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親しい二者関係を基盤とする「甘え」の心性が失われ、無責任な「甘やかし」と「甘ったれ」が蔓延しています。変質しつつある日本社会の根底に横たわる危機を分析した... 続き

コメント

(弘文堂 328頁)
欧米・西洋文化が、古来からの日本文化との“調和”とは言い難い“侵食”に近い形で来日している昨今。日本人が今まで自然と解釈してきた人間関係や社会と自分との繋がりに、「ズレ」が生じてくるのは当たり前だ。
その「ズレ」の間に『甘え』という言葉を仲介させれば、あら不思議、違和感や謎がドンドン解けて行くではないか…。

日本人は元々忍耐強く楽観的なのが文化なのだ。あまり思い悩む必要は無い。強がってるけど 皆一緒。

彼の根底には宗教(土居先生の場合はキリスト教)があるからこそ、どんなに悲しい未来が垣間見えたとしても決して「希望」を失わない。むしろ変革の情熱を感じる。だからこそ面白い。傑作。

その他のコメント

仕事上関わりのある人間関係をより良くしようと思い手に取ったが、人と人との関係だけかと思いきや、多少飛躍が感じられる日本人論までいっているところに驚く。当初の目的は全く達成できないが、普遍さが感じられる意味で面白かったので良しとする。

辻村深月の『傲慢と善良』と、さる専門雑誌にて和田秀樹先生が「甘え理論」について言及していたのでもう一度読んでみる。

甘えは日本人特有の気質であり、ソーシャルスキルでもあるようだ。

従って、「甘え上手」な人は社会的にも有利である。

欧米文化が原罪即ち罪悪感の文化であるならば、日本人は恥の文化であるとは菊と刀でもその後の文化人類学でも概ね認められているとも思う。

西欧や北米の人たちは、どんな場面でも選択肢が与えられる。本書でも土井先生がアメリカにて体験した「紅茶に砂糖をいくつ入れるか」とかいちいち選択肢があり、決定せねばならんと記述があったし、高校から自分どのカリキュラムを選択して授業を履修するか、自己決定権がある。

日本では、出されたものを出された通り飲んで食べるし、場合によっては大学でさえ履修すべき授業を選択させてくれる事もあると聞く。

これでは、自分で決定するという体感が身につかない。

本書では「祭り」についても少しだけ取り上げられていたが、今日の、渋谷のハロウィン騒ぎは日本人らしさが出ていると感じる。

信号が代わり、警察官の指示と号令の基にぐるぐる走り回るさまは盆踊りと酷似している。

太鼓の音に合わせてぐるぐるぐるぐる同じ動きをみんなと一緒にぐるぐるする。

そして日本人はみんなでぐるぐるが大好きだ。

盆踊りもみんなでぐるぐる、茶道もみんなでぐるぐる、ディズニーランドは左から右回りでぐるぐる、ラーメンのなると巻もみんなぐるぐる、暴走族もブンブンぐるぐる、最近はグルコサミンだってみんなでぐるぐるだ。

みんなでぐるぐるしてるとなぜか幸せな気分になるものだ。

さて。

恥の文化は、内と外という感覚を育み、欧米における公共性という感覚を育む事はなかった。

日本人が礼儀正しいだの、災害時にも整然としている事が「素晴らしいと欧米メディアが絶賛している(と日本人が言う)」時も、これは欧米における公共性というよりは、個人で決定する事を避け、誰かが決定し行動する事を待っているだけに過ぎないのではないかとも感じた。

これだけ個人の自由が認められ、自由が普遍的な価値観であるとされ続けた戦後幾数十年ではあるけれど、現在の日本人も個人の自由というものを軽視している。

これは、やはり個人であることに耐えられず、集団における個人でなければ安全・安心できないからに他ならない。

だから、「わがまま」は許されないけれど「気まま」は赦される。食事や旅行をするにも大人数は許されて個人は許されない。

学校に入る前に友達100人できるかな?を歌わされ、みんなで仲良くしましょうと言われ、ちょっとみんなと違う経験をしてるからって教師も一緒になって疎開児童を「セシウムさん」と渾名され、ランチメイト症候群だのぼっち飯だのがとてもさびしく恐ろしいものに感じる。

孤独は恥ずかしいもので、「ぼっち」と言われるのはなぜかを考えると、土井先生の甘え理論に立ち返ってくる。

甘えとは相手あってのものである。

甘える・甘えられるという関係性は、とても温かく自然で、原初的な母子関係に近い関係性である。

これが、旧い日本社会を指して「欧米が父性社会で日本は母性社会だ」とされる所以でもあるだろう。

母子関係は依存的関係であり、子供は原初的没頭の母親に抱えられ、万能感を満たし、攻撃性が生じ、抑うつを経験し躁的防衛を経る。

この体験こそ「甘える」という事であって、甘える練習を養育者との間で練習し、別の相手にも甘え、甘えられるように成長していく。

甘えとは、クラインの理論のようであり、コフートの理論のようでもある。

和田先生曰く2000年頃から土井先生の「甘え」理論は読まれなくなっているそうだ。

この頃からは「自己責任論」の時代が到来し、甘える事が許されなくなっただろうか。

これは日本人が成長し、より良くなった結果だろうか?

成長と言うと、フロイト曰く、エディプス(父親)葛藤を超える事が成長即ち人格統合であるという。

社会的にも、これまで父親葛藤はずっと存在していた。

戦前世代への反発としての学生運動。

学生運動していたかと思うと授業に出て髪を切って就職活動を始めた世代への反発としての親父狩りや校内暴力。

暴れまわって利己的な事をやっていたかと思うとバブルを謳歌するだけだった世代。

何も残さなかったと反発する失われた30年(ミレニアム・プレ/ポスト3.11、ジェネレーションXYZ世代)

これらはいずれも父親葛藤のようであり、先の世代への同一化拒否である。しかし、流れを見れば、同一化拒否があっても結局は反発した世代も次の世代からは同様に同一化拒否を叩きつけられ、反発されている。

このように考えれば、昨今の風潮である職場の飲み会拒否も、働き方改革も、先の世代の価値観への同一化拒否であり、「もうそれは許さないぞ」という攻撃性である。

ハラスメント然り、飲み会然り、そんな甘え方は通用しないぞ、下の世代であるわたし達に甘えんなと。

ところが、昨今では若い世代に対して自己責任がより一層の強い圧力として表出している。

老後は2000万円貯金しておけ、災害対策も国に頼るな、などである。

ここへ至って、甘えは相手が見えなくなり、「他者」になったようである。(和田2019)

相手があっての甘えであったが、相手はいつの間にかいなくなり、見えない「他者」となった。

これでは、これまで日本人の社会を動かしていた甘える・甘えられるという基礎的なコミュニケーションのパターンが通用しない。

日本人にとって甘えを失う事は、言語を失うことと同じではないか。

このままではバベルの塔の崩壊後のように、コミュニケーションが成り立たなくなるかもしれない。

もっと甘えてもいいし、甘えられるのもいいじゃないかと恐ろしくもなってくる。

(ここまで2019.10.28)

その他
P.108
日本人にとって自由は死の中にしかない。

P.126
「こんにちの社会の人間関係は昔に比べて容易に人を甘えさせない」

P.157日本人の被害者意識。
甘えの心理。丸山真男の指摘。
指導的立場にある人たちであっても被害者意識に悩んでいるという逆説的事実。

潜在的な被害的心理、甘えの心理。

p.159 甘えを媒介にして人との共感関係を経験したことが少ないと目標に執着する、しかしその目標は非現実的である。

読者

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