小川国夫の本

〆切本2

〆切本2 森鷗外

作家の〆切と家族との係わりなど、前回とはまた違った切り口で面白かったです。子母澤寛の文章に猿出てくるの、なんかの比喩かと思ったらほんとに猿飼ってた

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虹よ消えるな

虹よ消えるな 小川国夫

小川国夫さんの随筆と短編というかスケッチのような短編を2編含む随筆集です、そして遺作です。少し前に読んだ「随筆集 夕波帖」がとても良かったので、続けて読んでいます。 今回の随筆もその視線の静かさと秘めたる覚悟のようなものがにじみ出てくるかのような、一見なんということのない素朴な、素直な文章に感じますし、すらすらと読めてしまうのですが、すらすら読むのがもったいなく感じさせる何かが文章にあり、つい読み返したりしてしまいます。自身の身の回りのことから、戦争中の事、あるいは趣味の絵、釣りの事まで、題材は何であっても視線はあくまで低く、丁寧です。前回読んだ随筆集が大変良かったのでこの作品を選んだのですが、この随筆も良かったです、ある意味想像通りの素晴らしさでした。 が、予想を裏切られる新鮮な驚きだったのが、最後に2つの小品、短編小説というか、スケッチというか、または私小説ともいえる文章があるのですが、これがとても素晴らしかったです。パリに留学している書き手が結婚してプロヴァンスにいる友人をバイクで訪ね、友人と異国の街に暮らすことや家族、故郷についての話し「プロヴァンスの坑夫」、友人と2人でヴァカレス湖(私も何処だか分かりませんが、フランスのどこか?と推察しました)近辺を旅している日本人の私と物知りの速水との会話や、旅先の交友の話し「サント・マリー・ド・ラ・メール」どちらもセンチメンタルだったり青臭い話しだったりする部分をあまり感じさせず、淡々と語ることで得られる静けさと透明感が素敵な作品です。 次は小川さんの小説を読んでみようと思わせる本でした。堀江 敏幸さんがお好きな方に、また小山 清作品が好きな方にオススメ致します。少し前までいらっしゃった地元に密着した「文士」の方の文章、とても惹かれます、オススメ致します。 2008年 9月

止島

止島 小川国夫

BSブックレビューで堀江 敏幸さんがオススメしていたので読んでみました。 恐らく自身の体験を基にしたエッセイ風の、物語ともいえますし、散文とも言える、不思議な短編集です。しかもダイアローグが変わった形で行われるので、誰の発言なのかを考えさせられ、それが不思議と面倒でなく楽しい作業に感じられる書かれ方で特徴ありました。しかし、1番の特徴はこの文体のとても静かで力強く、それでいて俯瞰してみせる技術(ですが、これを技術にしない、おそらく生き方ともいうべき真似する事の出来ない文体です、そういう点では須賀 敦子さんにも似ています)が素晴らしいです。 表題作「止島」も素晴らしいのですが、個人的には戦争の影を落としている「未完の少年像」と、姉の結婚とその後の顛末を描いた「志願」も良かったです。しかし、それ以上に私にとってよかったのは、子供の頃の(昭和初期の)身近な家族でない大人『亀さん』との交流を描いた「亀さんの夕焼け」、その連作短編とも言うべき琴という子供との顛末「琴の想い出」、「舞い立つ鳥」は読ませる、そして地元の息づく短編です。以前読んだ作品でも思ったことなのですが、この平成の世の中にも地元に根ざした「文士」と呼べる人物がいたのだ、という事を意識させられましたが、この連作短編もかなり強く同じ様な印象を持たされました。この「止島」は遺作なのですが、その土地に根ざした「文士」が振り返って、文章という形にして残した作品、どれも素晴らしい作品でした。しかもこの振り返り、その土地に愛着がある方の文章、品質の良い白ワインを少量いただいたような読後感で(私は全くワインには詳しくないのですが、赤ではなく、白のような感じがします)素晴らしかったです。 どの作品もその話しの帰結に、終息の仕方に、とても切れ味鋭いものがあり、様々なものをそぎ落とすことで効果を得たような短編小説の切り方に独自のよさが、真似ることの難しい独自性があると思いました。同じ場所に据わり続けていることの凄さを文章で表したかのような表現方法がたまりません。 文章を書く事にかなりのチカラを使い、なおそれを表立って見せない表現に潔いものを感じました、昭和初期に興味のある方、須賀さんの文章が好きな方、そして短編小説が好きな方にオススメ致します。 2008年 11月

アポロンの島

アポロンの島 小川国夫

短編集でおそらく全ての作品が自身の体験を元にしたものだと思われます。地中海を舞台にした表題作以外に土の匂いのする私小説もあったりして意外な幅を感じました。文体に惹かれたので他の作品も読んでみます。