赤瀬川原平の本

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赤瀬川さんは、毎月3冊分、タイトルだけで見て、1冊あたり200字程度の文章を書く、という連載を資生堂が発行していた花椿に掲載していた。その連載の1997年1月から2000年4月に掲載したものをまとめたのが本書。ちなみに何でちゃんとした書評ではなく、タイトルだけなのかというと、本書の冒頭で、赤瀬川さんは厚い本を最後まで読み切るのが苦手、ということが書かれていて、それを逆手に取った企画ということでした。

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名画読本シリーズの日本でも見れる世界の名画ということで、最後には所蔵美術館の一覧もあります。 赤瀬川さんの解説は楽しくて、笑えます。 アルベール・マルケの海は牛乳に浸かってるとか、シャガールの絵は天ぷらで揚げているという話など、食べ物に例えるとこんなにもわかりやすいんだと感じました。 マグリットの超能力やテレポーテーションも絵の中ではよく使う話、スーティンの作品の、うまくかけなかった絵のもう少し先にあるものに共感するところ、どれも言葉の選びがうまいのかスーッと心に入ってきます。 「名画鑑賞というのはあれを見たこれを見たということだけで終わるスタンプラリーではなくて、それを見ることで自分の目が変化したり成長したりすることを楽しむ行いである。名画はそういう自分の目のための道具なのだ。」 と書かれているように、より楽しく自分の解釈ができそうだと思いました。

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日本画編も楽しくてたまらなかったです。 葛飾北斎 「神奈川沖浪裏」 カメラだったら2千分の一秒くらいの場面を切り取って描いている。 ジェリコーの馬だって、実際間違いだけど迫力があって美しい。 科学にとっては写真の方が正しいのだけど人間にとって必ずしもそうとは限らない。 「凱風快晴」 刷り師の気の緩んだ隙に出る板の木目。嫌なショックではなく爽快なショック。富士山にかしこまってしまいそうな時に、いやあこんなのただの板なんですよおって。自分の飾らぬ肌を直に見せてくれたみたい。 歌川広重 「亀戸梅屋敷」 現実ではないこの梅園の緑色の地面はユートピアの地面。一歩歩いたらそのままゆっくりと10mくらい進んでいくような夢のような地面だ。空気は梅の匂いがプウンとする。 ヨーカンだって機械が切ればみんな同じだろうが、母親の手にする包丁で切るときは微妙に違う。感覚の厚みがあった。 「東海道五十三次之内 品川」 風景画だけどどの絵にも人物がいる。人物がドラマ持ってる。つまり質問されれば、今何をしているところだとかちゃんと答えられる働きを持っている。 喜多川歌麿 「姿見七人化粧」 この鏡にはある意味男性の視点も描き込まれている。この女性は男性が見ていること知っている。見てはいけないもの見てるようなきがする。 前と後ろの、表と裏の、ある意味キュビズム? 鈴木春信 「縁先物語」 最近の男性は、男性らしいというものがダサいものと思われて男性を消して始めているのかも。春信化している。トレンドだ。  長谷川等伯 「松林図屏風」 日本には雨が降る。いえいえ私などは・・つまらないものですが・・・と、日本語は常に靄がかかっている。 いえ、明日はちょっと・・・語尾を濁して石を隠す。 すべて明らかにすることが必ずしも美徳じゃない。一部ちらっと見えて全体像推し量る。 音としては尺八だろう。焦点のはっきりしないようなかすれたような音があえて音を消しながら音として出てくる。 尾形光琳 「紅白梅図屏風」 光琳は呉服屋の生まれだし、デザイン的な神経の持ち方のベースがあったのだろう。 俵屋宗達 「風神雷神図屏風」 前方左右に置かれているからステレオである。立体音響。 与謝野蕪村 「鴉図」 想像力、見間違いともいうものは道にあるゴミ袋が犬に見えたりする。人間が描く絵の原理もそもそもそれと同じこと、にじみや組み合わせが人に見えたり、原理としては見間違いでありよく言えば想像力。 絵の価値はその絵だけに固有するものではなく、それを見る人、受容体の中を横断してあるものである。印刷で見て感動して原画を見てがっかりすることだってある。絵の価値というのは感動した人の中でだけ成り立つ。絵の価値はその絵のそのものからちょっと浮いた宙空にある。

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これは考えさせられた

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芸術とゲージツがよくわかったようなわからないような。

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積んである

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辞書なのにここまでぶっちぎってる新解さん、かっこいい。

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登ることしかできない「純粋階段」、肝心の出入口の塞がった「無用門」。 存在意義を失ったモノたちは赤瀬川に芸術性を見出され超芸術トマソン(無用の長物)へと変わっていく。

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目は鱗がたまりやすいんですよねえ。と、いうような話。

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日常の些細な瞬間のマナーを 見開き1ページずつ紹介しています。 かなり偏っていたりもするけれど あー、わかるわかる。 が沢山出てくる面白い本です^ ^

