなのか、約四半世紀の時を経て知ることができた事が、少し嬉しかった。

2年前

7fbd141b a4c6 46c9 905c 8d70bd065902Bede488f eb09 4e91 9a54 e8af296f0c614f0ea177 743f 4ed5 8718 2763ce43fdae
スマートサイジング

地元図書館に2月に貸出予約を入れて、やっと先日順番が回ってきた。 約2年前(2015年8月現在)の発行ながら、未だこれだけ「読みたい」という人がいるというのは、やはり世界は「所有・消費」の時代から、確実に変化してきている証左だと思う。 "You Can Buy Happiness(and It’s Cheap)" という表紙の英文が、非常にシンプルかつわかりやすい。 ミニマリズム・シンプルライフ・断捨離系の書籍は昨今非常に多く、日本ならこんまりさんや、ヨーロッパならドミニック・ローホーあたりがシンボルになっているが、実のところ大体の内容は似たり寄ったりだったりする。 本書は、著者が現在に至るまでの間の情けない葛藤やだらしない金銭管理、モノを手放していく際の葛藤なども丁寧に描かれていて好感。 また、今まで僕が読んできたシンプルライフ本との違いとしては、アウトプットの重要性を説いている点は、とても良いと思う。 こういった本で大切なのは、読んだだけで何かをしたような気になってしまうのではなく、実践すること。 返却前にもう一度読み返して、できそうなことをリストアップしてみようと思う。

2年前

本泥棒

amazonで検索すると、謎の高値(2015年7月現在)がついているこの一冊。 長い。 …が、全くダレることなく10日以上の間、物語の世界に浸り続けることができた。 作品自体の出来が素晴らしく良いのもあるが、これは訳者の力によるところも大きいと思う。 ナチス時代のドイツを舞台に、死神をナヴィゲーターとして語られる一人の少女の物語は、人が人としての優しさや思いやり、絆を結ぶことが難しい時代・国の物語でありながら、まごうこと無く青春の物語であり、ドイツ人とユダヤ人の物語であり、一人の少女の成長の物語であり、女同士の友情の物語であり、幼い友情(あるいは恋)の物語であり、一つの家族の物語であり… ….つまりは人間の物語だ。 彼等、彼女等の心の有り様は、時には読んでいて顔を歪める程切なく、時にはかけがえのない時間を共有するようで、自分がヒンメル通りの隣人の一人になったような気持ちで、とても近しく感じられた。 楽しい意味でも、悲しい意味でも。 日本ならば「火垂るの墓」や、ドラえもんの「ゾウとおじさん」、ヨーロッパならば「アンネの日記」のように、言葉で訴える以上に戦争忌避感情(イデオロギーではなく)を喚起させる作品が存在するが、この作品もまた、その一つと言える。 ただ、ここまで言っておいてなんだが、先入観なく読んで頂きたいとも思う。 amazonはお高いので、図書館で借りて再貸し出しをオススメ。 (読みきれない可能性があるので…)

2年前

8615d8ed 91a6 4766 ae40 066c2d90fb082efbca88 7dbe 46ed 8864 d5a8ccb7600c
異邦人

高校時代にトライして断念した名作に再トライ。 三行で述べるなら ・ムルソーは厨二病(現代日本の解釈なら) ・ダウナー系主人公ラノベのご先祖様 ・ムルソー的価値観は、現代の日本人には割とすんなり理解されそう というところ。 この作品が、衝撃を持って迎えられたというのは、やはり時代もあったのでは?と思う。 父の葬儀の翌日、母を連れ立ってドライブに行き、美味いメシとショッピングを楽しんだ僕は、母を亡くした翌日海水浴に行き、女と関係してしまうムルソーを少し自分にダブらせて読んだ。

2年前

3233c45c d7cf 460f 834c 3139d33630ed2c144179 394e 42df a05f 5d380807297cCee9898e 9704 47ce 97e2 a3a55b47bfd707381173 98e8 4bdf 9975 1ae89a889dee288207b6 e0b2 46ea a99f a579758832de881c65fb 0ea3 4e34 abe7 45ad177516b5#<actiondispatch::http::uploadedfile:0x007f213cd90850> 58
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

色んな意味で有名なphaさんの一冊目の本。 amazonの感想等にもあるように、Phaさんは厳密にはニートではない。 けれど、彼の言葉は、現在の日本の働き方とか良しとされる生き方とは別な生き方を志向し、たかだか100年前後の「伝統的」な「昔から」正しいとされている「常識」に違和感を感じている層には刺さりまくると思う。 “「だるい」とか「めんどくさい」とかいう気持ちはもっと大切にされてもいいと思います。” “もっと適当に生きましょう” というカバー裏の一文が、本書の内容をよく表している。 本書で、phaさんはべつにニートを推奨しているわけではなく、現代日本のシステムにどうしても適応できない人が無理に適応しようとして心身を壊すより、スルリと逃れてマッタリやってもいいんじゃない?という提案をしているだけで、 「万人には薦めない」 「向かない人もいる」 「結婚・出産・育児は諦める必要がある」 「歳をとって体力なくなったら継続できるかわからん」 「老後は普通に不安」 というところもまた、誤魔化されることなく書かれている。 「アフィリエイトはさほど稼げない」 「全てが自己責任じゃないけれど、全てが自己責任じゃないわけでもない」 「ある種の向上心や目標は生きる上で必要」 といった言葉や、ニートとしてサヴァイブしていく為に利用できる具体的なインフラの話や、なんとニートの本でありながら「働き方」や年金・雇用保険について等々、むしろドロップアウトしてしまった人達、そうならざるを得ないところに追い込まれてしまった人達に、無理に浮かび上がるのではなく、底までおちないように、波風と無縁の深い海中で漂うように、もう少しラクに生きる為の方法を伝えようとしているように感じた。 読前にphaさんに抱いていた(僕の)イメージと裏腹に、とても真面目で誠実な印象を受けた。 正直、僕の中でのphaさんの印象は、かなり変わった。 タイトルやphaさんのパブリックイメージから、読むことに抵抗感のある方も多いかもしれないけれど、そういう人にこそ読んで欲しいし、今つらい・キツいと思っている人にはもう是非読んで欲しい。 読んだ後、少なくともちょっとだけ心がラクになるはず。

2年前

詩のこころを読む

高校入学時、大量の教科書と共に買わされた一冊。 しかし、約四半世紀に亘り本棚のエースを守り続けていた一冊。 一編の詩歌の美しさ、瑞々しい言葉、生々しい生のかたち… 自分の心が「老いた」と感じる方にこそご一読をお勧めしたい。 固く積もり固まった角角質に覆われたような心を、ツルリと瑞々しくしてくれる…かもしれない。

2年前

8315f216 1ee8 4368 81b8 48bb7e571b9c7cf89040 903d 4577 9f5d 18ed1a8c7fa572efecff 9b0f 4a71 bdcc d9bd5f3db787
スープの国のお姫様

美味しいものを食べることと作ることが好きな人種にはたまらない一冊。 あと、ヒロインが可愛い。 千和ちゃんかわいいよ千和ちゃん…

2年前

晴れた日は図書館へいこう

まさにタイトル通り、図書館で(ただし雨の日に)借りてきた。 小5の女の子が主人公の、日常ミステリ。 ミステリー要素はやや弱めなので、そこを求める人には合わないかな。 しかし、作品の空気感が抜群に心地よい。 作品の優しい空気の中に、ずっと浸っていたくなる。 気に入って頂けたら、続編もどうぞ♪

2年前

28174e86 c8e7 4733 a2dc a2e2ed635decA1ccbde9 1dbe 4188 b746 dee42e870967