ネレ・ノイハウスの本

悪しき狼

悪しき狼 ネレ・ノイハウス

邦訳が出ると必ず読むシリーズの一つであるドイツの警察ミステリ。 貴族階級出身の刑事とその相棒の女性警官が主人公という設定だけ見るとスタイリッシュな作風かと思われるのだがナチスや環境問題などのテーマに挑んでおり毎作けっこう重厚な内容になっているところが特徴。 凄まじい虐待を受けた跡のある少女の死体を巡る捜査と、以前はドイツでも有数の刑事弁護士で羽振りの良かった男の落ちぶれた生活、扇情的な報道番組で敵の多い美貌のジャーナリストが暴行された事件、の大雑把に三つの話が並行して進み…やがてそれが収斂して、という形式。主人公達や各々のストーリーの登場人物の人間模様も丹念に描きながら醜く凶悪な事件の真相が暴かれる結末に見事にまとめ上げている。ディーバーばりのどんでん返しも盛り込みつつのそれはかなりの芸当だなと感心しました。素晴らしかった。 作品と関係無いのだが…旦那さんがソーセージ職人で旦那の店の片隅に自主出版で置いていた小説が評判になってデビューした、というこの作家のエピソードがけっこう好きだ。

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死体は笑みを招く

死体は笑みを招く ネレ・ノイハウス

貴族階級出身の警部とその相棒の女性刑事を主人公にしたドイツで大人気のミステリシリーズで邦訳四作目。但し翻訳ものにはよくあるけどシリーズとしては二作目。一番売れたやつをまず訳してそこそこ売れたのでつぎに売れたやつ…次に、と来て最後に回された作品ってことなのでどうなんだろう…と思ってたけどなかなか面白かった。 本作では環境保護の過激な活動で多くの人から憎まれていた市会議員の死体が動物園で発見されて…という話。ちょっと登場人物を増やし過ぎてこいつ誰だっけ、っていうのが後半増えてきて読みにくい箇所があるので後回しにされたかな(笑) 旦那さんがソーセージ屋さんで店番のついでにミステリ書いて客に読ませてたら人気が出、という作者の来歴もなかなか良い感じ。

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穢れた風

穢れた風 ネレ・ノイハウス

貴族階級出身の警部と相棒の女性警部を主人公にしたドイツの警察小説のシリーズ邦訳最新。この前週に読んだ「冷酷な丘」とたまたま同じく風力発電がテーマの話。代替エネルギー先進国のドイツでも風力発電ってあまり良く思われていないのかな。本作でも風力発電建設会社内で起きた殺人から反対運動との対立や学者や政治家を巻き込んだ汚い動きが描かれている。本作は、主人公が父である伯爵が反対運動に関わっていることや、自身も長年連れ添った妻が男を作って出て行ってしまった直後ということもありボロボロでまともに機能しないところが新鮮。ストーリー自体は登場人物を増やしすぎた感があり広げたストーリーを畳むのにちょっと苦労したような印象を受けた。

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深い疵

深い疵 ネレ・ノイハウス

オリバー・ピアシリーズ警察物の第3作、にもかかわらず、邦訳は一番初めに発売されている。読んでみて、この理由が分かった。圧倒的に面白い。 自分は、本国での発売順に読んでいて、前2作も普通に面白いと思ったけど、シリーズで一番の傑作という方々からの声にも納得。第二次世界大戦時ナチスの時代の暗い歴史を絡めつつそれを背景にした一族の秘密を暴いていく、という内容。ナチスを絡めたところがまさにドイツっぽい。 この手のミステリーはご当地の歴史や地理の特色を存分に取り入れているところが魅力の一つではないだろうか。 ミレニアムの第1作と通じるところがあり、かの作が好きな人は読むべき。

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悪女は自殺しない

悪女は自殺しない ネレ・ノイハウス

ドイツの女性ミステリ作家の邦訳第三作目。 前の二冊が凄く面白かったので読んでみました。 なんか時系列がおかしいな、と思ったらこれが作者の第二作でシリーズの第一作だったんだ。翻訳ものにはたまにありますね。 主人公は貴族出身の警部とその部下の女性刑事のコンビ。 自殺と見られた女性の捜査をするうちに巨大な陰謀を暴いていく、という話でちょっと話を広げすぎて後半、作者自身も持て余してるような印象を受けたけども、それでもじゅうぶん面白かった。 旦那さんがソーセージ職人で、作者は店を手伝いながら小説を書いて自費出版で店に置いてた本作が注目されてデビューした、という経緯も面白い。

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