安部公房の本

他人の顔

他人の顔 安部公房

周囲の目線、行動でどれだけ人間の内部が揺さぶられるか。 妻の置き手紙 「仮面は、仮面であることを、相手に分からせてこそ、かぶった意味も出てくるのではないでしょうか。」 妻がどんな状況でもブレずに、主人公への気遣い、微笑みを絶やさなかった信念がみえる。

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カーブの向う・ユープケッチャ

カーブの向う・ユープケッチャ 安部公房

公房の短編集。「砂の女」の原型になった「チチンデラヤパナ」が収録されています。私は砂の女より、こちらの原型の方が好きです。公房は短い言葉でわかりやすく、難しいシーンを説明してくれる所が好きなんですが、短編だと一発でシーンや空気を伝えてくるから、ラストの一行が効いてて、初めて読んだ時ブルッときた覚えがあります。

水中都市・デンドロカカリヤ

水中都市・デンドロカカリヤ 安部公房

シュールです。 安部さんの作品はかなり以前に読んだ事はあった(「箱男」と何かを読んだのですが、タイトル忘れてしまいました)のですが、あまりに時間が経っているので初めてと言ってよいかと。 私が気に入った作品は比較的シュールじゃない所で「闖入者」で、シュールな好みでいくと「水中都市」でしょうか?中でも1番好きな短編は「飢えた皮膚」です。もしかすると、この短編集の中で最も安部公房臭が低いかもしれませんが、とても気に入りました。あまりにシュールな展開や情景ですと、私の想像力が届かなくて(あくまで受け手の問題です)物語の中に入り込む楽しさは薄れますが、その事が象徴する《何か》を考えてみたくなり、その事について誰かと話してみたくなります。 鳩の銅像というか、それに付随する意識を主人公にしてみたり、コモン君という人物が植物に変身してみたり、とにかく展開も描写も飛び抜けてます。それでいて物語として破綻したりもしていませんし、破綻している様に思えて、何かあるのではないか?と思わせます。何故だか高橋源一郎の「さよなら、ギャングたち」を思い出しました。高橋さんの方が分かり易いけれど、でも初期の源一郎さんも私は好きです。 シュールな絵や、突飛な展開がお好きな方にオススメ致します。 2008年 2月

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榎本武揚

榎本武揚 安部公房

安部公房が書く歴史小説ってどんなの?と気になって読んだけど、構成に安部公房らしさが詰まっていてニヤニヤ。この小説の榎本像、大鳥像、土方像は独特で他にはありません。

無関係な死・時の崖

無関係な死・時の崖 安部公房

物語はフィクションであると分かっていると思いつつも、さも当然の事のように現実にあるのではないかと錯覚させるような文の力があります。 独特な言葉まわしが非常に面白く、この人って頭の中どうなってるんだろう?と本の内容とは別に安部公房さんの人間性に興味がわきました。 この著者の世界観を味わいたいのであれば、まず最初にこの本を勧めると思います。

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笑う月

笑う月 安部公房

「夢」をモチーフに語られる17編の話。エッセー風の話からショートショート風の話まで。 不条理を感じるものが多く、正直安部公房の感性というのは自分にはまだ理解できない。それでもまあ面白いと思えたのは、漂流生活の中で誰が犠牲になるかを決める、「自己犠牲」という話。生き残ることよりも、犠牲になることを争うというのが新鮮だった。とはいえ、この話もなぜこの結末を持ってきたのかよく分からない。

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飢餓同盟

飢餓同盟 安部公房

かつての温泉街花園を舞台に土着の支配者とひもじいと称されるよそ者が結成したアナーキスト同盟たる「飢餓同盟」戦後民主主義を象徴する「読書会」3すくみのわちゃわちゃした対立を哀しくもどこかユーモラスに描く。 招致された医師である森が町につくも一向に病院にたどり着くことができない阿部公房的な不条理たらい回しぐるぐる地獄や人間をいかなる機械よりも精密な機械と化してしまう!ドイツ製の怪しげな薬「ヘクザン」の実験台となった地下探査技師織木、飢餓同盟員に対し「たとえばソロバンを盗んでこい、財務部長らしくなるために、明日までに割り算の九九をおぼえろ。電球を三つ盗んでこい。将来キャラメル工場の煙突塗り替えるために、毎日電柱にのぼる練習をしろ。姉さんの指紋をとってこい。電気コンロを盗んでこい。そして昨日は姉からヴァイオリンを盗んでこいというわけだ」P185と無茶ぶりをするリーダーの花井(ヒロポン中毒)等々奇妙奇天烈な登場人物が繰り広げる人間喜劇。

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飛ぶ男

飛ぶ男 安部公房

再読。安部公房死後に見つかった未完成稿。まだ初稿とも呼べない、ラフスケッチのような状態なので、作品が出来上がる過程が見えて面白いです。

燃えつきた地図

燃えつきた地図 安部公房

自分の読書経験が乏しいからなのか、なかなか頭にすんなりと入ってこない文章だった.でも評価されてる理由はわかった.

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密会

密会 安部公房

恋は盲目。アバタもエクボ。他者の介在を必要としない愛は、グロく、セクシャルでひどく純粋。

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砂の女

砂の女 安部公房

祖母がよく庭で育てた春菊を摘んで、おひたしにしてくれた。田舎の田舎の娘が作った小鉢だ。根元を水でさらっと流した程度の鮮やかな緑には細やかな岩石が混じっている。 あの音。右の奥歯にあってはいけないものを噛み砕こうとしたときの音。ガァリ、ガァリーー。決してあの小ささから想像できないほどの存在感を発揮する。あの無機的な存在は決して私のうぶで柔らかい有機的な身体とは相容れないと思わせてくれるには十分だった。 10年ぶりに手にとった『砂の女』は携える風貌を変えていた。かつて、やたらと逃げることのできない絶望感に気を取られていたが、むしろ今は逃げることそのものの、いきいきとした喜びしか、脳の襞に絡めとられない。 「逃げるな」は「逃げろ」に、「逃げろ」は「逃げるな」に内的に変換される世界。それは常に私たちが無意識的に行なっていることだとはゆめゆめ気づかない。 縄梯子を登りきったときの納得感。私は残るべきなのだと感じさせた濾過装置という《希望》はベクトルを反転させ、砂の世界へと向けられる。 砂という無機質な世界において初めて、私として必要とされ、生実感を感じ、有機的な人生を営めるという期待が彼を砂の世界に引き留めるのだ。

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壁

壁 安部公房

名前だけの”私”と名前を無くした”私”はどちらかが”私”なのか、それともどちらも”私”なのか

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