中条省平の本

殺意

殺意 ジム・トンプスン

生きてる間は全く評価されなかったノアール界の大物。最近まで存在を知らなかったのだけど一作読んでみたら面白かったのでまた手にとってみた。これはかなり後期の作品らしくちょっと小慣れてる感があって粗削りの魅力は薄いけれど楽しい作品だった。海辺の街が舞台。ゴシップ好きで街の鼻つまみ者の女を巡る話。街には夫も含めてこの女を殺したいと思っている者だらけ。検察官や顧問弁護士までが殺意を持っているという状態。最後に殺されるわけだけど果たして殺意を持ってる人間のうち誰が、というフーダニット。個々の登場人物の独白の連続で語られていくストーリーが斬新で戦前の作品とは思えない。死ぬ間際に「俺は約10年後に有名になるから原稿は取っておけ」と言い遺したというエピソードもかっこいいこの作家。他の作品もポツポツ読んでいきたいと思います。

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マンガがあるじゃないか

マンガがあるじゃないか 蒼井ブルー

「風雲児たち」、「赤ちゃんと僕」を特に読みたくなった! 紹介されてるマンガが結構古かったのがちょっと残念だけど、私もこんな風に読みたいと思わせる書評?を書いてみたい。

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ライク ア ローリング ストーン

ライク ア ローリング ストーン 宮谷一彦

1969年にCOMで連載されていた本作、約50年の時をえて単行本に。ずっと単行本に、という話を退けてきたけれど、ボブディランのノーベル平和賞受賞がきっかけで発刊にいたったらしい(タイトルはボブディランの名曲のまま)。 私小説ならぬ、私マンガの原点とも言われている本書、当時23歳だった著者のほぼ実体験が描かれている。政治の季節の熱っぽい空気感がブワッと躍動的に伝わってくる。 ハードボイルド、学生運動、抜き差しならない生 っぽい恋愛など、著書イメージがモロにあらわれていて凄く楽しめた。 今の大学生くらいの若者達は、この空気感をどう受け止めるんだろう。気になる。 ちなみに、はっぴいえんどの風街ロマンのジャケットを手掛けているのも宮谷一彦です。

フランス映画史の誘惑

フランス映画史の誘惑 中条省平

フランス映画にハマってから読みはじめ、最初はあんまり面白く感じませんでした。 自分がもっといろんなフランス映画を観るようになって、映画的経験値が増えてから、この本を読んで思ったのは、『この人、ネタバレなしで的確に作品のこと伝えてるな〜』という感動でした。 論じるというより、淡々と事実を伝えてるかんじ。この本に登場する作品のことを知ってたら、めちゃめちゃ共感できて、楽しいかもです。