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愛したはずの夫は、まったくの別人であった。「マチネの終わりに」から2年。平野啓一郎の新たなる代表作!弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から、「ある男... 続き

コメント

亡くなった夫は全くの別人であった。夫はどこの誰なのか。物語はその謎に迫るべく進んでいく それがあくまでも軸となっているが夫婦とは何か?一緒に暮らしていても実は解らないことだらけであり、そもそもわかり合うことは不可能であるということを突き付けてくる。
また中年男性の都合の良い願望(あくまでプラトニックなのが肝)を通してエンターテイメントの枠内で反差別を唱えている。ストレートに語っても通じにくいこともあるが物語というフィルターを通すことで伝わりやすくする手腕にうまさが光る。
「そう、そういうのが強調されると、その人の持っている他の色んな面が無視されちゃうでしょう?人間は、本来多面的なのに、在日って出自がスティグマ化されると、もう何でもかんでもそれですよ。悪い意味だけじゃなくて、正直僕は、在日の同胞に、俺たち在日だしなって肩を組まれるのも好きじゃないんです。それは、俺たち石川県人だもんな、でも同じですよ。”加賀乞食”なんて自虐ネタをフラれても、そういうところがある気がしないでもないけど、何かにつけて言われるとね。
………弁護士だろう、とか、日本人だろう、とか、何でもそうですよ。アイデンティティを一つの何かに括りつけられて、そこを他人に握りしめられるってのは、堪らないですよ。」P.146

その他のコメント

「大祐」を巡るサスペンスが主軸ではなく、「大祐」を巡って弁護士城戸がパーソナリティを逡巡していく話であった。
「大祐」を[許される人間]にしたのは間違いなく「ある男」だと思う。
しかし、「大祐」でなければこの生活を手に入れる事は出来なかったことも確かだ。
人にとって愛にとって、過去とはどういう意味を持つのだろう。
城戸が山の「大祐」にかける一言が暖かい。

他人の人生を借りてまで生きるって壮絶過ぎでした。そんな家族を持った切なさに最後泣いてしまいました。

読者

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平野啓一郎の本

日蝕・一月物語

日蝕・一月物語

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cobo

昔の記録に

「決壊」を読んだので、上手いとは思うのですが、もう少し痒いところに手が届くように、私が好きな作家さんになりうるのかどうなのか?を判断するために処女作を読む事にしました。私はたいてい最初の作品にその作家さんの何かが出ていて、それを読む事で好みや傾向が分かる気がするのです。これ以上追いかけるに値(もちろん私の嗜好にとって、という事ですが)するか否か?という点を判断するのには1番売れた作品よりも、最初の作品なのではないか?と考えます。 で、感想と致しましてはこれ以上強く追いかけたいとは思いませんでした。またオススメではないのですが、私の感想を。 15世紀のフランスを舞台にある一人のカトリックの僧がフィレンツェを目指す途中で立ち寄った村で錬金術師と出会うのですが...という滑り出しなのですが、古い漢字か、当て字なのか分かりませんが全編古い字を使ったことで情緒は出ていますが、読みにくい。時代感溢れる演出ですが、もう少し上手く出来ないものか?とも思います、読みにくいことだけが良くないのではなく、読みにくさがあったとしても得られる何かの方が大きければ何の問題もないのですが、私にはデメリットの方が多く感じました。また、どうしても「薔薇の名前」が頭をよぎる構成といいますか、展開でして、「なんかどこかでみた」とか「似たような展開を何かで憶えてる」とかを感じさせます。意図したものではないかも知れませんが、そんなちょっとした違和感や演出がどうしても「読ませたい物語」よりも「びっくりしてくれた?けっこう上手いでしょ、私」的なる自己顕示欲に見えてしまう(もちろん私にとって、です)のです。これは技術的問題で、最初から上手い人はいないのでしょうけれど、その加減が私には鼻につく作家さんである、という傾向を感じ取れたので、しばらくはもう良いかと。でも、誰かからススメられると読んでしまいそうではあります。特別毛嫌いする程、耐えられない程ではありませんが、2作品だけで私の中の平野さん桶の中には水がいっぱい溜まってしまった感じです。 なんとなくこうして自分の文章にしてみると、「決壊」で感じた違和感がここでも感じられるのは自分でもびっくりです。引き寄せるチカラ、読ませるチカラは間違いなく上手になっていますし、文体もまるで違うにも関わらず。でも、もしかすると、ただの私の好きな幅が狭いだけなのかも知れませんけれど。そうだと嫌なので、できるだけいろいろなモノを読んで行きたいと考えていますし、せめて読んでから批判したいとは考えていますが。 特にオススメではないのですが、「薔薇の名前」の世界が(映画でも、本でも)お好きな方に、ヤヤスメ(ヤヤ、オススメの略ということで)します。 ところで、帯に『三島由紀夫の再来』って形容されているのですが、それって凄いですよね、やるな、新潮社!と思いました。売りたいぜ!って鼻息が感じられます、ストレートで凄い。 2008年 10月

約2年前

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ウェブ人間論

ウェブ人間論

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marz

漱石→三島→小林→聖書

「生まれた時に放り込まれたコミュニティ」で交わされる言葉や価値観と同時に、ネットの世界のあらゆる場所の人々と交流する言葉や価値観に影響されながら、成長してゆくことになる。どこに住んでいても考え方が均一化されていくのは怖い。突き抜けるチカラを磨き続けなければ〜

2年前