塩野七生の本

想いの軌跡

想いの軌跡 塩野七生

ずらっと並ぶ「ローマ人の物語」の著書、塩野七生さんのエッセイ ローマへの熱い想いや、外国から見た日本についてなど軽快に語られていて楽しい一冊だった 「拝啓マキアヴェッリ様」はもうラブレターのようで、読んでいてちょっと恥ずかしいー

海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年

海の都の物語〈1〉―ヴェネツィア共和国の一千年 塩野七生

さすが、塩野七生さん! 抜群の安定感です。 ベネチアを”国”としてではなく、一人の”人格”として扱って書いているので、ベネチアの歴史を読んでるはずなのに、なぜか感情移入して読んでしまいます。 歴史作家としての本領発揮してます。ほんとすごいわ。

ギリシア人の物語III 新しき力

ギリシア人の物語III 新しき力 塩野七生

作者最後の「歴史エッセイ」ということもあり、また取り上げるテーマがアレクサンダーということもあって楽しみにしていた作品。そうかエッセイなんだ...確かに小説ではないし歴史書にしては作者の感想や思いが前面に出過ぎているし、と思っていたがエッセイと言われるとなんとなく納得感がある。それにしては長いけども。ギリシャで遂に民主政が破綻し都市国家の力が衰たところに取って代わるように勃興してきたマケドニア王国のフィリッポス、アレクサンドロスの二代記。ハンニバル、スキピオ、カエサルと古代の名将が口を揃えて最高の武将と評するアレクサンドロスの戦争と征服がいかなる動機といかなる方法で為されたものでそれを作者がどう表現するか非常に楽しみにしていたのだけども期待は裏切られなかった。ギリシャの各都市国家から半蛮族扱いされオリンピックにも呼んでもらえなかったマケドニア王国、都市国家テーベの人質となることで都市国家の良いところ、特に軍事面において、を吸収し国力を一気に高め、ついにはオリンピックの主催者となり名実ともにギリシャの代表者の地位を得たフィリッポス。そして父の暗殺により若くして王位についたアレクサンドロス。彼の幸運は国をまとめ上げ、かつ素晴らしい教育をほどこしてくれた父を持ったこと。それによって国の内情に煩わされることなく、王位についた瞬間から長年ギリシャ諸都市を苦しめてきたペルシャ王国の圧迫に立ち向かうことができた。従ってアレクサンドロスの征服とは自分の王国を拡大し富を得ることが目的ではなく、ペルシャ王国の圧力を完全に排除することが目的で支配できた地域もペルシャ王国の領土である、ということが分かる。富貴を求めず常に軍団の先頭...文字通り騎馬軍団の先頭に立って敵に突っ込んでいくのだ...に立って戦い続け将も兵も分け隔てなく扱い、敗れた者への扱いも公正、好奇心に満ち溢れた若者の姿が作者独特の思い入れ溢れる筆致で生き生きと描かれている...ためにアレクサンドロスが亡くなったあとが急に尻すぼみになってしまうところも楽しい(笑) これで最後か、と残念に思う半面、書きたいことを書き尽くしたんだろうな…お疲れさま、というねぎらいの気持ちもある。本当に長い間楽しませてもらってありがとう、という思い。いい作品でした。

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逆襲される文明 日本人へIV

逆襲される文明 日本人へIV 塩野七生

塩野七生さんの、心地よい文章が好きで読みたくなります。クライシス(危機)という言葉に、古代のギリシャ人は、もう一つ「蘇生」という意味を込めた。悲観的な時もある。だがそれでも人生は続く。その先に光を見る。

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ルネサンスとは何であったのか

ルネサンスとは何であったのか 塩野七生

P95 それに私は、哲学とはギリシア哲学につきるのであって、それ以降の哲学は、キリスト教と哲学の一体化という、所詮は無為に終るしかない労力のくり返しではなかったか、と思っています。

ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊

ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊 塩野七生

ギリシャを代表する都市国家アテネが逸材ペリクレスのもと最盛期を迎えた後、僅か30年たらずの間に海外領土のほぼ全てと強力な軍隊のほぼ全てを失い没落する過程を描くシリーズ第二作。 民主国家アテネが実際はほぼ一人の人物に率いられて最盛期を迎える様子は作家の得意な好きな男を描く活き活きとした筆致で読ませるのだが…彼を失ってから衆愚政治で知られる状態に陥りいとも簡単に没落してしまうまでのプロセスは無残でちょっと読んでるのが辛かった。民主的であればよいのか、ということは数千年前にこんなに鮮やかに立証されているのにより優れた統治システムを生み出せていないのは人類の限界か、と思わせられた。次作が怖いような楽しみなような。結果は分かっているにも関わらずこれだけ読ませる力量に脱帽。

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