久松真一の本

南方録

南方録 久松真一

西欧の絶対美が黄金律で計算されるのに対し、日本のそれはカネワリによって比率をだされる。 カネワリはもともと聖徳太子の時代にはすでにあったとされる建築方法なものの、それを茶室に移し、茶室空間そのものを小宇宙にしたのが、利休になる。 おもしろきことに、東西の絶対美は計算方法が違えど、近似値になる。 つまり、西欧人も東洋人も美しいとおもう空間的比率は変わらないのだ。 因みにうえで近似値と申しあげたのは、三分がかりといって、絶対美の位置を識りながら、あえてそこから9ミリずらすという利休好みの編集術があるからである。 南方録は偽書という説も根強い。 しかし、これを再現するならば、たちまちそこには寳の山があらわれるに違いない。 #リジチョー。