寺地はるなの本

今日のハチミツ、あしたの私

今日のハチミツ、あしたの私 寺地はるな

2年間同棲した安西に連れていかれた故郷で彼の父親に結婚を反対された碧。 彼女は、中学生の頃に偶然出会ったハチミツを手掛かりに、頼る人もいない場所で自分の居場所を求めて孤軍奮闘する。 食べ物をテーマにした小説はどれも好きだ。 登場人物が何かしら食べていてくれると、心底安心して先を読むことができる。 拒食症に悩んだ碧の、どんな時も自分と、そして目の前の人にちゃんとしたものを作って食べさせようとする姿勢に共感を覚えた。 蜜蜂たちが懸命に集めた金色の恵みが、人間の寂しさや悲しみを癒す薬になる。 それは人間の毎日が、小さな自然の恵みによって支えられていることを再認識させてくれる。

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(3-3)月のぶどう

(3-3)月のぶどう 寺地はるな

バリバリとワイナリーを経営していたお母さんが亡くなったところからストーリーが始まる。 みんな、何となく誰かと自分を比べてしまったり、素直になれなかったり、何かに必死になれる人を羨んだり。自分がするべきことと向き合って、誰かと会って、生活をしてって当たり前のようでなかなか出来ない。どこか遠くのワイナリーで心を込めて作られたワインを飲んで、私も一度人生と向き合いたいと思えた一冊でした。

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架空の犬と嘘をつく猫

架空の犬と嘘をつく猫 寺地はるな

2020/7/5読了 どうしても家族というのは、良くも悪くも距離が近すぎて、難しいものがある。 愛おしいんだけど、憎らしい時もあるし。 友達なら優しくできることでも家族相手だとキツく言ってしまったり。家族のことが大好きで常に大事な人は幸せだけど、家族なのに(家族だからこそというか)許せないケースもそりゃあるだろう。 祖父母と父と母と姉の6人で暮らす主人公の羽猫山吹が、8歳の時から、中学二年の時の初恋、大学生になって彼女ができたり、就職したり、プロポーズしたり、人生の節目数年ごとに章が変わる構成で進むうちに、祖父が死んだり、姉が家を出て行ったり、家族構成も変わるのも面白い。山吹本人の個人史なんだけど、同時に羽猫家の家族の歴史でもあるという。寺地さんの描く物語のラストに、いつも希望があるところがとても好きだな。

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月のぶどう

月のぶどう 寺地はるな

2017/8/14読了 寛容さというのがなかなか難しい。上手に人に助けを求めることも。光実の頑なさは私にも覚えがあるもので、それを歩に指摘されるシーンは耳に痛いものがあった。読んでいてテンポが良いので、するっと読めてしまうんだけど、仕事とか家族とか色んなことを考えさせられる話だと思う。

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ミナトホテルの裏庭には

ミナトホテルの裏庭には 寺地はるな

咲くのは花だけではないし、大切なものはちゃんと手の中にある ミナトホテル、そこはわけありのお客だけを泊める変わったホテル そのホテルの裏庭で前オーナーの一周忌をすることになったのだが、肝心の裏庭の鍵が行方不明 主人公、芯は裏庭の鍵探しを祖父に頼まれたのだが、ミナトホテルのフロントのバイト、行方不明の猫探しまで引き受けることに⁉︎ 心温まる物語です

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正しい愛と理想の息子

正しい愛と理想の息子 寺地はるな

2020/7/12読了 ハセには沖が必要で、沖にとってもハセの存在は大切だけれど、ハセが沖に向けるものと同じだけの感情の重さは持たない。そういう、人間関係の同等でない切なさみたいなものは、寺地さんのこれまでの作品に比べて強めに出てる気がする。 最初から母親という存在が自分にとって薄いけれど、父親から存在を肯定されて生きてきたハセと、親の理想通りに生きられないことに苦しんで逃げて、でも逃げたことへの罪悪感も忘れられなかった沖。民生委員をしていた他人のことに一生懸命な母親と同じ仕事についたけれど、寧ろ母親のことが理解出来ないし、同じようには生きられない民恵。 皆ひとりではないし、そもそも社会というのはひとりでは生きられない仕組みになってるんだけど、それがわかっていても、何か理不尽な目にあったとしても自己責任としか言われないし、助けを求めた手を跳ね除けられるのは辛くて苦しいし、それなら初めから助けを求めない方がいいとなってしまう気持ちもすごくよくわかる。 ハセには沖がいて良かった。父親とトクコがいて良かった。そして、典子さんが器の大きな人で良かった。自分を傷つけた人間に対して、寛容になれるような大きな器になりたい。

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今日のハチミツ、あしたの私

今日のハチミツ、あしたの私 寺地はるな

2018/1/11読了 もし自分が碧の友達だったら、多分私も真百合と同じように、その男はダメだからさっさと別れなよーと言うと思うんだけど、でも自分自身に安西の要素もあるからしんどいな。物語の最初の方の碧と、自分で自分の行き先を決めて動きだしてからの碧では輝きが違うというのは、読んでいて自然に感じられるので、置いて行かれた感のある安西はより惨めだったのだろうと思う。やっぱり人間って主体的に動いてないと後悔するんだなー。

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ビオレタ

ビオレタ 寺地はるな

突然の婚約破棄に打ち拉がれる妙。紆余曲折を経て立ち直るストーリーかと思いきや、妙は婚約破棄直後に出会った(拾われた?)クールビューティな菫のところで働きはじめ、菫の元旦那さんの千歳さんと恋仲になり、傷はたまに痛むけど復活は早かった。 深読みしすぎて卑屈になりがちな妙。違うんです。 「周りにどんだけ可愛がられてるのよ」と妙に突っ込みたくなります。 お母さんが妙に「自分にとって一番大事なものを知ってること。それが一人前ということだと思っている。」と話す場面。自分に言われてるようでした。 お話の中には、笑ってしまうとこも多々あって、妙が元婚約者の不幸を願うとこが、私はツボでした。

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