レイモンド・チャンドラーの本

水底の女

水底の女 レイモンド・チャンドラー

村上春樹さんのチャンドラー長編翻訳シリーズの最終作。自分はこの作品がけっこう好きで春樹さんも同じだから最後までとっておいたのかな、と勝手に思ってたらそうでもなくて…むしろ微妙だから最後に回したということらしい。チャンドラーがよくやる短編を膨らまして長編に(それで金を二回稼ぐ)した本作は二つの短編をむりやりくっつけたもので春樹さんはそのむりやり具合があまりお気に召さないらしい…。たしかになんとなくくどかったり都合が良過ぎたりする部分があって改めて読むと??というところが目立つけどもチャンドラーの作品はそういうものであってむしろはっとするようなシーンや粋な会話を楽しむもので全体の辻褄とかミステリとしての出来は二の次なのだ...もちろん春樹さんもご承知の上だけど。その意味でこの作品の冒頭部分~依頼人との初対面のシーンとラスト、それに田舎警官の描かれ方が印象深く何度読んでもしびれてしまう。これでもうこのシリーズが終わってしまうと思うと本当に寂しくてならない。チャンドラーの翻訳では清水俊二さんのものが有名でそれらと春樹さんの訳はどう違うかな、と思っていたが本作が一番違うかな、と個人的には思った。

高い窓

高い窓 レイモンド・チャンドラー

チャンドラー作品の中でも比較的ストーリーがまともでちゃんと謎解きもある作品の村上春樹訳。 まともな分だけドライブ感が無いという春樹さん評だが全く同感。 最初に読んだのは高校生くらいだったかな。何度か読んでるけど作者の長編中では影の薄い作品。こんな話だっけと毎回思う^^; 小粋な会話、独特な雰囲気などチャンドラーの読むべきポイントはしっかり出てるのでいい作品ではあるなと改めて思った。

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プレイバック

プレイバック レイモンド・チャンドラー

村上春樹のチャンドラー長編翻訳シリーズ、残る二作品中から先に訳されたのがこっちだったのがちょっと驚き。 チャンドラーは大好きな作家で長編は昔からなん度も読み返している。彼の作品ははっきり言ってしまうとミステリとしては三流で特にプロットが怪しく、謎もアクションも大したことがない。では何にひきつけられるかというと、主人公フィリップ・マーロウの生きざま、とか流儀、会話の妙とかそういうところと、たまにはさまれる実にチャンドラーにしかできないような表現やフレーズ、というところだろうか。 その意味でこの作品はマーロウがマーロウらしくなくミステリとしても謎の解明があまりにもひどく、ということで一番再読率が低かったのだ。残念ながらというか当然というか春樹さんの訳でもその辺の印象は変わらなかった。というかむしろ無駄なシーンや無駄なセリフが多いへんてこな作品、というイメージが深まったかも知れない。一番の興味は「男は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」というチャンドラーの一番有名なフレーズ〜角川が昔宣伝に使ったから日本でだけ有名らしい〜をどう訳すのか、ということだったが、こう来たか、という感じだった。くさしてるみたいだけどやっぱり好きな作家だし、本作もまた機会があったら再読するだろう。そして最後に残ったのがミステリとして一番まともかもしれないあれか、というのも興味深い。早く刊行されないかと楽しみでならない。

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リトル・シスター

リトル・シスター レイモンド・チャンドラー

村上氏訳のチャンドラーはぜんぶ読むことに決めている。が、読み始めてしばらくして以前読んだことがあると気づいた。読んだのを忘れるくらい今回は展開や事実関係に不明瞭な部分がある(気がする)。ハリウッドで起きた殺人事件と探偵。ただ相変わらず比喩やせりふ回しは格好いい。「その身体は月光に照らされたタジマハールみたいな香りがした」。たまたま数ヶ月後、月夜のタージ・マハルを見に行く機会があり、なんとなくにおいをかいでみた。

プードル・スプリングス物語

プードル・スプリングス物語 レイモンド・チャンドラー

チャンドラー未完の遺作をロバート・B・パーカーが完成させた作品(1989) マーロウが結婚生活送ってる時点で、個人的にはうーん、と…。物足りなさを感じてしまう一方で、他の長編の力強さを改めて感じます。

さよなら、愛しい人

さよなら、愛しい人 レイモンド・チャンドラー

彼女は君に好意を持っている。 良い子だ、私の趣味ではないが。 良い子は気に入らんのか? 私はもっと練れた、派手な女が好きだ。たまごでいえば固茹で、たっぷりと罪が詰まったタイプが。 ================== タイトルが分かると哀しくなる。 固茹で派の悲劇。

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