阿部暁子の本

室町少年草子 ―獅子と暗躍の皇子―

室町少年草子 ―獅子と暗躍の皇子― 阿部暁子

阿部暁子の二作目。 コバルト文庫でまさかの南北朝時代ですよ。 観阿弥、世阿弥、足利義満くらいならまだしも、楠木正儀、細川頼之まで出て来る!室町時代ファンのおっさん的には歓喜の一冊ですわー。 10年前とはいえ、よくぞこの企画を通した! 同作者の最近のお話と比べると、足りない点も多くて、若書き感は否めないけど、好きな話、好きな時代を書きました!といった清々しさがあって、その意気や良しなのである。 また、こういうのは書いてくれないかな。 室町時代は、物語的には不遇の時代である。 大河ドラマの舞台になることもほとんどない。 でも、昨今の新書「応仁の乱」「観応の擾乱」のヒットで、物凄く魅力的な時代であることは少しずつだけど知られるようになってきたと思うんだよね。

室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君

室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君 阿部暁子

久しぶりに、本当に久しぶりに少女小説というものを読んだ。主人公の世間知らずとも言える純粋さと、その主人公が初めて知る人々の様々な心情、その複雑さ。それを真っ直ぐに受け止めて涙したり喜んだりする主人公は、やはり世間知らずというだけでなく、ただただ純粋なのだ。転がるような展開で手が止まらない中で、登場人物の性格がプリズムのように色んな切り口で描かれる。おそらく、それぞれの人間が持ついくつもの側面を映し出すには、この主人公の純粋さが必要だった。キャラクターの癖の強さは少女小説だからなのかもしれないけれど、ただの横暴な青年ではない義満、芸に直向きだからこそ強かな鬼夜叉、単なる優男ではない観阿弥、そしてもしかしたら、主人公と同じくらい純粋で不器用かもしれない楠木正儀。室町時代についてあまり知識がないのですが、この作者は他にも同時代を舞台にお話を書いているそうなので読んでみようかな。

Icon user placeholder4357216a de0f 411a 8d54 c01529a22331C9516cad 24e3 4d46 8a08 4540cfa892fa60729d69 c811 4eed a64c f6dc1a34a835A2d0b282 e632 4433 97af bdf521d93f3e
また君と出会う未来のために

また君と出会う未来のために 阿部暁子

昨年刊行されて、なかなかいいじゃん!と話題になった、「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編が登場。 今回も、メチャ泣けるボーイミーツガール作品に仕上がってる。 物語の展開があまりに、純愛過ぎて、心の汚れたオッサンにはややもすると眩しすぎるお話であるけれども、良いものは良いとキチンと評価しなくてはなりません。 主人公の抱える心の闇が、さまざまな人々との触れ合いを通して、浄化されていくあたりの展開が実に上手い。 前作のメインキャラクターも、脇役ながらちゃんと登場するので、ご安心を。

63dbfea3 4a7e 426c 87ee eba369b9958cF92a09c0 8b7f 49ed 82a2 7eb73343c7977aae84de d26f 4899 9171 6d0dd79e0441Icon user placeholder0b942a59 e664 4015 8c0f 2b0c9d795383
どこよりも遠い場所にいる君へ

どこよりも遠い場所にいる君へ 阿部暁子

離島の学園に逃げるようにやってきた、秘密を抱えた主人公。神隠しの伝説が残る入り江で、忽然と現れた謎の少女。なんかもう、絵に描いたような正統派のボーイミーツガール作品。 おじさんだから、もうこんなベタな話に感動しねえぜ、とか思って読んでたら最後には、メチャ泣かされてた。ド直球で最後まで投げ切った筆力に簡単ですわ。 「彼女」の正体、余所者の主人公はわからなくて当たり前だけど、これ絶対他の島民は気付いてたよね。でも、それを言わない、触れないやさしさが地味に泣ける。言外に示されるヒトの思いやりが心にしみる良作なのでした。

121a33fe 3aeb 4bfe 83bd 7481eb1fe2c9Cc9b5c08 5451 460c 858c 3dbc7afedce368c6225a 9e79 41b5 a470 020dd32fb9eaE48de692 ede4 43d6 b985 00b1aaf35ee5D18bb5b8 4e37 4fdb 91e6 4829fe3bd63b2d0f29f7 07d5 48b9 925f 3aff9c9cd22263dbfea3 4a7e 426c 87ee eba369b9958c 17