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「失敗の本質」とは84年の本で、日本が大東亜戦争で負けた理由を、国力の差ではなく作戦や組織による「戦い方」の視点から解説した本です。日本軍の六つの作戦、ノモンハン事件、ミッドウエー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ作戦、沖縄戦を分析して、組織の敗因と失敗の原因について精緻な解説が読めます。

本書「超入門失敗の本質」では、現代の日本人のために「失敗の本質」が描く組織論のエッセンスを、23のポイントに絞ってわかりやすく抽出しています。23のポイントを、日本軍の失敗、それに追加して現代の日本企業の失敗と絡めて解説するという手法です。

<戦略性>
1.戦略の失敗は戦術で補えない
太平洋の駐留基地の7割近くが、じつは戦略上無意味だった。戦力を集中できなかった。

2.指標こそが勝敗を決める
インテルの指標は「活用しやすさ」、日本企業は「処理速度」

3.体験的学習では勝った理由はわからない
たまたま成功(体験的学習とよぶ)しても、その成功要因を把握しないと長期的には敗北。

4.同じ指標ばかり追うといずれ敗北する
ゼロ戦は運動能力に優れ無敵だったが、米軍は火力と防弾能力を(違う指標)高めた。

<思考法>
5.ゲームのルールを変えた者だけが勝つ
海軍の猛訓練により夜間見張り員の視力は8km先の軍艦の動きを察知した。
米軍は夜間視力が高くなくても、敵を捉えるレーダーを開発。

6.達人も創造的破壊には敗れる
ゼロ戦の達人パイロットも、米軍の新兵器当たらなくても破裂する弾丸や、2機1編隊の運用により無力化される。

7.プロセス改善だけでは、問題を解決できなくなる
プロセス改善とは同じ手法の改善。白兵銃剣陸軍は大東亜戦争の初期は無類の強さを誇ったが、照明弾で得意の夜襲を封じられると限界にぶちあたった。

<イノベーション>
8.新しい戦略の前で古い指標はひっくり返る
戦闘の勝敗を分けるのは鉄量であることに気がついた堀参謀は、硫黄島などで鉄量を無力化する。
艦砲射撃が効果を発揮しない島の中央部に防護陣地をつくり、水際攻撃を避け、防御壁はコンクリート厚2.5メートル。

9.技術進歩だけではイノベーションは生まれない
ジョブズは価格や処理能力ではなく、お洒落なデザイン、感覚的な操作性、ネットワーク型の利便性などで戦った。

10.効果を失った指標を追い続ければ必ず失敗する
コダックは破産し富士フィルムは生き残った。

<型の伝承>
11.成功の法則を虎の巻にしてしまう
勝利の本質ではなく、型だけ受け継ぐ。海軍は秋山真之の30年前の「海軍要務令」を権威として伝承していた。

12.成功体験が勝利を妨げる
インテルはアイデンティティであるDRAMを捨てて成功した。

13.イノベーションの芽は組織が奪う
レーダーの中核技術の電力磁電管(マグネトロン)の研究は日本が先行していた。
軍部はこんなものは使えないと、既存の認識を変えることができなかった。

<組織運営>
14.司令部が現場の能力を活かせない
日本軍上層部は権威主義で現場への無理解。米軍は現場の自主性と独立を認める。

15.現場を活性化する仕組みがない
米軍は現場と司令部を1年でローテーション。日本軍は上層部は固定化。

16.不適切な人事は組織の敗北につながる
米軍は勝てない提督や卑怯な司令官を更迭。日本軍は意欲さえ見せれば成果は問わない。
能力の無い人物を社内に放置すれば、競合企業を有利にするだけ。

<リーダーシップ>
17.自分の目と耳で確認しないと脚色された情報しか入らない
米軍は直接リーダーが現場を確認する。日本軍は階層でフィルタリングされた情報しか届かなかった。

18.リーダーこそが組織の限界をつくる
自分のプライドを守るために、目の前の事実や採用すべきアイデア、優れた意見を無視してしまうリーダーは、自分が認識できる限界を組織の限界にしてしまう。

19.間違った勝利の条件を組織に強要する
負ける戦を勝てると間違った判断で部隊に強要すると、集団は悲惨になる。

20.居心地のよさが問題解決能力を破壊する
ぬるま湯の組織は、緊張感、使命感、危機感を維持できないので戦えない。

<日本的メンタリティ>
21.場の空気が白を黒に変える
「海軍将兵が陸兵になる覚悟を決めたのだから、大和特攻は当然である。」
実際は作戦として形を為さないのだが、男の覚悟に流された。

22.都合の悪い情報を無視しても問題自体は消えない
グループシンク(集団浅慮)やサンクコスト(既に投下した費用)について理解しすぎると、影響下にある集団は結論ありきの議論をする。

23.リスクを隠すと悲劇は増大する
安全運転する事と、保険をかける事は意味が異なる。
リスクを考えずに進軍した日本軍と、原発は重なるものがある。
最悪の状態はいつも考えておくべきこと。ショックアブソーバー。

大東亜戦争に敗北した原因に切り込んだ名著を更に簡潔にまとめた一冊である。
ノモハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦の6つの失敗した作戦から本質を捉える。

☆ポイント3つ
1.戦略性
2.イノベーション
3.リーダーシップ

政治家も企業の経営者も、その本質を理解し、はっきりした方針を示せたなら、閉塞感を打開するカギとなるか...

読者

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鈴木博毅の本

実践版 孫子の兵法 ― 勝者を支える最高峰の戦略書

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pujisi

こんにたわ

孫子ぱない。孫武の慧眼すごい。2500年前から現代経営を見抜いている。逆に2500年経ってもなお人の本質やパターンの変化は小さいということか。兵法なんて戦争するための物騒なものだろ!と訝しい思いがあったが、その本質は戦争しないためにあるものなんだ。リーダーはちゃんと勝てる戦場を選択し勝てない戦いはしない、そのためには己を知り敵を知ること。といった論理的かつ徹底的な分析思考は現代経営戦略と合致し、道理で経営者などがこぞって読む名著なのだなと腹落ちした。

約2年前