フランツ・カフカの本

審判

審判 フランツ・カフカ

現代の不条理や不安を表している、とかよく言われますけれど、どうなんでしょうか?もちろんそういう側面もありますけれど、また、私は誤読を含めて読者が物語を楽しみ、判断する自由があると考えていますので、私見ですが、不条理や不安はもちろんですけれど、不条理ギャグ、みたいな部分が気になりました。私が読んだどの作品(「城」「変身」「審判」)も自身の信じているもの、社会常識や社会通念がある日突然信じられなくなる不安(それも個人対組織という形をとっての)、だからこその自分の立場や自分を信じ難くさせる不条理をあらわしてはいます。 しかし、この訳者の読みやすさもあるのでしょうけれど、そこはかとなくユーモアの香りを感じます。また私個人だけが分かっていないという立場をとらせているのに、ある意味その不条理な状況を素直に(抵抗はすれども、現実的に受け入れがたいことまで、結構そのまま)受け入れてしまうそのさまが、どこか滑稽に思えてきます。 すると、何処まで行っても細かな理由をつけてただ単に拒絶されている、という状況に変わりはなく、繰り返される滑稽さがまた増します。もちろんきっと様々な解釈が可能だと思いますが、後は受けて、読み手の側の問題なのではないか?と私は考えます。 しかし、中でも「審判」と「城」は面白かったです。私の好みとしては「城」に軍配が上がりますが、審判の方が完成されているともいえます。 不条理ギャグがお好きな方に、オススメ致します。 2008年 3月

カフカ ポケットマスターピース 01

カフカ ポケットマスターピース 01 フランツ・カフカ

コンパクトな(がら分厚い)文庫にまとまった、カフカのアンソロジー。話題の多和田訳「変身(かわりみ)」の他、複数の訳者による新訳揃いで、カフカ本来の(昼間の)仕事で作成した公文書や、書簡集の抜粋なども収められている。「訴訟」など改めて読むとリーダビリティ抜群。

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夢

夢 フランツ・カフカ

書物の王国シリーズ2巻目。夢か現か幻か。夢をテーマに集められた極上の短編とエッセイなど。夢に惑わされる世界に浸かる。

希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話 フランツ・カフカ

カフカ作品が好きなので。 大体どの作品もそうだけど、考え方とか人生観、経験がダイレクトに物語に反映されているなぁと実感します。 自分はまさにカフカ寄りの人間で、なかなか希望名人のようには考えられないのですが。それでも、2人には共通点があることを示して下さっていて、どちらが良いとか悪いとかそういう問題ではないんだなぁと思わせてくれます。 作品から一歩踏み込んで、作者の生き様を見つめることの大切さを感じます。本当におすすめ。

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城

城 フランツ・カフカ

主人公"K"の行動が全て徒労に終わり、600ページを越えながらも何も発展しない物語を読み終えた読者は、共に永遠に"城"へは辿り着けない。 読後に味わう感覚がある種の不条理なのかも。

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審判

審判 フランツ・カフカ

読書中、小首を傾げてばかりだった。 Kも、きっと同じだったに違いない。

城―カフカ・コレクション

城―カフカ・コレクション フランツ・カフカ

「変身」で有名なカフカを初めて読みました。 以前も挑戦した事があったのですが、そのときは全く読めなかったのですが、今回の池内さんの訳はとても読みやすくてよかったです。 城(または、組織)が支配する村に測量士として招かれたKを主人公に、非常に不思議な物語が展開されます。そして、読み手に対して丁寧にも関わらず、その判断を下す事を絶えず躊躇させ、それでいて非常に強大で圧倒的な『城(私は個人的には城に付随する『組織』と考えました)』だけが常に存在感を示し、Kを、読者を従えようとしてきます。 個人的にはいわゆる「不条理もの」と認識いたしましたが、それだけでない、読者に語りかけ、今現在でも通用する(と言うかヒトが生きている時代ならいつでも)誰でもが思う不条理さの持つ何かを問いかけてきます。組織という見えないものなのにも関わらず、圧倒的チカラを持ったモノに対抗する不条理さのリアルさが、信頼置ける何かまでもが、少しの事で(時間の経過、状況の変化、視点の転換、相手の思い込み、自分の錯覚、など)信頼していたものが、全く変わっていってしまう感覚などがまたとてもリアルです。 不条理さとは何か?と考える事は少ないけれど、この世の中は不条理に満ち溢れています、その世の中を生きていくためにも少し不条理さについて考えてみたい人に、オススメ致します。 特に「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が好きな方には、是非とも。あの物語の原点を、私は個人的に感じました。 2008年 2月

絶望名人カフカの人生論

絶望名人カフカの人生論 フランツ・カフカ

「一番上手くできるのは、倒れたままでいることです」 打たれ弱く繊細な心を持ったカフカの名言集だ。 他の、“思考を強引に前向きにさせようとする”名言集などとは一味違う。カフカのネガティヴな思考は共感と安心を感じさせ、沈んだ心を優しく持ち上げてくれる。

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変身

変身 フランツ・カフカ

ある朝突然毒虫に変身していたグレーゴルだが、「どうしてこんなことに・・・」など悩む場面はなく、仕事や汽車の心配をしたりベッドからどうにか出ようと試行錯誤する場面にクスッとした。 父親の「こいつにわしたちのことがわかってくれたら」というセリフはグレーゴルからも言いたいセリフなのでは。どうしていいかわからない問題を、お互いが自分の見方でしか捉えられず家の中に閉じ込めてしまう。そしてグレーゴルは何も伝えることが出来ずに死んでしまうところに虚しさと悲しさを感じた。 現代の問題と合わせると介護、引きこもりなどになるのかな? グレーゴル以外の家族の視線からも読んでみたい。

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