読売新聞水戸支局取材班の本

死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録

死刑のための殺人: 土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録 読売新聞水戸支局取材班

死刑になりたくて無関係の人たちを殺傷した人間のルポ。 「死刑囚は描く」という企画展を見て以来、死刑制度や死刑囚について興味があり、軽い気持ちで土曜の朝に読み始めたら、最後までページをめくる手がとまりませんでした。 死刑の是非、尊厳死について、自殺についてなど、いろいろ思うところはあったけれど、なにより「死にたい」から「死刑になりたい」に変わっていく過程があまりにもどこにでもありそうなエピソードの積み重ねだったことが恐怖でした。日常の生活の先に、犯罪被害者にも加害者にもなる可能性がひそんでます、ほんとに。 犯人が同い年なので、事件の背景ともされる将来の希望が見出せないことへの閉塞感とかすごくよくわかるし、「死にたくない」という願望の希薄さ(「死にたい」とは違う、生きていても仕方ないという諦めに近い感じ)は、正直自分も感じます。でも、自殺やましてや殺人なんて考えたこともないけれど、それって話を聞いてくれる人がまわりにいるとか、趣味があるとか、経済的に困っていないとか、そんなことのおかげなのかな、と。逆にそのバランスの一端が崩れることがこわくなりました。 個人的に好きな著書、永井均さんの「子どものための哲学対話」に犯人が影響を受けていたことも、印象的なエピソードでした。 土曜日の朝に読む本ではなかったな、、