大澤真幸の本

げんきな日本論

げんきな日本論 橋爪大三郎

今日の仕組みを理解したり、疑問に思うと、西洋の歴史をから紐解こうとしてしまう。 民主主義だ議会だと政治の話に関心を持ったり、資本主義の話でも元を辿ればどうしてもヨーロッパに行き着いてしまう。 フランス革命だ、世界システムだと。。。 けれど、定期的に日本を知らないとという波が押し寄せて来る。台湾の友人に京都を案内した時もウィキペディアで付け焼き刃な説明をするなど、度々残念な思いをして来た。 そんな気持ちの波が、この2人の対談を手に取らせた。この2人なら、深い洞察を得られること間違いなしだし、対談だからいくらか楽に取り組めるはずだと。 日本の2人の社会学者による縦横無尽の対談、歴史の専門書ではないから細かな事象を知れなくても2人の論理的な会話故に読みやすい。興味深い仮説も挙げられ、読んでいて飽きない。 いくつかあげると。 天皇と将軍の関係については、平家は天皇の制度の中で上位を占めるが源氏は全く別の制度を鎌倉につくった。その方が、無力化できる、規制制度を強く否定できる。。。処世術としても学べる事例。 遠藤周作原作、マーティンスコセッシの映画『沈黙』を見た後だったから、キリスト教に関する記述も興味深かった。 日本は精度の良い鉄砲の製造はできたが、火薬は国内調達できず輸入に頼った。信長はその調達のためにカトリックと手を組んだとか、安土城にキリスト教の影響が見られるとか、カトリックも中国での宣教に失敗したので日本の布教コンプリートの後、信長に中国を支配を期待していたとか。秀吉の朝鮮出兵にもカトリックが絡んでたんじゃないか?など。。。キリスト教を絡めると日本史が断然ダイナミックに感じた。 普遍思想に関する対話も面白い。日本人にはそもそも普遍思想がインストールされていないので、全国統一の発想がない、その点信長は特異な存在だった。軍事力だけでは統一には至らない、宗教のような思想での支配も重要だということに気付いた。。。今でも日本人はビジョンを描くのが下手だ。 西欧や中国にもない武士という身分の存在、武士が統治する社会の特異性。。。戦いつつ、騎士でもなく、行政をしつつ官僚でもない。 銃によって、剣術の習得が不要になり、世襲の武士の意味が減じて、戦争技術が一般化、つまり傭兵制度の出現を意味した。そして制度の近代化が図られなければならないが、既存体制である武士と刀をそのまま維持し、戦う身分であり、政治を治める身分である武士という他の国にはない身分が生じた。。。それで徳川の260年を維持するための鎖国、銃を排除するため、内戦を起こさないためだったわけだ。 歴史マニアには物足りないかもしれないが、歴史の専門書のようにはディテールについていけず、眠気との戦いになることもない。歴史入門者でも、深い歴史の旅へと導いてくれる。 天正遣欧使節やキリシタン弾圧についても知りたくなった、難しそうで食わず嫌いの中国史についても知りたくなった。より日本を知るために。

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ゆかいな仏教

ゆかいな仏教 橋爪大三郎

てっきり入門らへんの話かと思ったら相当なところまで知れて驚きました。

ふしぎなキリスト教

ふしぎなキリスト教 橋爪大三郎

楽しかったー!聖書は通しで(週刊聖書で)読んで、おもしろかったですがよく分からないとこもたくさんあり、この本で「聖書って解釈して読むものなのね」と教えてもらいました。 私もキリストは時々むちゃくちゃなこと言うな・・・と思う時があります。笑

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atプラス28

atプラス28 岸政彦

岸政彦さんの断片的なものの社会学がとてもおもしろかったので、読んでみました。知識として日本の貧困化については知っていたけど、本を読んで昔から根深い差別や地域の差などを実感。

<問い>の読書術

<問い>の読書術 大澤真幸

様々な本について筆者が問いを立てて考察しながら紹介していく。一冊の本からより多くを得るにはこういう踏み込み方が必要なのかなあ

資本主義という謎

資本主義という謎 水野和夫

お友達がFacebookで紹介されていて面白そうだな、と。図書館で申し込んだら40人待ちとかだったのですが...立ち読みしたらあまりにも面白くて出張のお供に買ってしまいました。いかんせん国文学専攻な私にはいろいろと馴染みの無い記述も多くたかだか一泊二日の出張くらいでは読みきれなかったのですが^^; 個人的に、資本主義がなぜ西洋から生まれたのか、またそれはプロテスタンティズムとどう関係しているのか、今後も世界的に普遍的な第一のロジックなのか、に興味があったのと、更に外資にいるので右肩上がりの成長を前提としない資本主義の考えはあり得るのか、に興味があったのです。 入門編としては大変分かりやすくまとまっていてよかったのでは、と思いました。

<世界史>の哲学 イスラーム篇

<世界史>の哲学 イスラーム篇 大澤真幸

イスラムについて自分の疑問〜本来イスラムは割とリベラルな宗教で中世までは圧倒的に他地域を引き離して発展していたのに何故停滞し原理主義のようなものが目立つようになってしまっているのか〜について回答が得られるように思えたので手にとってみました。 記述が不必要に難解だったり論説がくどかったりという欠点は散見されるもののかなりの回答を得られたように思います。 何故、イニエチェリのような異教徒の子供をさらって軍隊を組織したのか、奴隷でも大臣や果てはスルタンになれたのか、などについても知ることができました。 他一神教との比較論も興味深く、面白かったです。

「知の技法」入門

「知の技法」入門 小林康夫

「日本の脳」とも言える2人がこれからの人文系の知の行き先を語り合う。また、読書の技法や哲学史の説明など、これから知を「体得」する人向けに色々な手引きがなされている。お2人の考え方はまるで異なるのに、たどり着こうとしているゴールは同じなので多種多様な読者に扉が開かれている本である。 Oct.10/16読了