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ボキャ貧の私には読むのが辛かった、しかしそこがいい

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名画を通して、鑑賞を通して、赤瀬川さんに気づかされることが多くあったと思います。 「人の目はいつも少しずつ何かに騙されている。それを少しずつ剥がしていく快感が名画鑑賞の中にはある。 肩書きはある程度信用できるが、丸ごとは信用できない。と言っても自分の直感はある程度正しいけど、間違っていることもある。」 と綴られていました。 ヌードのデルタ地帯の話など、この本は笑うところばかりなのですが、それでもちゃんと学べるところがすごいです。個人的にはユトリロが好きになりました。 名画といわれるものはやはり名画が多い。その逆もあってなぜこれが名画なのかと思うものもある。それを「自分」で理解できるようになる一冊だと思います。

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広重の作品を、絶景、夜景、水景、斜景、雨景、艶景、吹景、雪景、活景、富士見・花見に分けて紹介しています。 絶景では、額の前に手をかざして「絶景かな、絶景かな」という絶景の作法のように、ダイナミックに手前に入ってくる橋や木、亀など、今ではなかなか見られないような構図で面白いです。アップすぎて何だかわからないクイズのような状態にもなってたりします。 夜景では、西洋の暗さではなく、じんわりと夜の暗さに目が慣れるような暗さが感じられます。 広重の風景画と印象派の風景画は、空間感覚、空気の実感というものに執着しながらその方法は違います。 伝統の略画的手法である浮世絵、リアリズムを推し進めて出てきた印象派、どちらも行き着く先は同じして出会ったのかなと思いました。 版画であるため、摺り方によっても違います。花火が輝いているシーンなのか、花火が終わった後のシーンなのか。 お気に入りの作品は 一つ目は「東海道五十三次之内 箱根 湖水図」です。今時の色してます。 二つ目は「京都名所之内 あらし山満花」で、銀河鉄道の夜みたい、湖だけど星空ぽいと思いました。 三つ目は「木曽路之内山川」で、広大で雪が積もった山の表情がいいです。雨は水となって流れ落ちるけど、雪は万物の上に積もって凹凸をなくしながら純白の無に向かわせる。そのうち雪も溶けて生活が再開される。そう思うと雪の世界って日常の休暇のようでいいなと思いました。 現代美術の世界では、何かを楽しんだりするより何かを訴えたり「告発」したりする作品の方がトレンドだけど、こうしてわびさびを見つける美術もやっぱりいいなと感じました。

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電話原稿やりたい

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こちらも。ザンジバルにて。

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シュールかつ冷静に、スマートに人生を見つめる視点。笑いのなかに本質が見える。

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アナロジーをもって道端を見れば、何でもないモノも雄弁に語る、かもしれない。超芸術トマソンも同様。

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目撃者が芸術と気がついたとたんに芸術ではなくなる。 赤瀬川さんのユニークな書き方で、どのパフォーマンスも思わず笑ってしまいます。今やったらすぐ捕まってしまうんだろうなということを多くしていますが、実際に目にしてみたい気持ちになりました。意図しなかったとは思うのですが裁判所でさえ展示空間になるのが面白いと思います。 私は風船のついた洗濯バサミを子供の頭につけたポートレートが可愛く、何も気がついてないけど取り込まれてた感があり好きです。 事あるごとに、これは何なのか断定してくれないとイライラしてしまう人に読んでもらいたい一冊です。

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巻物って畳の上や座卓みたいなところで、手でおくりながら見るから、至近距離でディティールが見えます。全体の図版になるとちょっと違うものになるんだなぁと思いました。 雪舟は模写もよくされてて、色々な人が模写した絵が沢山あるのですが、 等益は真面目だから、大胆な描き方じゃなかったりとか、 やっぱりそれぞれの癖が出てきて見比べると全然違うなと感じました。 雪舟は制約があるのにライブ感があるところが特徴だと思いました。 雪舟は神話化されがちだし、生で接する機会がないから歴史から入っていきがちなので勉強になってしまうんだなと思いました。 見ることと知ることの関係がオートフォーカスで定まらなくてレンズが行ったり来たり状態になってしまいますが、国宝の前に墨ってことを考えてみてみてもいいかもと思いました。

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茶の湯の事なんて全く知らなかったのですが、まんが「へうげもの」(山田 芳裕著)を読んで以来、凄く気になるようになりました。また、その当時の人物、文化、歴史の事が、いつもの通り私にはマッタクわからないので、ちょっとネットで調べていたら、気になったのが、赤瀬川 原平が書いてます!!トマソンの赤瀬川さんですよ!!で、興味が湧き、読んでみました。まだ完結していませんが、マンガ「へうげもの」も、かなりオススメ致します。 千利休という人を路上観察学会の、物事を様々な角度から考え、なお、楽しもうとする方からの考察が楽しくないわけありません。 要約してしまうと面白くないので、興味のある方には是非読んで頂きたいのですが、まるで禅問答です。そして日本人論にも話しは広がります。考え方の柔軟性が求められる本でありますが、レベルは違いますけれど、山本 七平著「『空気』の研究」と同じくらいの目からウロコ本です。様々なことに波及する考え方を分かる本でもあり、それでいて笑える楽しさを両立させられる稀有な感覚の持ち主、赤瀬川さんの本です。反復する儀式の、あるいは○○道のような真面目な哲学的面白さを、そして真面目が滑稽に繋がる、笑える側面もまた認められる方におススメいたします。 2008年 3月

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