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no.32

読書を取り上げたら1日何をして過ごせば良…

読書を取り上げたら1日何をして過ごせば良いのか分からないくらい他にやることがないのです。悪い意味で。そう、悪い意味で、です。 東京都在住。

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コメントした本

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例えば、ほんの些細なことで相手を疑いはじめてしまったら疑心暗鬼に陥って、一日中悶々と過ごしてしまう。こんなことは誰にでも何処にでもあるわけだけど、人を最後まで信じることよりも、疑うことの方が多分簡単で楽だからなんだろうと思う。 『怒り』は、「それでも誰かを最後まで信じられるかどうか」を、もしからしたら相手が殺人事件の犯人なのではないだろうかという究極の状況で描く小説だ。 愛子は田代を、優馬は直人を、泉と辰哉は田中を信じ続けることが出来るのか。事件を追う刑事北見は恋人との関係をハッキリさせつつ犯人を逮捕出来るのか。というパートに分かれて進む物語がそれぞれの結末を迎えたとき、「信じること」の困難さと大切さ、そして何より人間という生き物の弱さと強さが開示される。

約1年前

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喪失感。色々な読み方が出来るけど、まず最初に読み終えて心中にひろがるのはこの感情だ。

約1年前

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抽象的にならざるを得ない死を、どうしたら具体的に扱えるか、という問いを投げかけてくる小説。

約1年前

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どんなことでもそうだが、己の道を行く、ということには覚悟と強靭な精神力とが必要だ。 法然と離別した親鸞が師の教えを自問自答しながら広めつつ乗り越えようとしてしてゆく様が見事に活写されている。 新しい道は、己の道は、悩み苦しみながら少しずつひらかれていくのだ。どんなことでも。

1年前

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「グリーンゲイブルズのアン」を、腹案もあったみたいだが「赤毛のアン」と訳したのは秀逸だ。アンのキャラクターを上手く表現したタイトルだし、馴染みやすい。 サザエさん的、あるいはもっと言えば水戸黄門的な面白さ。 他の訳者でも読んでみたい。

1年前

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言葉=意味が溶解した場所が確かにあって、そこはきっと素晴らしいと信じることが出来る小説。また、ある種の芸術論でもある。「芸術は爆発だ」との謂はこの小説の中で到達されるレベルで理解されるべきものだ。

1年前

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「割れ鍋に綴じ蓋」とはどのような意味か、と問われたら、この小説を紹介するのが良いだろう。どんな辞書を引いてきてもこの作品に勝る説明なんか載っていない。 37才のツキコと老年のセンセイという人間同士の距離感のある結びつきが堪らない。付かず離れず、しかし固くしなやかに結び合っていてそれが結果として恋愛小説らしく描かれはするが、眼目はこの「結びつき」の方である。男女の、男同士の、女同士の、ではなく、人間と人間の結びつき。哀しみ、喜び、孤独など色々なものを抱えて生きている一個の人間同士が寄り添って生きる、という結びつき。 ここに描かれる関係は、人と人とが結ばれる、という状態の極北といっても差し支えないものだと思う。

1年前

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自分の過去を「心」を摘んでしまった語り手が、不思議な登場人物たちに導かれ忘れていたものを取り戻し再生する物語。 ある種の通過儀礼を描いたものだが「分からなさ」が半端ない。犬の「家内」に雌鶏頭の大家などといった半人半獣が出てきたり、足を踏み入れる度に生えている植物種が変わっている場所等々数え上げたらキリがない。「一般常識」では考えられないものごとが当たり前のように展開する。語り手は「科学的論理的」思考を必要とする植物園の園丁として働いているのでことごとくこれらの「分からなさ」と対峙しなんとか筋道を立てようとする。これは読者たる我々も同じで、語り手の困惑は即ち我々の困惑であり「分からなさ」である。しかしながら、物語が進みひとつずつの「分からなさ」や「一般常識」の境界が融解し「理解」が語り手(読者)に浸潤したとき、蛹から蝶になるかのような新しい世界が目の前に開けている。 「子供から大人へ」という階梯を登るための通過儀礼は幼年期の「死」を経験させ成人として再生させる装置であるが、こんなにも豊かで美しい「通過儀礼」はあっただろうか。

