大橋幸泰の本

潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆

潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆 大橋幸泰

最近読んだ本から。 世界遺産への登録がらみなのか店頭で似たようなテーマの本がフィーチャーされていてちょっと興味もあったので手にとってみた。維新で鎖国が終わった後に駐留する外国人のために作られた浦上天主堂に現れたキリスト教徒を名乗る日本人に欧米人は驚愕と感動を覚えたというが秀吉の禁教以来どのように信仰を維持していたのか、ということについては奇跡の一言で片付けられていたような気がしていた。そのあたりをすっきりさせたくて手にとってみた。キリスト教徒が潜伏できたのは大まかに言って次の通り、というのが作者の考え。島原の乱の記憶が為政者、農民ともに強烈すぎた。キリスト教徒以前に村落共同体の一員としての役割を果たせていた。島原の乱については領主たちもかなり悲惨な末路をたどっており支配者層にも農民側にもかなりのダメージを残したことが後の政治に与えた影響がよくわかった。また、江戸時代の農民がパブリックイメージとは異なってそれなりの地位と勢力を持っていた証拠に様々な裁判の記録が現在にも残されておりそれを丹念に読むことでキリスト教徒を穏便に見逃そうといった為政者側の理屈も分かるようになっていた。説得力もかなりあってなかなかに面白かった。