小林紀晴の本

暗室

暗室 小林紀晴

再読。写真家さんが書く小説をいくつか読んでるけど、モノを見るのが仕事のひとが書く小説は、なんか質感が違う。

だからこそ、自分にフェアでなければならない。 プロ登山家・竹内洋岳のルール

だからこそ、自分にフェアでなければならない。 プロ登山家・竹内洋岳のルール 小林紀晴

感情が、口調が、凪いでいる。 そう感じた。 静かで淡々として、それがとても心地よい。 私は山登りをしない。だから、その言葉の裏にある経験や感情は推し量れないけれど、一歩ずつ進むこと、戻るべきときに戻ること、そんな当たり前のことを「当たり前」として行える人の静けさと、その中にある、強さに似た何かが感じられた。

写真学生

写真学生 小林紀晴

カメラや写真のことをほとんど知らぬまま写真の学校に入学した男の子が、だんだん、自分がなにを見てなにを感じるのかを掴んで、その、世界と自分との間に物語が発生していることに気づいて、それをカメラで撮ることを覚える。見ているものと自分との関係性の架け橋に物語が現れて、それを撮ることを知る。なにも知らなかった者がたつた2年で、こんなに成長するんだな。若いから吸収力が違うんだな。

メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年

メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年 小林紀晴

写真家古屋誠一にはオーストリア人の妻がいた。妻は子どもを設けた後に精神を病み、自殺してしまう。 写真家小林紀晴によって人間の葛藤や心情が深く描かれていて、この本の世界にどんどんと引きづりこまれていく。 写真家の文章はなぜか心に響くものが多い。 小林紀晴だからこそ書けた渾身のノンフィクション。