1年前

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人が人によって(多分)幸せな方向へと向かわせられる物語。

1年前

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いやはやマイッタ。火星でただ独りサバイバルなんて、孤独過ぎるし絶望しかないし、もしかしたら死んだほうがマシかもしれない状況なのに、ただ独りの男マークは決して生きること、地球に戻ることを諦めない。ユーモアだって忘れない。 出てくる用語や火星の環境が分からなく(イメージし辛く)ても、分かる!襲ってくる難題が突拍子も無いところも無いし、合理的な困難だから読んでいても納得出来るのだ。そしてこの困難に向かっていくマークの賢さや冷静さがシビれるのなんのって。500ページ以上あるのに一気読み!

1年前

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読み進めていく間にむくむくと沸き起こる心中の「感じ」が読後も長く尾を引く小説だ。 人を待つ、という宙ぶらりんの時間がこんなにも豊かで濃密であり得るなんて、とても素敵なことだと思う。

約1年前

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人間とは何か、何をもって個人といえるのか、という普遍的なテーマを解離性同一性障害をモチーフにして語られる作品。

約1年前

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「棲み分け」という概念を使って、どうして欧米諸国が世界の「中心」に位置しているのかを説明する論考。 「若い人向けに書いた」と言明している通り、分かりやすく読みやすい。日本も照準に入っていて、どうして現在日本が欧米寄りの立場にあるのかも解説されている。 納得させられる部分も多く、なかなか面白い。

約1年前

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親鸞が親鸞になってゆくまでの物語。自己の心中と仏法との間の矛盾に苦しみつつ一つ一つを選択してゆく様に時間を忘れて没頭した。

1年前

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藤井太洋と長谷敏司が面白い。長谷敏司はドン・ウィンズロウを彷彿させるバイオレンスぶり。続きを読みたい。

1年前

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この本で「水中考古学」という学問を知る。 水中にはまだまだ歴史のロマンが眠っている。「陸上からみた歴史」では分からなかったことやはっきり証拠付けされていなかったことなどが、沈没船や水中遺跡が発見発掘されたことで明らかになる。クレオパトラの宮殿なんかはその最たるものだろう。 まだ若い領域(誕生してから55年)だが、これからの歴史研究は計り知れないほど重要な知見を水中から得られるようになるはずだ。

1年前

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各々の「自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去」を書き起こし、聴衆の前で朗読する。なんて素敵な試みだろうか、その場が人質として監禁されている小屋の中でなかったとしたら。 日本の裏側で反政府ゲリラに拘束され人質となってしまった日本人らによって語られるそれぞれの過去・思い出。誰かを一生懸命助けようと奮闘した過去、現職に就くきっかけとなった出来事、その後の人生の支えになった1日、と朗読される思い出は多岐にわたり、危機的状況で語られているということも忘れてしまうくらいに暖かい。しかし彼彼女らの背後に流れている気配は言うまでもなく「死」であり、それ故にこそ読者はより彼彼女らの声に耳を傾けてしまう。 読後、しばし考え込んでしまった。自分にもこのような「思い出」があっただろうかと。たとえ語られなくとも、自身の中にしっかりと位置を占めているそれがあるだろうかと。

1年前

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自然に抱かれつつそれを利用して生きることの正当性みたいなものを嫉妬と憧れをもって読んだ。もちろんここに描かれているような林業や山深い村での生活というものは現実ではより過酷で暗澹たる面もあるだろう。しかし、それでもなお、この作品のような「なあなあ」とした時間と空間や人間のなかで生きてみたいと思わせるとても美しい物語である。

1年前

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「関守」これ1択。作中で発端になっている都市伝説というテーマをこの短編自体で成立させるような語り口がとても面白い。また、背中を這い上ってくる寒気や怖さといったミステリーの醍醐味のひとつもしっかりと味わうことが出来る。

1年前

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満漢全席を超える料理、大日本帝國食菜全席のレシピとそれを巡る物語。1930〜40年代と2014年現在を交互に描き、各々が徐々に徐々にリンクしてゆく展開はスリリングで面白い。作中の至る所に登場する料理(とその描写)には涎が垂れる。

1年前

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